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MAIN TRAFFIC3  作者: 浜北の「ひかり」
Office Episode
60/69

352列車 新物

「うーんと・・・。」

「エヘヘ・・・。」

「起きたら、何で富山(とやま)を過ぎてたのかなぁ・・・。」

「かがやき」が金沢(かなざわ)に到着すると、僕はそう切り出した。答えを聞く必要はないだろう。

「だって私だって寝ちゃったのよ。仕方ないじゃない。ナガシィはちょっと目があるのかと思ったんだけど・・・。」

「全然、トンネル入ってから眠くなったんだもん・・・はぁ・・・。今も眠いけど。」

「北海道行くときはこういうの無しにしよ。」

「・・・うん、そうね・・・。」

って。

「もう北海道行く計画でもしてるの。」

(もえ)は嬉しそうに、

「だってナガシィと行ける初めてのチャンスでしょ。ナガシィはまず飛行機に乗りたくないんだから、全区間下で今よりも早く行けるってなったら行くでしょ。それに北海道新幹線(ほっかいどうしんかんせん)札幌(さっぽろ)までつながるの待ってられないじゃん。」

と言った。それはそうなんだけどね。北海道新幹線(ほっかいどうしんかんせん)の全線開業は2042年ぐらい。つまり、リニアの新大阪(しんおおさか)延伸3年前の予定である。その時僕らおっさん、おばさんだよ。

「待ってられないっていうのはね。」

「もちろん、おばさん、おじさんになっても北海道には行くけどね。札幌(さっぽろ)まで開業したら、もちろん行こうね。」

「はいはい・・・。」

その時は盛岡(もりおか)中小国(なかおぐに)近辺までと木古内(きこない)新函館北斗(しんはこだてほくと)渡島大野(おしまおおの)(2015年現在))間が300キロぐらいに速度向上するだろうか・・・。

「と、その前には北陸新幹線も敦賀まで延びてるね。」

そう言えば、そうだね。北陸新幹線の敦賀延伸は2025年の予定だからなぁ・・・。今から10年後ぐらいの話かぁ・・・。服今ではそれよりも前に開業するとかしないとか言われているけど、実際のところどうなのだろう・・・。専門出てからというもの情報を集めていないからそこん所全く分からない。社会人になって少しは知識が少なくなったのは弊害だろうか・・・。まぁ、多くなりすぎても困るけど・・・。

「ああ・・・。じゃなくて、早くご飯にしよ。(もえ)、僕お腹すいた。」

「うん、じゃあどうする。外は雨が降ってるみたいだけど。」

「えっ、ウソ。雨降ってるの。」

「うん、さっき傘さしてる人がいたから。多分結構降ってるのかもね。」

「ああ・・・。でも、外行く時間って最初からないようなもんだから、別に駅ビルの中でもいい。」

「別にいいわよ。○ックでも、吉○家でも、いいわよ。」

これはそこに行くとダメなパターンだ・・・。

「分かったから、いこ。」

(ナガシィって麺類好きだから、結局うどんか蕎麦かパスタになるんだろうなぁ・・・。)

というのは予想通りだった。

 そばどころを探すために結構さまよったから、それに時間を取られて、ホームに戻ってくると「かがやき507号」で接続できる「サンダーバード24号」は出発した後だった。次の「サンダーバード26号」まではまだ50分近く時間がある。

 ホームに上がると北陸新幹線の開業により誕生したIRいしかわ鉄道の521系が止まっている。いや、果たしてこれを521系と呼んでいいのだろうか・・・。

 そんなことはあとから調べればわかるか。IRカラーに塗られた521系は発車の時間を待っている。中には途中の駅まで利用する人たちで席が埋め尽くされ、経ち客がチラホラ出ているぐらいだ。

「521系にもついてるのね。あの幌。かっこ悪いから外したほうがいいと思うんだけど。」

「まぁ、これから出るのは全部ああいうのがついて出てくるんだろうね。」

とはいっても、最初付いてないものにああいうのがつくのは本当に気になる。521系は223系の従弟と言っていい。それがついてないほうがカッコいいなら従弟もついてない方がかっこいいに決まっている。

 それはさておき、521系が発車してから僕たちは特急のダイヤ表に目をやった。これには金沢(かなざわ)に発着する列車のダイヤが乗っているが、これに乗っているのは全部福井・敦賀方面に向かう列車だ。本格的に見るのはこっちじゃなさそうだ。

 反対方面のダイヤ表を見れば、前に来た時との違いがかなりはっきりする。まず、「はくたか」の文字がここから消えたことだ。次は「サンダーバード」、「しらさぎ」の富山(とやま)行きの列車の運転がなくなったことだ。まぁ、それは当然のことが起こっただけだ。次に気付くのはそれまで見慣れなかった「能登(のと)かがり()」と「ダイナスター」だ。

「何かすごい名前・・・。「能登(のと)かがり()」って。」

富山(とやま)湾の漁業からだね、これ。ほら漁するときに火とか焚いて、魚をおびき寄せる・・・。」

「ごめん、それは分かるから。」

「・・・。」

チーン。

「ツン。」

(もえ)が僕をつつく。

「何。」

「この「花嫁のれん」っていうのもなかったよねぇ。」

「えっ。」

聞いたことない列車である。「能登(のと)かがり()」、「ダイナスター」は存在を知っていたし、使う車両も分かっている。ただ、(もえ)の口から出てきたものは何も思い浮かばない。一体何を使って走らせているのだろうか。

「ちょっと見てみたいと思わない。」

「うん。でも、これいつ運転してるんだろう。」

備考の方に目をやった。そうすると何のことは無い、運転注意の列車だ。土休日運転とある。

「今日って土曜だから、これ来るってことだよね。」

「そうだね・・・。」

「見に行こう。どこに来るかわかんないけど。」

「どんなのか知らないから。」



ちょっと遅くなりました。

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