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MAIN TRAFFIC3  作者: 浜北の「ひかり」
Office Episode
59/69

351列車 「かがやき」疾走

「はぁ・・・。」

(もえ)はため息をついた。

「「つばさ」新塗装の方しか来なかったね。」

「仕方ないね。これからあっちの方がどんどん増えてくわけだし・・・。それに今何編成がシルバーで残ってるかもわからないしね。」

と言った。

 今は「かがやき507号」の車内である。車両はJR西日本がもつW7系(ダブルセブン)W4編成だ。車内には赤いモケットのシートが横5列に並んでいる。僕たちは2列側の車端部に座っている。前の座席のテーブルの下にあるネットにはJR東日本と同じようにパンフレットが入っている。

 東海道(とうかいどう)山陽新幹線(さんようしんかんせん)ではこれらパンフレットは普通車にはおいていない。だが、JR東日本が管理する新幹線では全ての列車に備えられている。JR西日本も今回の北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)の延伸開業に伴って、JR東日本と同じようにと歩調を合わせたからであろう。というよりも、今までJR西が他社と相互乗り入れを行うときに歩調を合わせなかったことは少ないが・・・。

「でも、これから全部あの色になるんでしょ。なんかもうちょっとましなのは無かったのかなぁ・・・。」

「・・・ましなのねぇ・・・。」

山形の首長がああしろと言ったそうだけど、別に言う必要もないことだよね。だから、ましな色じゃないのかな・・・。

 さて、そんなことはここまでにしよう。

 北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)高崎(たかさき)まで上越新幹線(じょうえつしんかんせん)と線路を共用する。そのため、上越新幹線(じょうえつしんかんせん)東北新幹線(とうほくしんかんせん)と共用する東京(とうきょう)大宮(おおみや)間は新幹線らしくないスピードでコマを進めていく。隣を並走する埼京線(さいきょうせん)の列車をごく数本追い抜いて行くことがこの区間の精一杯である。

 大宮(おおみや)に到着後は高崎(たかさき)まで240キロで走るようになる。これは上越新幹線(じょうえつしんかんせん)を走る列車のスピードがそれに抑えられているためである。じゃあ、上越新幹線(じょうえつしんかんせん)が260キロに速度向上するとそれに合わせて、北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)の列車も速度向上することになるのだろうか・・・。多分するんだろうなぁ・・・。

 高崎(たかさき)を通過すると「かがやき」はスピードを落とし始める。スピードを落とし終わって、しばらくすると身体が右に引っ張られ、「かがやき」は左に針路をとる。

「ようやっと北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)に入ったね。」

(もえ)はそう言った。3列側の方に目をやると今さっき別れた上越新幹線(じょうえつしんかんせん)の線路と北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)の上り線が見える。

 下からはまたモーターの甲高い音が響きはじめた。

「こっから登ってくからね。」

そう思いながら、窓の外を見る。

「一気に勢い付けないと落ちちゃうもんね。」

いや、それで終ってくれるといいが・・・。

 ここから先フル規格新幹線ではかなりきつい部類に入る30パーミルの連続勾配を駆けあがっていく。並行在来線である信越本線(しんえつほんせん)の中でいや、日本において最大の難所だった横軽(よこかる)が横たわるこの地域は新幹線となった今でさえ難所なのである。

 上り区間に入ると一気に車窓が変わる。今まで街が広がっていた風景は途端に山へと変わっていく。山に分け入って、一つ目の駅を通過する。安中榛名(あんなかはるな)だ。

 安中榛名(あんなかはるな)を通過するとすぐにトンネルに突入する。ここから軽井沢(かるいざわ)までの間はほとんどがトンネル区間になる。景色もしばらくお預けだ。

 軽井沢(かるいざわ)の手前で速度を落とし、軽井沢(かるいざわ)を通過。山にある木々は紅葉が所々で進んでいる。寒さゆえの光景であろう。この地域の寒さが滋賀とは比較にならないということを示している。

 軽井沢(かるいざわ)を通り過ぎ、再び「かがやき」はスピードを上げる。山の中を貫くように進み続け、10時56分、定刻通りに長野(ながの)に到着した。

 ここから先延伸開業した区間に「かがやき」は入っていく。


「かがやき」が誘う北陸浪漫。

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