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MAIN TRAFFIC3  作者: 浜北の「ひかり」
Office Episode
58/69

350列車 「あさひ」「かがやき」

 東京(とうきょう)駅のホームは相変わらずごった返している。上の電光掲示板には東北(とうほく)上越(じょうえつ)北陸(ほくりく)系統の列車案内が入り乱れている。

 3月のダイヤ改正で新たに増えたのが北陸系統の「かがやき」と「はくたか」の案内である。そして、それと同時に消えたのが「スーパーこまち」だ。

「あんまり変わってないねぇ。」

(もえ)があたりを見回しながら言う。でも、かなり変わったところもある。東北新幹線(とうほくしんかんせん)が延びる方角には上野(うえの)東京(とうきょう)ラインが開業しているし、東海道新幹線(とうかいどうしんかんせん)側ではホームドアが本格的に稼働している。あっ、周りは変わってないってだけか・・・。

「23番線停車中の列車は「かがやき505号」金沢(かなざわ)行きです。」

「ナガシィ行こ。」

そういい(もえ)は僕よりも先に歩いていく。僕はそれを追って行くだけだ。

 23番線に止まっているのはE7系(イーセブン)北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)ではこれまでのE2系(イーツー)を置き換える目的でE7系(イーセブン)が投入されている。またJR西日本ではE7系(イーセブン)とまったく同じW7系(ダブルセブン)を投入している。両者は東海道(とうかいどう)山陽(さんよう)系統のN700系(エヌナナ)と同様、ほとんど見分けがつかない。外観上の違いは形式番号の頭文字が「E」か「W」であること、編成記号が「F」か「W」であること、エンブレムの下に入る社名が「EAST」か「WEST」であること以外ない。

 E7系(イーセブン)E5系(イーゴ)E6系(イーロク)からはかなり印象が変わった。最も顔があれほど長くないからだろう。ヘッドライトはE6(イーロク)と同じように車両の両側に分かれて配置され、その上に小さいテールライトが収まっている。車両側面は白を基調に、窓下に細い銅のラインが入る。先頭部は屋根と同じ青色で、その両端はボディーから延びる銅ラインが入り、それが屋根の端部に延びる。

 スマホを車両に向けて1枚取った。

「「かがやき」ってなんからしくないって思わない。」

(もえ)がそう言った。

「そう・・・。」

「うん。E5系(イーゴ)の「はやぶさ」程じゃないけどさぁ、なんか突然出てきたような名前じゃない。」

(・・・(もえ)って「スーパーかがやき」知らないんだ・・・。)

E5系(イーゴ)は今でもらしくないって思ってるんだな・・・。まぁ、僕もだけどね。そもそも「はやぶさ」のイメージは寝台特急の方が未だ根強いと思える。

 さて、らしくないと言われる「かがやき」であるが、何もこれは新幹線が一番最初ではない。大概同じ名を名乗った前歴があるのである。

 東海道新幹線(とうかいどうしんかんせん)の「のぞみ」、「ひかり」は大陸を走っていた優等列車に、「こだま」は新幹線開業前まで走ったビジネス特急に。東北新幹線(とうほくしんかんせん)「はやぶさ」は寝台特急、「やまびこ」、「あおば」は東北本線(とうほくほんせん)の特急のようにね。「こだま」、「つばめ」、「やまびこ」、「とき」、「はくたか」と言った数多くの名門特急の名を引き継いでいる新幹線からしてみれば「かがやき」は名門とは言えない。

 だが、「かがやき」が北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)最速達の列車に収まるだけの前歴はある。

 「かがやき」はもともと上越新幹線(じょうえつしんかんせん)の速達列車だった「あさひ」から接続する北陸特急だった。これは当時走っていた「北越(ほくえつ)」のうち、停車駅の少ない「北越(ほくえつ)」を「かがやき」に名称変更して設定されたものである。そして、その「かがやき」は長岡(ながおか)を出発すると直江津(なおえつ)富山(とやま)高岡(たかおか)のみに止まる列車だった。そう、「かがやき」はその前身も最速達の列車だったのだ。その上に自由席がない全車指定席列車。これも今の「かがやき」と共通している。

 その「かがやき」の歴史は1997年までの9年間にわたる。「かがやき」と同時に「ひかり」の接続列車として「加越(かえつ)」から分離した「きらめき」が苦戦するのとは対照的に順調であり続けた。だが、ほくほく線が開業するとそこには狭軌鉄道最速となる「はくたか」の運転開始が決まっていた。当然、所要時間は「かがやき」に比べ速くなる。乗客の流れが長岡(ながおか)から越後湯沢(えちごゆざわ)に変わることは明白だった。それは第一の「かがやき」人生が終わることであった。「はくたか」の運転開始と引き換えに「かがやき」は北陸から去っていった。そして、北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)延伸開業に伴う復活になるのである。

 北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)の「かがやき」は「輝く光のスピード感と明るく伸びていく未来をイメージさせる」との理由で選定されているが、北陸最速達と全車指定は偶然の一致なんだろうか・・・。

 8時32分になると「かがやき505号」が東京(とうきょう)を発つ。僕らの乗る「かがやき507号」はこれの1時間後に出発するからまだ時間がある。

「シルバーの「つばさ」来るかなぁ、ねぇナガシィ。」

「・・・来るかなぁ・・・。」

(来ないに一票・・・。)

「とりあえず、前行こう。」

そういい、(もえ)は歩いて行った。「かがやき」の後にした23番線の向かい22番線には「スーパーこまち」から「こまち」に名称統一をしたE6系(イーロク)E5系(イーゴ)「はやぶさ」の新たな「はや」・「こま」コンビがいる。

(やっぱり、鼻長いなぁ・・・。)

とか思いつつ、東北新幹線(とうほくしんかんせん)の延びる北に向かった。

「はやぶさ」+「こまち」も「はやて」+「こまち」も略すと「はや」・「こま」になると最近気づいた。


所で「はやぶさ」+「スーパーこまち」を略すと「スパ」・「はや」にでもなるのかな?

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