347列車 大変なことは現場でおry
明けましておめでとうございます。今年も永島光をよろしくお願いします。では、どうぞ。
「うわぁ、こりゃ面倒くさいね。」
最初に出た感想はそれである。
「どうするナガシィ、どう回ろうか。」
「そうねぇ・・・。」
今日は萌と巡回している。だからと言って何かあるわけじゃないけどね。夏の強い日差しが降り注ぐ中で、僕たちが見ているのは新幹線高架橋の改修工事現場である。
JR東海は東海道新幹線の構造物、特にトンネル、高架橋といったもののアンチエイジング工事を10年かけてやると発表している。その発表が有ったのが正確な時は忘れたが、まだ浜松にいる時ぐらいの話だったと思うから、今から4年くらい前の話か・・・。
「これは面倒くさいにもほどがあるね。萌さぁ、通り抜けるから、上で待っててよ。そっちまで勝手に歩いていくし。」
「いいよ。じゃあ○で待ってるね。その間に私は○も見ておくから。」
「はいはい。」
携帯電話一つを持って車から降りる。車は普段なら左に曲がるところだが、左にすすめないため、まっすぐ行った。
「さてと。」
てくてく歩きはじめる。
「しかし、こうするとは思わなかったなぁ。」
さっきちょっと行ったからわかっただろう。そう通行止めになっているのだ。
通行止めの場所は住宅街に入っていくための抜け道。結構車どおりがある道なのである。そこに白のパーテーションに囲われた足場と高架橋をしたから覆うように防音ネットが張られている。パーテーションは本来の道からして住宅よりに歩行者、自転車だけが通ることを想定した隙間があるだけになっているし、その隣には「歩行者専用」の看板が立っている。自転車って車だから、歩行者専用じゃあ降りて以外通れないな・・・。
「昨日は通れたのになぁ・・・。」
そう言いながら歩いていく。
まぁ、東海道新幹線が開業した当時なんて、ここまで住宅密集するなんて思って無かっただろうからなぁ・・・。仕方ないと言えば仕方のないことなのかもしれない。と言っても、こんなふうに邪魔な構造になるのは春にもあった。今に始まったことじゃあない。ただ、その時は車道を半分にして作業をしていた。そして、改修が終わったら塞いでいなかった方を塞いで作業をしていた。今でも未知の上を改修する高架橋は有るけど、その場合だって片方を塞いで作業をしている。ただ、2車線道路にもなると夜しか作業が出来ないから、高所作業車を使ってやっているけどなぁ・・・。
「・・・。」
あっ、そう言うことか。
(今歩いているところってどうあがいても車の離合は出来ないからなぁ。つまり夜に作業をやろうが、昼間に作業をやろうが、道を塞いで通れなくなることには変わりないってことか・・・。)
ただ・・・。
「どう考えてもクレームの種にしかならないよねぇ。」
ここは僕の左手には用水が流れている。コンクリートの底だけど、道の報には築堤がある。新幹線の上り線側からここに入ると高架橋の手前に駐車場があって此方からは車を反転させることが出来る。一方下り線側は住宅が建っている。築堤もあり車を反転させることは不可能だ。つまり、下り線側から何も知らない人が来るまで入ってきたら、バックでここから脱出する以外手段がないのである。誘導する警備員くらい立てておかないとダメなんじゃないかなぁ・・・。
鍵を引っ張ってちょっと歩いて車が入っていった坂を上る。登っている途中にライトをつけた車が降りてきた。どう考えても自分らの車だ。
「ありがとう。」
「はぁ、ナガシィこそ、ありがとう。」
萌の息が上がっている。直前まで走ってたみたいだけどなぁ・・・。まぁ、あの上って走りたくもなる場所だけど、そもそも夜なんかに入るような場所じゃないな・・・。それに絡む話はこの次にでもしよう。ただ、僕らの経験したことじゃあないんだけどね。
車はまた夜の道へと繰り出した。
と、そうそうここであの類のクレームが有ったのは2日後だったりする。
タイトルは言ってみたかっただけです。




