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MAIN TRAFFIC3  作者: 浜北の「ひかり」
Office Episode
45/69

337列車 公開

 翌日、朝3時30分ごろには目が覚めた。それから北大阪急行(きたおおさかきゅうこう)の始発に乗るため、千里中央(せんりちゅうおう)まで高槻(たかつき)(もえ)の3人で歩いた。もちろん、送り出しは善知鳥(うとう)先輩がやってくれた。

 千里中央(せんりちゅうおう)から阪急梅田よりにあるリムジンバス乗り場まで行き、そこで今治(いまばり)百済(くだら)と落ち合う。今治(いまばり)の場合は関空まで直接行けばいいのに・・・。まぁ、いいか。

 関空からLCCで新千歳(しんちとせ)空港まで行く。飛行機で約90分ほど。本当に早いものである。

「寒っ。」

北海道に降り立った感想はこれであった。11月に来た時よりは格段と温かくなっているのだが、これが北海道の5月なのだろう。

(これはかなり舐めてたかも・・・。)

僕たちは自分たちの服装をちょっとだけ見て今の気候と合致しない服装であることを悟った。流石に長袖薄着の重ね着では北海道の5月の気候には合わなかったみたいである。

「なぁ、寒いのはいいが、そろそろ話してくれてもいいんじゃねぇか。今治(いまばり)。」

高槻(たかつき)がそう言った。

「そうだね。そろそろ計画を話そうか。」

今治(いまばり)はあたりを見回し、ベンチを指差して、

「あすこに座ろうか。」

と言って、僕たちを促した。

 腰かけると今治(いまばり)は自分のバックの中からビデオカメラを取り出した。

「来ちゃいました北海道。」

と声をかけた。

「オーッ。」

テレビのノリ感覚でとあまり周りに迷惑にならないぐらいにそう言う。

「えーと、今回北海道に来た真の目的は、北海道を全部回ってみようと思ったんだ。もちろん、一度に全部は無理だから、何回も北海道に来て全制覇しようと思う。」

今治(いまばり)はそういい、今回の度の趣旨を語り始める。が、ここにきて思わず口から、

「はっ・・・。」

と声が出た。どうやら(もえ)高槻(たかつき)百済(くだら)も上手く呑み込めていないようだ。

「今は漠然とそうなんだぐらいに思っといてよ。で、もちろん北海道を全部回るって言っても、市町村全部回ったりとかしてもあんまりイメージがわかないと思うんだよ。」

「・・・ああ、そうだな。」

「だから、カントリーサインを買って回ることにするんだよ。」

今治(いまばり)は名案を思いついたようなドヤ顔をする。カントリーサインとは、漢字で言えば市町村章それに近いものの事である。どこの市町村にも何かしらのマークが有る筈である。しかし、それではなかなか印象に残らないのが実情だろう。実際札幌(さっぽろ)市の章がどんなマークでも印象には残り辛い。それを印象に残りやすくしたものがカントリーサインと言ったところではないだろうか。カントリーサインにはそれぞれの市町村を象徴するような図柄が入っている。札幌(さっぽろ)なら時計台、小樽(おたる)なら運河と歴史的建築物、千歳(ちとせ)なら飛行機とか。だから、集め買いがある。実際、「ドライブが楽しくなる」のタイトルが付くページにこれが載っているぐらいだ。

 さて、途端に話は変わるが、皆さんは「道の駅」を利用したことはあるだろうか。実は僕と(もえ)はある特定の班に行くとその道の駅をよく利用する。時間を調整しやすいからね。とそんなことはどうでもいい。道の駅は北海道が一番多いというのは漠然としたイメージでもよく分かるだろう。では、どれぐらいの道の駅が存在するかをご存じであろうか。国土交通省道路局のホームページによると北海道には「道の駅」に認定されている施設が115存在する。それだけ北海道が車社会且つ広いという証左であろう。

 ではなぜここで道の駅が関係するのかと言えば、勘のいい人ならもう分かるはずである。これ全部、道の駅の売店で売っているのである。

「カントリーサインを買って回るのはいいよ。でも、何年かかるんだよ。ていうか今回はどこに行くんだよ。」

高槻(たかつき)が聞いた。

「北海道と以外言ってなかったからな。じゃあ、発表するね。今回は。」

そう言うと今治(いまばり)はカバンの中から一枚の紙を出した。

 それには道北地方のデフォルメされた地図と道の駅の名称と思われるものが描かれている。

「道北方面、稚内に行きます。」

「・・・。」

「おお。」

言葉は出なかった。一応の計画はあるから無計画ではないが、かなりの行き当たりばったり感は拭えない。

 ルートは道央道を通り、網走(あばしり)方面にまず抜ける。サロマ湖近辺にある道の駅から道北方面に舵を切り、湧別(ゆうべつ)紋別(もんべつ)興部(おこっぺ)雄武(おうむ)稚内(わっかない)へと向かって行き、天塩(てしお)初山別(しょさんべつ)羽幌(はぼろ)苫前(とままえ)を抜けて札幌(さっぽろ)新千歳(しんちとせ)に戻ってくるルートである。

(回りきれんのか・・・これ。)

まぁ、3日以内で終わる工程で計画しているだろうから、その心配はないのであろうが、パッと見の走行距離が長い上に高速道路はほとんど整備されていない所を走るためどうしても思ってしまう。高速道路などの高規格道路に乗ると分かるのはこの地図を見るに道央道だけである。

「ところで、レンタカーは何時から借りることになってるの。」

僕はそう聞いた。

「10時から。まだ時間あるね。」

チラッと時計を見た。まだ9時30すら回っていない。が、

「ここからレンタカー屋はバスで行くことになるし、ここにあるレンタカーのカウンターに行こうか。」

今治(いまばり)がそう言って、荷物を持って立ちあがった。それに釣られるように全員立ち、歩きはじめる。

 強のうちにどこまで行く予定か知らないが、力いれて行かないと回り終らないな。


行程

新千歳(しんちとせ)発→「しらたき」→「まるせっぷ」→「サロマ湖」→「愛ランド湧別」→「かみゆうべつ温泉チューリップの湯」→「オホーツク紋別」→「おこっぺ」→「おうむ」→「マリーンアイランド岡島」→「さるふつ公園」→「わっかない」→「てしお」→「富士見」→「☆ロマン街道しょさんべつ」→「ほっとはぼろ」→「風Wとままえ」→「おびら鰊番屋」→新千歳(しんちとせ)


何年かかるんでしょうね・・・。

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