318列車 旅行日
11月。僕と萌は大荷物を下げて、大阪にやってきた。
「ふぅ・・・。重い。」
僕はそう言い、大きく膨らんだカバンをホームにおいた。
「そうねぇ。でも、久しぶりに大阪まで来たね。Patrol隊に行ってから此処に来ることなかったからね。」
「そうだねぇ・・・。」
そういい僕はあたりをぐるっと見回した。特に変化という変化があるわけではない。だが、走っている車両には多少なり変化がみられる。特に大きい変化は221系の体質改善車だろう。223系に準拠したシート配置に、客室内部は吊革、手すりに至るまで黄色いものになっている。LEDの案内表示は扉上に大きなものが設けられた。特に先頭車は大きな変化を遂げている。ヘッドライトはそれまでの白色2灯から、フォグランプを付けた上に、HIDランプに改められている。その関係でテールライトが体質改善前よりも小さくなった。さらに運転台の右上にあったJRマークが入っていた場所にはLEDの行先表示が新たに設置されている。排障器も体質改善前よりも重厚感のましたものが取り付けられている。
「あっ、話変わるけどさぁ。よく休みあわせてくれたね。僕は僕だけで行くことになるのかなぁって思ってたけど。」
「大きく話しかえたね・・・。」
萌はそう言ってから、
「まぁ、天城班長がさぁ・・・。」
「ところで永島君とどこか一緒に行ったりする予定とかは無いの。永島君○○の人と北海道行くって楽しそうにしてたけど。」
「無いですねぇ。それに一緒の時に3連休も休み取れませんよ。」
「冷めてるなぁ・・・。それでも彼氏か。」
「別に冷めてなんかないですよ。普段から一緒ですし。それに、ナガシィ・・・永島君だって時には私以外の人と遊びたいと思いますし。」
「遠慮しなくてもいいんだよ。休みの話だったら私が長良ちゃんに話し通しておくし。」
「えっ、でも・・・。」
「いいんだよ。萌ちゃんだってしっかり仕事してくれるし、女の子だけど新幹線詳しいからいろいろと助かってるんだって。それに、長良ちゃんが嫌いなのは仕事できないくせに休みをとろうとする図々しい奴だけだから。」
「・・・そうですけど・・・。」
「よし、決まり。この3連休は開けておくね。それとこういう時こそ隙を見て二人っきりとかになっていいムードになれば・・・ウフフフ。ああ、ごめんごめん。さすがにいい雰囲気になってラブラブするっていうのは忘れて。」
「って。ていうか、聞くの遅いよ。休みを取るのは9月の後半からだったんだし、聞く機会いくらでもあっただろ。」
「うん、でも別に聞くことじゃないかなぁと思ってたから。」
「じゃあ、なんで今聞いたのって聞くのはやめるわ。どうせ「気分」としか言わないでしょ。」
「うん、分かってるねぇ・・・。」
「そりゃ、分かるわよ。」
呆れた顔でどこかをむき萌を横目に僕は腕時計を見た。
「まだ集合時間っていう時まで時間あるねぇ。」
「集合場所は阪急梅田の方にある書店の前だったっけ。」
「うん、今治がLINEで写真送ってきてるから行けばわかると思う。」
「・・・じゃ、行こうか。」
バックを持ち上げて、たすき掛けする。ゆっくりとした足取りで阪急梅田の方へと向かって行く。いる場所は姫路方面行きの先頭。ここからはかなり距離がある。上を見上げてみれば、大阪駅全体を覆う屋根が見える。ステーションシティーと一体で改修された大阪駅は研修旅行で見たときの大阪とは全然違う。
さて、改札を通り抜け、通路の上にある案内に従って歩いていく。歩く歩道があるところを通り抜けていくと目的の場所が遠くに見えてきた。それを今治が送ってきたLINEの写真を照らし合わせて、その場所の写真を撮った。
「着いたどー。」
と今治宛にLINEを送った。
「まだ30分ぐらい時間あるよ。」
「うーん、今治来てないなぁ・・・。」
僕はあたりを見回した。分かりやすい今治の姿は見えない。
「・・・いるわけないでしょ。何分前だと思ってるのよ。ナガシィの言われた通りに行動するとクラスメイトよりも速くなるのよ。特に旅行の時は。今まで何回同じことやったのよ。実行委員のの人や発起人よりも早く行ったことあったじゃない。」
あっ、言われてみれば・・・。専門学校の研修旅行で言った時は1番では無かったけど、出発地に1時間前には既にいた。というよりもその時間に就くようにこっちは言っているわけだけど・・・。さて、萌の言うときは和歌山電鉄に乗った時とかのことだろう。あの時も1時間くらい前にすでに阪急六甲や南海難波、和歌山にいたりしていた。当然その時間には誰もいなかったことを今でも覚えている。
「まぁ、後れるのは嫌だからね。」
「で、どうやって時間つぶすの。」
「うーん、北海道ってどんなの走ってるっけ。」
「おい、まさかわからんわけじゃないよねぇ。私よりは詳しいのに。」
萌はあきれ顔だ。僕だってわかっていないわけじゃない。どんなのが走っているかは大体把握している。だが、最近鉄道雑誌に触れあう事がなくなったため、最新情報を掴んでいるわけではない。少なくとも高校にいるときよりも自分の知識は少なくなっていることは否めないのである。
「電車で言ったら高槻君が「711系がまだまだ走ってる」って言ってたよ。他は733系と735系が走ってるから、電車の目玉はそれぐらい。まぁ、北海道の中の方に行ったことが無いなら、キハ201とか、「オホーツク」でまだ走ってるキハ183系0番台とか、「スーパー宗谷」のキハ261とか、「スーパーカムイ」の789系1000番台とか見れるって。それぐらいかな。」
「えっ、まだ183「オホーツク」現役なの。」
「らしいよ。って私に聞くな。」
「・・・。」
「・・・。」
「てか、僕はもう「オホーツク」はキハ261系1000番台に変わったと思ってたよ。」
「それ走ってるのって、「スーパー宗谷」だけじゃないの。」
「「スーパー宗谷」で走ってるのは0番台の方。ほら、ヘッドライトが横に寝てるあれ。」
とはいっても、そのキハ261系が何であるかということが分からない方、こんな説明で御免なさい。画像検索参照でお願いします。お手数をおかけます。
「ああ、ていうかあれ基本番台だったんだ。」
「それで1000番台の方が、789系のイメージで顔を青く塗ったディーゼルのやつ。あれが「スーパーとかち」で走ってるんだよ。」
「へぇ、そうだったんだ・・・。あれ、ナガシィの家にこれの模型とかってあったっけ。」
「あったと思うよ。」
「おかしいなぁ、ナガシィの家にあったらわからないわけないのに・・・。」
「はぁい。」
後ろから声がした。と思ったら、背中をとんと押される感触がする。声からして、これは・・・、
「今治君。」
「どうも、おひさーです。」
「久しぶり。」
僕はあたりを見回してみる。今治が来たということはそろそろ百済や高槻が来てもいいころである。
「あれ、他の二人は。」
「もうすぐ来るよ。あっ、こっちこっち。」
今治は少し大きめに手を振った。それに気づいたのかこっちに駆け寄ってくる人が2人いる。その顔は高槻と百済だ。
「久しぶり。」
これで揃った。数分後リムジンバス乗り場に行き、そこから関西国際空港までひとっとびだ。関空についてから、搭乗手続きなどその他もろもろを済ませてから、新千歳に飛んだ。
最近「とれいゆ」という存在を知りました。秋田新幹線のE3系新幹線の改造車ですが、全く知らなかった。情報収集を怠ってます、はい・・・。




