304列車
今回は本編と言う形から少し離れようと思う。新たにMAIN TRAFFIC3となってからだが、社会人編としてスタートいたしました。社会人編では新幹線に関連する話となりますが、新幹線に関連するのは警備会社日綜警(架空)を介した間接的なものとなっています。
新幹線が1964年10月1日(昭和39年10月1日)の東海道新幹線の開業であることは日本国民には周知の事実。そして、ここから日本の高速鉄道の歴史が始まるのです。
昨年10月1日には東海道新幹線は晴れて開業から50周年という節目の年を迎えました。さらに、東海道新幹線はじめ、全ての新幹線が更なる10年、20年に向け、飛躍しようとしています。今年3月には北陸新幹線(通称:長野新幹線)の長野~金沢間が開業し、東海道新幹線は最高速度285キロ運転を開始します。また、現在は北に着々と線路を伸ばし、来る北海道新幹線の開業に向けた工事、さらに東海道新幹線のバイパス路線リニア中央新幹線の建設が本格化しようとしています。
ここまで新幹線が発展したことは今や日本にとってなくてはならない存在になったことの証明でしょう。
ですが、本作をはじめとする創作物が「全ての人からの共感」を得られないのと同じように新幹線も「すべての人の共感」を得て建設されたわけではありません。国家事業と言うことで反対をすべて押し切って建設されたということを忘れてはなりません。
話が変わります。新幹線が遅れる理由には「保安装置を含む施設関係のトラブル」、「天災」大きく分けてこの二つがあります(作者私見)。保安装置のトラブルではごくたまに発生するATCのトラブルです。一方の天災は東海道新幹線の雪害による遅れが有名でしょう。
そして、もう一つ忘れてほしくないのは「妨害による遅れ」です。
映画「新幹線大爆破」ではありませんが、あのようなことをしてやろうと企てる人間が居るのです。何もフィクションの中だけの話ではないのです。事実、新幹線の運行を妨げる心ない人たちもいます。今回はその一例を紹介します。
1993年8月28日。滋賀県彦根市で新幹線の軌道にチェーンを巻きつけるという事件が発生しました。当日「のぞみ303号」が現場を通過した際に異音を感知し、緊急停止。捜索ののちに「のぞみ303号」が切断したチェーンと政治批判を書いた声明文を発見したというものです。
この事件での人的被害は0でした。しかし、不幸中の幸いと言うだけです。もし、「のぞみ303号」が脱線していたらと思うとぞっとします。
あまりにもぶっ飛んでいることですが、実際に有ったことです。調べればこのことは出てきます。
他にも。新幹線の長所は何かと聞かれた際、多くの人はその速さと乗り易さを挙げることでしょう。しかし、長所の中に短所があるというように速さと乗り易さの裏にも短所があるのです。
速さの短所は事故を起こした時のリスク。乗り易さの短所は犯罪者が簡単に乗りこめるということ。前者は東日本大震災の東北新幹線や中越地震の上越新幹線「とき325号」でしょう。一方の後者は無賃乗車が現実的でしょう。
速さに対するリスクは施設を改修することで防げる可能性は大きく上がりますが、後者のリスクは人間が存在する限り続くのです。新幹線があり続ける限り、付きまとうのです。
日綜警はそれを防ぐ縁の下の力持ちなのです。仕事の目的はこういうことです。




