~夢って深層心理と関係あるって本当ですか?~
語り手が主人公に戻りました。
ただいま、俺の部屋で、どんな夢を見たか護に説明中!
奈々はお茶取りに行ってるから、暫くは戻ってこない。
そのウチに話しておかねばならないことが!
「すんげえ変な夢でさー!」
「ほぅ」
「俺が女になっててさぁ。髪とか銀色なんだよ。
しかも、奈々よりデカかっぐはっ!」
いだっ!本?!どっから本!?
「奈々?!」
「あら、ごめんなさい。手が滑ったわ。」
「両手を紅茶乗せたお盆で埋まってるのに、どう手が滑ったら本が俺の顔に飛んで来るんだ?!」
「世の中には、解明されていない不思議な現象はいくらでもあるものよ。」
「そうゆう問題?!つか、戻ってくんの早!」
取りに行ったばっかだぞ?!
「おば様が、アンタが起きた声を聞いた時に準備を始めてくれてたそうよ。」
な、なるほど…。それなら納得。
「んで?銀髪の奈々よりスタイルがいい女になってただけか?」
あ。そーだった。
「後で殴る…」
奈々の呟きは無視しよう。
俺には止められない。
「なんか、ハーデスって名乗る残念なイケメンと、
タナトスって名乗る変なイケメンがいた!」
すんげえ変な奴等だったなー。
マンガとかに出てくるハーデスとイメージ違いすぎてビックリしたぜ。
「「・・・・・・・。」」
あ。二人とも絶句してる。
そりゃそうだよなー。
すんげえ変だもんな。でも夢だし。
「そ、それで?」
「へ?えーと。ハーデスがセクハラ悪代官だった。」
「「・・・・・・はぁ。」」
あれ?何で二人して溜め息?
俺の見た夢に呆れてんのか?
そりゃ、俺も呆れるけど…はっ!
「別に俺の願望とかじゃないからな!!女になりたいとか、
イケメンにセクハラされたいとか思ってねーからな!!?」
そんな勘違いだけは辞めてくれ!!
俺は断じて望んでない!
でも、夢って深層?願望の表れ?とか言うし…
もしかして俺にそんな趣味が??!
いやいやいやいや。断じてない!!
「ちーがーうー!!!」
「思ってないから安心しろ。」
護…!!心の友よ!!さすが親友!!
「そうね。そんな願望持たないでも女物着れば叶えられる顔してるんだから、
わざわざ夢にまで見ないでしょうね。」
奈々…?それは俺が女顔と言いたいのか!?
「お望みなら、美少女に仕立て上げてあげるわよ?」
「いらん!!」
「それで?それだけか?」
「へ?」
異様に護の食い付きいいなー。めっずらしい。
「うーん、と。なんか、俺がペルなんとかって名前で、
ハーデスの嫁さんとか言ってた。」
「ほぅ。」
「あら。それでセクハラ、ね。」
「なんもされてないからな!!つかさ、ハーデスって嫁さんいたっけ?
俺が読んだ事あるマンガで嫁さんいるのゼウスくらいなんだけど。」
俺が知らないのに、夢でそんな設定になるか?
だから知らない名前の女が嫁さんで、それが俺?
意味わからん。
「お前は神話を読んだ事ないだろう。」
まぁ、そーだけど。
精々、ヘラクレスがメデューサと戦ったーくらいだけど。
「ある程度詳しい話が載ってる本にはちゃんといるわよ。
ペルセポネーって女神が。」
「あ。そんな感じの名前だった。」
「それで?他には?」
「ん?それで終わりだけど?」
他は風呂がどーとか、寝間着がどーとかだったし。
「はぁ………。」
「お互い、身内に苦労するわね。」
「まったくだ…」
二人して、なんなんだ?
あんまり溜め息つくと、幸せ逃げるぞ?
禁句なんです。