~男の娘って言うな!~
説明口調すぎるとか気にしないでください。
はい。俺、姫森大地です。
男です。
四月から男子高校生になるんで間違いないです。
ナニとは言わないが、ちゃんと付いてるしな!!
そーれーが!!
なんで”姫様”なんて呼ばれなきゃなんねーんだよ!!
確かに苗字に姫って字があるけど、
俺達の中で”姫様”なんてアダ名が付くのは奈々の担当だ。
間違っても俺じゃない!!
あ?落ち着けって?
コレが落ち着いてられっか!!
俺はそこまで達観してない。
悟りの境地とか到達してない。
お前等だったら、家でゴロゴロ雑誌読んでて、ついうっかり寝落ちして、起きたら”姫様”なんて呼ばれる状況を自然に受け入れられんのか!?
受け入れられる奴、俺と代われ。
是非譲ってやる。
いや、代わってくださいお願いします。
「姫様?聞いていただかないと困るんですが・・・」
俺は現在進行形で困ってんだよ!!
「姫様としての記憶がないのは把握していましたが、まさか本体に戻っても記憶が戻らないなんて・・・」
あ?記憶?本体?何言ってんだ?コイツ。
「あ。聞いていただける気になりましたか?」
人の心読むな。
あからさまに嬉しそうな顔すんな。
「つかさー。人違いじゃねぇの?俺、男なんだけど。”姫様”って女じゃねぇの?」
「はい。姫様は女性ですね。気付いてらっしゃらないのですか?今のお姿は本体に戻ってらっしゃるので、女性ですよ?」
はぁぁぁあああ?!
慌てて自分の身体を確認。
あ。まじだ。本当だ。
しかも奈々よりデカイ。
ナニがとは言わないが。
つか、髪長っ!!!!
すっげえ長い。床に着くんじゃねぇの?
つか、何故銀髪?
いつから銀髪??
え?先にそっちに気付け?
バーカ!女に代わってたら、最初に確認する所なんて決まってんだろ!!
俺は健全な男子高校生(予定)だ!!
はっ!?
ま・・・まさか・・・・・・!!
恐る恐る下半身に意識を向ける俺。
触って確かめるなんて俺にそんな度胸はない!!
なん・・・だ・・・と・・・?!
俺の自慢!なんて言える程ではないが、大事な立派?な息子が・・・・・!
ない!!!
うわぁぁぁああああ!!!
ダメだ・・・俺はもう生きて行けない・・・
先立つ不幸をお許しください・・・
「あ。ご安心ください。あちらの世界に戻れば、元の身体に戻りますから。」
「それを先に言えー!!!!」
「話を聞いてくださらなかったのは姫様なのですが・・・」
うるさい。
いきなり女の身体になってたら、冷静に話の続きなんて聞いてられっか!
良かった・・・!まぢで良かった・・・!
ついうっかり絶望して儚くなる所だった。
「アヤツが戻ってると聞いたが?」
へ?誰?つか、いきなり現れんなよ。
ノックしろよ。
「はっ。一時的ではありますが、条件さえ整えばこちらにお呼びすることに成功致しました。」
「ふむ。よくやった。」
「はっ。ありがとうございます。ですが・・・少々記憶に混乱があるようで・・・申し訳ございません。」
「アヤツは頑固だからな。お前等如きじゃ手が出せないのも道理。」
なんだ?すんげえ偉そうなんだけど。
話してた奴の上司か?
なんか話の流れ的に、俺がこんな状態になってるのって、この偉そうな奴が原因?
あ。なんかコッチ見た。
うっわー。すっげえイケメン。
俺、護以上のイケメンって芸能人以外で初めて見た。
イケメンの上に威風堂々って感じだな。
外見だけじゃなくて、中身もしっかりしてそう。
大人の男の色気ってヤツまで漂ってやがる。
女にモテんだろうなー。
爆ぜろ、リア充!!!
死にさらせ!!非モテ男の敵!!
「おぉ!会いたかったぞ!!我が愛しの妻よ!!!」
はぁぁぁああああ??!
そりゃビックリしますよね。