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思惑  作者: 山本正純
第三章 愛情
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運命 前編

 午後五時三十分島根県警。日御碕は雨だったがこちらは晴れていた。辺りは暗く夜景が見える。

 会議室には坂井好美と新庄治。木原と神津の四人がいる。今彼らは甲斐遼太郎を待っていた。それから五分後甲斐遼太郎が会議室に来た。

 

 役者も揃い木原は真相を話す。

「まず発端となった高見明日奈さんが日御碕で投身自殺した事件。実は彼女は自殺をしていなかった」


 衝撃の事実に三人はざわつく。

「誰かに殺されたということですか。嘘でしょう。なぜなら高見明日奈さんの後ろには誰もいなかったから殺人な訳がない」

「新庄さんの言ったように殺人ではありません。自殺ではないと言ったのは偽装自殺だったということですよ」


 木原の推理に神津が補足をする。

「つまり高見明日奈さんは生きている。そして彼女は東京に行き青い水筒毒殺事件を起こした」

 坂井は驚く。

「まさか。明日奈さんが殺人犯な訳がないでしょう」

「そうです。彼女は集団自殺事件を殺人事件のように偽装しました。現場に自分と被害者が写った写真を残すという方法で。全ては保険金を手に入れるために」

 甲斐は木原の推理に割って入る。

「それは不可能でしょう。だって甲斐大輝の保険金の受取人は私だから」

「そうですよ。妻の相生すみれの保険金の受取人は俺です」

「それが出来るのですよ。本人直筆のこれがあればね」


 神津は机の上にある物を並べた。それは遺言書だ。

「これは甲斐大輝さんの遺言書です。これの筆跡鑑定をするために遼太郎さんを呼びました。甲斐遼太郎さん。この遺言書をこの場で読んでも構いませんか」

「いいですよ」


 神津は遺言書を読んだ。

「遺言書。保険金一億円をNPO法人ハートクイーンに寄付すること。残りの遺産は遼太郎兄さんに渡します。それが弟として兄さんに出来ることです」

「バカな。これは高見明日奈が書かせた物でしょう」

「いいえ。これは個人の意志で書いた物だろう。その証拠に彼らは遺留品にハートのクイーンのトランプを紛れ込ませた。自分は高見さんを支持するという意味を込めて」


 甲斐は腑に落ちない顔をする。

「なぜあいつはNPO法人ハートクイーンに遺産を寄付したのかが分からない」

「NPO法人ハートクイーンについて調べました。心臓病を患った子供の手術費を援助する組織のようです。おそらく残りの二人も同じ内容の遺言書を書いたと思います」

 

 神津は木原の推理に続けるように話しだす。

「彼らの生命保険についても調べた。全員が自殺では保険金が下りないが、殺人だと保険金が下りるような保険に加入していた。しかし都合よく殺人事件に巻き込まれるとは限らない。だから自殺を殺人事件に偽装してもらった」

「全ては心臓病を患った子供を救うため。一人一億円が保険金として支払われるとしたら三億円がNPO法人に寄付される。それだけあれば海外で心臓病の手術が出来るはず。そうですよね。黒幕の・・」


 この三人の中に黒幕がいる。木原の言葉はそのように暗示しているようだった。



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