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思惑  作者: 山本正純
第三章 愛情
53/60

匿名 

 木原と神津は鄭勘介の診察室を訪れた。

「診察で忙しいでしょう。手短に確認しますよ。まず今年の七月十九日に白前家蟷螂の会を島根県で開催しませんでしたか」

「はい。スサノオホテルで開催しました」

「因みに白前家蟷螂の会というのはどのようなパーティーなのでしょう」


 木原の問に鄭はコーヒーを飲んだ後答える。

「簡単に説明すると社会問題について討論をするパーティーです。六人一組で社会問題を解決する方法を考えるのです」

神津は鄭勘介に確認をする。

「高見明日奈のチームには、甲斐大輝。日野夏美。相生すみれ。平山小五郎がいた」

「はい。六人目は男でした。名前は匿名希望で常に黒い仮面を装着していましたよ」

 

 二人は驚く。

「匿名希望ですか」

「基本的にハンドルネームで呼び合っているので黒い仮面で顔を隠していても差し障りはありません。社会を考える会参加者の本名を知る方法は開催中に本人に名前を教えてもらうことしかありません。でも私は主宰者ですから参加者の本名は全て把握していますが」


 主宰者として当たり前だなと木原は思った。その後彼は最後の質問をする。

「では最後に高見七海さんを診察して変わったことはありませんでしたか」

「特に異常はありません。しかし気になることはあります」

 

 鄭勘介は木原たち警察官に確認する。

「普通誘拐事件の人質はガムテープやロープで拘束されていますよね」

「はい。そうじゃないと人質が逃げる可能性があります」

「だとしたらおかしい。肌には拘束された形跡がなかったから」


 二人は鄭勘介の言葉を聞きある真実に気がついた。

(なるほど。誘拐犯が彼女を病院に搬送した理由にはもう一つこういう理由があったようです)



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