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思惑  作者: 山本正純
第一章 調査
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領収

 午後十時千間刑事部長はある展望レストランで浅野公安調査庁長官と食事した。一流フランス料理のフルコースが机に並ぶ前に千間は取引をすることを報告する。

「それで彼らはいつから特命捜査をするの」

「善は急げということで今から捜査する。偶然羽田空港のチケットが取れて明日には島根に着く。今彼らには旅の支度をしている。捜査費用は貴方がた公安調査庁が負担してください」

「それはそちらでしょう。それなら交換条件にならないのよ。それともしもあの事件が連続殺人事件だったらあなたの権力で隠蔽してもらえないかしら。真相は集団自殺ではないと公安調査庁最大の不祥事となる。私は警視庁を助けたわ。今度はあなたたちが私を助ける番なのよ」

 

 千間は苦笑する。

「合田たちは絶対に真相を暴く。それは我々に致命傷を負わせるような真相かもしれない。だから警察庁の榊原栄治刑事局長にでも隠蔽工作を頼めばいい。井伊尚政法務大臣は合田に貸があったから使いにくいだろう」

 

 浅野はワインを飲む。

「あら。なぜ私があの二人を島流しにしたのか分からないの。島流しよ。これで戦力が分断されたら事件の真相に辿り着きにくくなるじゃない。これは優秀な秘書を失った私の復讐」

「相変わらず腹黒い野郎だ」

 

 それから二時間後浅野と千間はフルコースを食べつくした。その後浅野は領収書を千間に渡す。千間は首を横に振った。

「いいや。ここはあなただろう。態々島流し計画に協力してやったのだから」

「いいえ。権力は私の方が上だということを忘れたの。出世のためなら払った方がいいよ」

千間は渋々財布から十万円を取り出す。

「こんな取引しなければよかったな。貴重な小遣いが」


なんか浅野房栄公安調査庁長官が悪女になっている。これが権力なのか。

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