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宇宙の絆  作者: 秋華(秋山 華道)
9/22

滅びから始まり

炎のドラゴン軍の砦がココだけになっても、これだけの抵抗が出来る事を考えると、この有人惑星の生産性はかなりあるのだろう。

正直ココが夜露死苦軍の領土になる事に抵抗があったが、まあ約束だから仕方がない。

それに惑星占拠の為には地上戦もあるから、自分でココをとるのは無理だし。

 サイファ「できるだけ宇宙空間で削ろう。俺地上戦苦手だし」

 夜露死苦「そなんだ。じゃあある程度削れないと勝てないかもな」

 サイファ「まあ一応サポートはするけど、それだけだから」

 夜露死苦「それだけで十分やん。なかったらここまでもこれなかったからな」

 サイファ「そういってもらえると手伝ってるかいがあるね」

炎のドラゴン軍、最後の砦への攻撃の前、俺達はリラックスムードで会話しながら、作戦確認をしていた。

連戦の勝利の中、目の前の事以外全てを忘れていた。

その時だった。

画面上部に臨時ニュースが流れた。

「風の魔人軍壊滅」

 サイファ「おお、ジークやりやがったか」

 夜露死苦「あそこ強いもんな。まあ時間の問題だったし。損失を極力減らす為に長期戦してただけだろ?勝つだけならもっと早かっただろうな」

 サイファ「だね」

俺達は、数週間かかるような長期戦なんて、悠長な事は言ってられない。

長期戦と言っても、せいぜい補給能力が尽きるまでの、数時間の長期戦くらいだ。

さて要塞での補給を終わらせると、俺達の行軍が始まった。


敵の最後のマップに入ると、すぐに敵艦隊と遭遇した。

 サイファ「なんだ?読まれてたのか?」

 夜露死苦「いや、艦隊が多いだけだろ」

そういや、ジークが反乱を成功させた時、1000隻もの艦隊と対峙した時と似ていると思った。

まずは正面からの撃ち合い。

お互い削りあいだ。

コレをみて俺は、ジークが長期戦を選んだ意味が分かった。

 達也「まともにやれねぇじゃんこれ」

俺は援護についてきた事を少し後悔した。

でも後悔してばかりもいられない。

俺達はこの状況の中、何とか勝たないといけないのだ。

何故なら、今後ジークがプレイヤの軍へ攻撃をしかけてくるはずだ。

そう、もうプレイヤ同士の戦争は始まっているんだ。

NPC相手にもたもたしていられない。

おそらくグリードとか紫苑も、氷の虎に向かっているじゃないだろうか。

動かない戦況を眺めながら、俺はそんな事を考えていた。

すると、突然敵の艦隊が理解不能な動きをした。

こちらと対峙しながらも、他に対応しようとしている感じ?

もしかしたら・・・

 夜露死苦「俺達だけじゃないみたいだな」

 サイファ「そらそうか」

ここが欲しいのは、俺達だけではない。

更には、炎のドラゴン軍を壊滅させて、一気に戦力を大きくしたい奴もいるのだろう。

残骸集めに来ている奴もいるかな?

この状況じゃそれは無理か。

そんな事を考えていると、状況が徐々に変わりつつある。

隙が見えた。

俺はすかさず命令を出した。

 サイファ「キラ、左から右に突入!」

 LOVEキラ「ok」

 サイファ「今日子さんは左前方押さえて。俺はフォローする」

 今日子「やっと私たちの出番ねw」

 サイファ「正面の敵は俺達でやるから、ヨロシクさんは奥へどうぞ!(笑)」

 夜露死苦「いいのか?じゃあ」

俺達はこの隙を逃さなかった。

右側に逃げてくる何処ぞの軍の旗艦。

それに対応しようと、正面の艦隊が一部右に対応。

その背後を突くべくキラと今日子を突入させて、正面の艦隊をかき回した。

 達也「ちょっと俺がきついけど、この隙を逃したら罰があたるだろ」

正面の艦隊はしばらくして、その全ての機影を消した。

俺はついでに、逃げてきた旗艦を取り囲んだ。

通信を試みる。

相手も応えてきた。

 サイファ「仲間にならね?」

時間も惜しいので、俺は簡潔に伝えた。

 旗艦のプレイヤ「冗談!」

その言葉が返ってきた瞬間、俺は一斉攻撃。

相手は弾幕で守ろうとしたが、あっさりと旗艦を破壊した。

俺は、弾幕にどうしてもできる隙を見つけていた。

コンピュータゲームならではのバグ。

いろんな人の戦闘を記録した動画を見て、研究した結果見つけた。

うまく攻撃していると感心した映像には、全て共通点があった。

前方10.2度からの攻撃と0度からの攻撃。

同時に行われた時に起こるミラクル。

俺はそれに気がつき、誰にも話す事なくこっそり艦隊設定に組み込んでいた。

多用するとばれる可能性もあるので、なるべく使わない。

今日はまあ急いでいたし、テストも兼ねて試した。

 達也「やっぱりいけるな」

俺は、実験台となり破壊された、名も無きプレイヤを放って、再び戦場に赴いた。

夜露死苦軍に合流した辺りには、他の軍もいくつか見られた。

どの軍も瀕死状態で、我々の敵ではないし、攻撃してくる事もなさそうだ。

ココでついでにやっておいてもいいが、時間も物資もおしかったのでやめた。

まあ彼らのおかげで、今我々が楽できるしな。

我々は、絶妙なタイミングで侵攻してきたようだ。

大量の雑魚軍と、炎のドラゴン軍が争い、両者が疲弊しきってるところにたまたま出合わせたのだ。

 LOVEキラ「ひゃっほーい!!」

キラはイキイキと、縦横無尽に敵を破壊しまくっていた。

夜露死苦軍も確実に敵を破壊。

俺や今日子さんなんかは、戦闘よりも惑星への移動を優先させた。

惑星の側までくると、逃げる艦隊が集まってくる。

俺達は、弱った艦隊にとどめをさしていった。

宇宙の敵はあらかた片づいた。

いよいよ惑星に突入して、最後の仕上げだ。

惑星内では、キラよりも今日子さんのが前線に立つことになる。

俺達は艦隊再編を行った。

ちなみに今日子さんは、近距離戦と地上戦に強い。

ジークの元で共に戦っていた時は、人型乗りだった今日子さん。

あの時一度死んで、今ではもう乗っていないが、人型を極めし1人だ。

 サイファ「こっからは今日子さんよろしく。ヨロシクさんいつでもオッケーだよ」

 夜露死苦「さて、いくか」

俺達は有人惑星内へとマップ移動した。

地上戦は障害物が多いから、行軍は慎重だ。

スピード重視の俺の艦隊は、宝の持ち腐れ。

艦隊運営能力はあるから、移動だけなら楽勝だが、敵に接近されると地上戦はきつい。

人型1機でも、艦船が落とされる可能性もある。

人型が隠れてやしないか、慎重に慎重を重ねていた。

しかし、心配する事は無かった。

地上に残っていたのは、敵の本艦隊と逃げ延びたボロボロの艦隊だけだった。

今日子さんは能力を最大限に発揮して、艦船を次々と破壊した。

直ぐに決着はついた。

地上の本拠地を夜露死苦さんが落とした。

画面上に「炎のドラゴン軍壊滅」と表示された。

意外にあっさりと終わった戦いだった。

9時間後、「氷の虎軍壊滅」と表示された。

こうして、長きにわたって勢力を維持してきたNPC3大勢力は、時を同じくして滅びる事となった。

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