対海賊船
いや~拾い放題だぜ!
今日は友好関係の軍どうしの対戦に、戦場で残骸拾いをしていた。
友好関係の無い軍の戦場でこんな事をすると、すぐに敵対されるからな。
もちろん両軍には許可をとっている。
勝手にこんな事をすると、不信感をいだかせる事になるから。
おれは拾い放題のアイテムにルンルン気分で画面を眺めていた。
この様子だと、おそらく数万円の儲けが出るかもしれない。
なんて思っていると、知らない艦隊の機影が見えた。
警告を表す赤い光が点滅する。
こちらに攻撃可能な機体が近づいたら、コレが点滅するのだ。
最初は残骸拾いに来たプレイヤか、初心者が迷ってきたのかと思っていた。
俺は普通に通信を試みようと思った。
しかしその機体が表示されて、俺は通信をやめた。
そのプレイヤの機体は何とも禍々しい機体で、色は真っ黒。
自分でペイントしたのだろう、ドクロのマークが見えた。
達也「海賊かよ!」
海賊にはドクロのマークを付けるのが、暗黙のルールになっていた。
海賊とは、主に在野のプレイヤを壊滅させて遊んでいるプレイヤの事だ。
中には軍にもたてつく奴がいる。
俺は残骸拾いを中止して、直ぐに逃げる準備をする。
しかし、相手は海賊、速攻で攻撃してきた。
護衛艦の弾幕が、最初の攻撃をなんとか防いでいた。
俺は慌てて人型を展開。
背後をつかれているので、戦闘機では小回りがきかない。
チャーリー発お披露目~
先日ゲットしたチャーリーを初めて使う時がきた。
しかし、NPCは使ってみるまでその能力の全てを理解する事はできない。
果たしてどれほどの活躍をしてくれるのか。
せめて俺を楽に逃がしてね。
とりあえずディフェンス重視の命令。
かろうじて防いでいる。
やはり守りはきついや。
機体のチューニングは完全守りなのだが、いかんせんチャーリーは攻撃型だ。
撤退準備はまだ終わっていない。
大量損失覚悟で、即撤退か。
それとも現状維持でチャーリーに期待か。
もしくは、反撃?
俺はほとんど攻撃をしたことがない。
まあ少しとか、弱い相手とか、無いことはないのだが、今回のような海賊など勝てる気がしないから。
でも、少し試したくなった。
チャーリーの攻撃力も見たいし、とりあえずこのままやられっぱなしもしゃくだから。
俺は戦艦の弾幕をありったけぶちまけた。
これで10秒ほどは無敵だ。
すぐに補給機のしょぼくれ砲発射。
当たっても痛くない攻撃だが、牽制やフェイントにはなる。
相手がうまくのってきた。
しょぼくれ砲に、ご丁寧に弾幕。
さて、後はタイミング。
しょぼくれ砲に対して、こちらの弾幕よりも強力なのを使われていたら、後は逃げるだけ。
しかしもし、それ相応の弾幕を使っていたら。
なかなか戦いなれしている海賊だ。
きっと・・・
俺の予想は当たった。
俺の弾幕より、敵の弾幕が先に薄れだした。
今だ!
達也「いけ!チャーリー!」
護衛艦から飛び出していた人型と戦艦の一斉攻撃。
反応は早い。
達也「おお!早すぎる?」
敵の弾幕は完全には消失してはいない。
今突撃したらこちらに多大なダメージが。
このスピードなら、相手が反応する事は無理だろう。
こっちの攻撃が届く前に弾幕が消えるか、残るか。
それだけだ。
ギリギリのタイミングで、弾幕が消失した。
達也「よっしゃ!」
俺は直ぐに逃げる準備。
I字陣形全速ぜんし・・・
あら?
俺はゆっくりと反転して菱形陣形にした。
なんとチャーリーが海賊の旗艦を戦闘不能まで破壊していた。
チャーリーおそるべし。
海賊は、ボロ戦艦で必死に逃げようとしていた。
どうしよ?
そんな事を思いながら、既に攻撃機を展開していた。
無意識に攻撃していた。
海賊は壊滅していた。
あーあ。
これでこの海賊はしばらく復活しないな。
掃討して残骸を集めた。
レアなパーツもNPCも、大量にゲットしてしまった。
そこそこの軍にも対抗できるだけの、人材と兵器を手に入れた。