宿命の対決
土曜日の午前10時、何とか態勢を立て直した我が軍だったが、物資の不足では勝てるわけもない。
我が軍はかなり疲弊していた。
このまま負けると誰もが思っていたが、ココで一筋の光明が見えた。
俺にとどめをさそうと、ジークの本艦隊がでてきたのだ。
これは最後のチャンスだ。
我々の勝つ術は、敵の旗艦破壊しかない。
俺は皆に通信を送る。
サイファ「最後まで一応頑張ろうぜ」
最後の策を使う時だ。
だが、それをチャット通信で伝えるわけにはいかない。
その状況になったら皆にはそうするように伝えてある。
もちろん、シャアさんにも。
でも、それに備えるよう命令はできない。
警戒されるから。
みんなに「まだあきらめるな」と「もう負けは決定」という意味を両方伝える事が必要だった。
だから「最後まで、一応頑張ろうぜ」
「まだあきらめるな」には、もう少し時間が欲しいからのメッセージ。
「もう負けは決定」は、シャアさんを通じて、ジークに諦めている事を伝えて、油断させる為。
ジークが通信してきた。
俺は通信を許可。
ジーク「やっと終わるな(笑)」
サイファ「お前だけには負けたくなかったのにぃ~」
ジークに諦めている事をさりげなく伝える。
いや、さりげなくはないか。
とにかくジークをのせないといけない。
サイファ「キサマだけにはたおされん。最後まで逃げてやるぅ~」
俺は必死に逃げるそぶりをする。
ジーク「バーカ!逃げられるかよ」
うまくいっているようだ。
俺はとにかく逃げた。
俺とLOVEキラと真でれらしか知らない、最終兵器のある場所へ。
ジーク「まだ何か隠してるのか?」
ジークの言葉にドキッとした。
ばれてるか?
こういう時、チャットだと動揺が見えないから嬉しい。
サイファ「ああ、もちろんだ。てめぇの旗艦を瞬殺してやるのじゃよ」
俺はそう言って鳳凰を発動し、敵旗艦に向けて突撃する。
ジーク「無駄だって。わかってれば怖くねぇよ」
ジークの言うとおり、あっさりと俺の突撃はかわされた。
でもそれはわかっている事。
とにかく俺は、ジークをあの場所に連れて行かないと。
その合間に俺は正春に電話した。
達也「最終兵器使うぞ。俺の事はどうでもいい。ジークをやる」
正春「おけ」
達也「俺今いそがしいから、真にはそっちから連絡宜しく」
正春「成功すればいいけどな」
達也「ああ。じゃあな」
俺は電話を切った。
その後もとにかく逃げ回った。
そしてうまく追い込まれたように、俺は隅のマップまでくる。
俺は最終兵器の射程内に入った。
そう、ココは最後の作戦、最終兵器の配置してある場所。
まさか研究生産が成功するとは思っていなかった、強力な兵器がある。
どれくらい使えるかわからない。
なんせテストする暇がなかったから。
達也「1発撃つのに、今回の会戦で使った燃料の100倍くらいは必要そうだからな」
そうなのだ。
テストするには、沢山の燃料を手に入れられる時間が必要だった。
艦隊用のを除けば、1発分しか無かった。
これが敵旗艦を倒せるほどの威力なら、俺の勝ちだ。
なければ負け。
ジークをうまく誘導できた。
ジークはもう警戒もしていないようだ。
達也「紫苑さんのが、やっぱ戦場では強かったな」
俺はなんとなく笑みがこぼれた。
でも心臓はドキドキしている。
緊張する。
今になって思う。
10億だよ?
俺の取り分は今2億予定。
ドキドキは増した。
おそらくジークも緊張しているのだろうか。
金持ちそうだから、大したことないのかも。
ジークの艦隊が近づいてきた。
まだ射程距離じゃない。
おそらくジークが気がつく時には、射程内だ。
もう何もないと油断している。
そして今、射程内に入った。