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宇宙の絆  作者: 秋華(秋山 華道)
18/22

最終戦争開始

金曜日、俺は全ての準備を終わらせていた。

最終兵器も設置完了。

プレイヤもかなり沢山集める事ができたし、参加できないプレイヤの艦船や兵器も、全て使わせてもらえるよう配置した。

作戦も、いくつかある。

最後の手段といわれる策も準備した。

物資は、最前線へほとんど移動させた。

移動要塞リングに。

ちなみにリングは、マップ間移動可能な拠点だ。

移動速度は遅いが、拠点を移動できるのはおいしい。

まあ、全体マップで直ぐに見つかってしまうから、秘密基地ってわけにはいかないけれど。

 サイファ「真、悪いな。残ってもらう事になって」

実は作戦上、真には本拠地待機してもらう事になっていた。

 真でれら「まあ、勝てるならそれもいいでしょ」

 サイファ「だな。負ければ真も忙しくなるだろうし(笑)」

 真でれら「出番が無いことを祈るよ」

 サイファ「もしもの時は、携帯で起こすかもしれんから、携帯は離すなよ」

 真でれら「ああ、でもこの会戦、金曜の夜からって事は、日曜までやる事を想定してるよな」

 サイファ「だな。完璧に終わらせたいんでしょ」

 真でれら「お前は大丈夫なのか?」

 サイファ「さっきまで寝てたよ。10時間ほど。終わるまで気合いだぜ」

 真でれら「飯は?」

 サイファ「買い込んである。万全だよ。全て」

そうだ。

全て万全にした。

なんと言っても10億だからな。

寝るなんてできない。

48時間耐久だ。

そしてその戦いは、もうまもなくだ。

時計は10時まで後2分のところ。

俺はもう一度、各PCを確認。

そして、チェックが終わると同時に、10時になった。


まあ、10時になったからと言って、いきなり動きが有るわけではない。

静かだ。

俺はもう一度皆に確認を入れる。

 サイファ「基本は守りだ。敵が来てもとにかく突破させないこと。少しずつ下がって、前線を下げてもいい。とにかく隙があるまで守る」

俺の言葉に、皆各々の返事を返してくる。

日頃は見かけない仲間達の名前が見えた。

ちなみに今話してるのは、ゲーム内の通信を使ってる。

通信用チャットを皆に公開しようかなやんだが、おそらく大勢力に寝返る人がいるだろうと考えて、それはしなかった。

 達也「ちょっと面倒だけど、リスクは回避だよな」

俺は自身に納得させ、ジークの動きをただただ待った。

10分ほどしてからか。

紫苑さんから通信が入った。

俺は回線を開く。

 紫苑「激突ぅ!」

どうやら先に紫苑軍領に侵攻したようだ。

 サイファ「こっちはまだ」

俺は簡単にそう返した。

とたんに、前線からの通信が入った。

これはチャットの方だ。

 グリード「きたきたー!」

俺は紫苑さんに

 サイファ「こっちも来た!ではまた!」

と通信を送って、回線を切った。

ジークはどうやら両方同時に攻撃してきたようだ。

戦力が分散される分不利なはずだが、それでもやるって事は、何か策があるのだろう。

俺はとにかく慎重に状況を見ていた。

とりあえず今は後方で補給活動をしているだけだから、自身は楽だが、最前線のグリードやキラ、カニさんやモモさんは苦労しているだろう。

状況は逐一入ってきてはいるが、はっきりとはわからない。

 LOVEキラ「じれったいな。本気で来てない気がするな」

 グリード「確かに、二手に分かれて両方はきついもんな」

 今日子「とりあえず、こっちは押さえれば良いと思ってるのかも」

状況が自分で見れないのはやはり辛い。

俺はキラに状況を通信で送ってもらう事にする。

 サイファ「キラ、ちょっと状況送って」

 LOVEキラ「おけ」

俺は自分の目で確認する。

確かに、破壊を目的に攻撃しているようには感じなかった。

俺は再び、紫苑さんへの通信を試みた。

直ぐに回線を開いてくれた。

 サイファ「ジークは本気で来てる?」

 紫苑「旗艦おる」

俺は驚いた。

旗艦がおるって、本艦隊が出てるのか。

それは本気を表す。

 サイファ「だったら、こっちは攻勢だ!」

 紫苑「(^0^)」

俺は作戦を変更する事にした。

こっちに来てる艦隊が少ないなら、一気にまずはそれをたたく。

大で小をたたくのは基本だ。

 サイファ「ココは俺が受け持つから、全艦でジーク軍艦隊をたたけ」

 LOVEキラ「だな。削れる時に削るぜ」

 グリード「でも油断すんなよ。少なくてもジーク軍だからな」

 今日子「拠点はどうする?」

 サイファ「物資の補給拠点っぽい所だけは落とそう。惑星なら今日子さんよろしく」

 今日子「はいなw」

俺と最低限の守りをするための艦隊以外は、全てジーク軍への本格的攻撃を開始した。

俺達の攻撃は、直ぐに目の前のジーク軍を蹴散らすと、敵領域に侵攻してゆく。

かなり順調だ。

敵艦隊を次々と破壊してゆく。

でも・・・

不安が襲ってきた。

なんだろう。

あまり勝ちすぎると、おかしいと思うのは、当然だ。

なんせこんな時には今まで何かが有ったのだ。

そしてやはりというか、その動きが見えた。

 LOVEキラ「今機影が右の方に見えなかった?」

 今日子「何かいたよね」

 グリード「追うか?」

 スピードスター「早すぎる♪」

 スーパーモモ「今の艦隊、すっごい早かったよ。追いつけないんじゃ?」

どうやら、こちらに向かって、超高速の艦隊が進んできてるようだった。

 サイファ「数は?大したことなければ、俺が受け持つよ。」

 LOVEキラ「どうだった?」

 グリード「わからん」

どっちにしてももたもたしていられない。

戦況は、瞬時の判断で変わるのだ。

 サイファ「いや、俺が受け持つ。こっちの領内だし、最悪逃げ回るから(笑)」

 LOVEキラ「了解」

キラの返事の直後、正面に先ほどの艦隊と思われる機影が見えた。

そして直ぐ、全てがこちらに見えるところまで近づいてくる。

艦隊は、七転八倒艦隊だった。

その規模は大きい。

 達也「おいおい、大艦隊じゃねぇかよ」

俺は右まわりで敵から離れようとする。

接近が速く回避はできそうになかった。

 達也「ココで使わないとダメなのかよ」

俺は鳳凰を発動して突破を計った。

相手はあっさりと突破を許してくれた。

なんだ?

敵艦船を調べる。

あの後ろにも攻撃できる艦船ではない。

どうしたんだ?

とりあえず俺は敵艦隊を突破し、逃げた。

敵艦隊は、左に旋回し、こちらの後ろを追ってきた。

もしかして・・・

敵はこちらの後ろにとりつき、ずっと追いかけるつもりだ。

スピードは向こうが上だった。

スピード特化の艦隊ようだ。

数で負けている以上、ここから戦闘にはいけない。

とにかく逃げた。

自軍領域だからなんとか逃げ続けた。

キラ達からチャットによる通信が入ってきてはいたが、こたえる余裕がない。

とりあえず、キラの方は順調そうだから、俺は一言だけ返した。

 サイファ「逃げまくり。後で」

とりあえずわかってくれたようで、しばらくこちらに返事を求める通信はなかった。

しかしきつい。

とにかくおにごっこ状態。

小回りのきく子供が、遊びなれた公園で大人とおにごっこして逃げている感じだ。

でも、逃げ続ければ、おそらく燃費はこちらが上だ。

そのうち向こうは撤退せざるを得ないだろう。

俺は必死に逃げ続けた。

そんなおにごっこの最中、モニタの上に表示が有った。

 「紫苑軍壊滅」

俺は一瞬信じられなかった。

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