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宇宙の絆  作者: 秋華(秋山 華道)
16/22

薔薇は散る

紫苑軍との同盟期間であった3ヶ月が過ぎた。

こちらとしては再び同盟を継続したかったが、同盟は拒否された。

ただ、口約束ではあるが、できるだけ敵対するのはジーク軍であることで同意した。

全体マップは、既に4軍のみになっていた。

正確には、拠点1つだけの軍が2つと、在野の放浪軍が沢山存在するのだろうが、全体マップでは確認できない。

マップの45%はジーク軍、35%は紫苑軍。15%が我が軍で、5%がダイユウサク軍といったところだ。

ダイユウサク軍は、マップの隅にその領域を持っていて、今までに戦場で艦隊を見たことがない軍だ。

何故この軍がここまで残ってきたのか、俺には不思議だったが、きっと守りが堅いのだろう。

それよりも、2大勢力と対抗する策が必要だ。

だがそれはまだ無いから、とりあえず時間が必要といったところか。

しかし放っておいたら、2大軍はどんどん国力を充実させ、物資や金が増え、ますます手に負えなくなる。

我が軍は黙っているわけにはいかなかったから、常にジーク軍と小競り合いを繰り返していた。

だが、それはなかなか良い戦略だった。

何故ならこちらの秘密兵器だったアレ、「鳳凰の川上り」と名付けたアレが、かなり敵の戦力を削ってくれる。

領域は変わらなかったが、戦力差が開く事は無く、むしろ戦力は徐々に詰まってきていた。

今日も俺はジーク領域内をかきまわしていた。

 サイファ「チマチマやってるけど、これ効果的だよね」

 真でれら「いいね。これを繰り返せば、もしかしたら我が軍の逆転があるかもな」

 LOVEキラ「再び夢みれるね」

拠点を攻撃せず、素通りして今日も撤退だ。

俺達は撤退の準備と、鳳凰発動準備をした。

その時、左から中規模の艦隊が現れた。

 サイファ「今日は逃がさないってか?」

 真でれら「結構な規模だな」

 LOVEキラ「おいおい、ジークの本艦隊だぞ」

 薔薇の貴公子「マジだ。やられにきた?」

現れた艦隊は、ジーク本人の艦隊。

俺は何かいやな感じがした。

 真でれら「問題ないでしょ。鳳凰で突破できないわけないよ」

俺は嫌な感じがしたが、真の言葉で自信を取り戻した。

 サイファ「おけ。俺が突破口を開くから、後ろついてきて」

 LOVEキラ「うい」

 真でれら「おけ!」

 薔薇の貴公子「らじゃ」

俺はまっすぐジーク艦隊に向かった。

後にキラ、真、薔薇さんが続いた。

鳳凰を発動した。

我が艦隊は、ジーク艦隊真ん中に食い込んでゆく。

 LOVEキラ「うは!いいね」

我が艦隊が敵を分断し、キラが追い打ちをかける。

なかなか良い感じだ。

こっちの5,6倍ある艦隊に対して、出来すぎな感じ。

改めてうまくいくと、また逆に不安がでてきた。

何故ジーク本人がでてきたんだ?

鳳凰の強さは、もうわかってるはずだけど。

腑に落ちないまま、サイファ艦隊はジーク艦隊を抜けた。

その時だった。

少しずつジーク艦隊からの攻撃が強くなる。

 サイファ「え?」

俺は鳳凰を発動したままにした。

 LOVEキラ「なんでこれだけの攻撃できる?」

普通攻撃は、後方へ行う事が困難だ。

それは後ろにエンジンがあり、武装が前方による為だ。

それなのに、後方に行った途端、攻撃が一気に強くなった。

俺は敵艦船の形状を慌ててモニタに映した。

 達也「なんじゃこりゃ!」

俺は慌てて指示を出す。

 サイファ「守り固めて全速前進!」

俺の指示に、返事は無かったが皆従う。

それにしても。

敵艦船の形状は、今までに見たことが無い形状だった。

エンジンが前方についており、後方に武装がしてある。

もちろん前方にもそれなりに有ったが、明らかに後方特化。

 達也「新兵器開発してるのは、俺達だけじゃないってか」

きっとジークが開発した、新兵器。

後ろへの強力な攻撃を可能とするなんて、おそらくは鳳凰よりも使用条件は厳しいだろう。

鳳凰なんて、せいぜい5分の無敵状態。それが終われば雑魚艦隊になってしまうのだ。

対してジークのこの兵器。

後ろをとる事で、小が大を食う事が可能なのに、それができなくなれば、数がものをいう。

 達也「こんなの作成できるようにするなよな」

俺は少しクライアントに腹が立った。

しかし、それでもそんな事は言っていられない。

少なくともバックよりは前進の方が圧倒的に早いのだ。

とりあえず、薔薇さんまでがジーク艦隊を抜けた。

ダメージはでかかったが、なんとか突破できた。

俺は息を吐いた。

だが、安心するのはまだ早かった。

ジーク艦隊の半分が、薔薇さんの背後にとりついてきた。

 達也「なんだよ!」

俺は改めてモニタに映し出す。

映し出された艦船は、後ろと前が逆になったような艦船。

 達也「これもかよ」

俺はとにかく逃げなければと思った。

 サイファ「とにかくみんな全速前進!」

 サイファ「俺がギリギリまで押さえる」

みんな余裕がないようで、返事はなかった。

一気に薔薇さんの艦隊が削られた。

 達也「あ」

後方への必殺技。

あの10.2度の奇跡。

この技は結局調整される事はなかった。

何故なら陣形調整だけで、簡単に防ぐ事ができたから。

今では皆知っている事。

でも、後ろからの、後ろへの攻撃では想定しているわけもなかった。

薔薇さんの旗艦が破壊された。

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