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宇宙の絆  作者: 秋華(秋山 華道)
15/22

不死鳥

まもなくジーク軍の大艦隊がやってきた。

これだけ早く来るって事は、紫苑軍はうまくやったであろう事がわかった。

正面から堂々と迫る艦隊は、我ら4人の5艦隊の十何倍もの規模だ。

こちらもプレイヤをうまく集めてやれば作れなくはない規模だが、いろんな人が集まるネットゲームの世界。

連絡を取りあって日にちを決めないとそれは無理だ。

 達也「こういった攻撃陣営の利点を、完全に使いこなしてるよな。よくこれだけ集めるよ」

俺は少し感心した。

そして、間もなく戦闘は始まった。

真でれらに前線を押さえさせて、しばらくはにらみ合い。

 サイファ「とにかく時間を稼ぐ。何も無ければこのままを維持」

とにかく時間だ。

最前線にする予定の、リングへの物資の移動と設定。

モモさんにまかせているから、そんなに時間はかからないだろうが、それでも今行かせるわけにはいかない。

今行かれると間に合わないだろう。

 LOVEキラ「別動隊が左から来るみたいだぞ」

 サイファ「嫌な方からくるな。俺が押さえる」

俺は艦隊をやや左に旋回し、左からの艦隊に備えた。

 真でれら「大丈夫か?左向くと、撤退がつらくない?」

 サイファ「ああ、まあね。でもアレがあるし」

 真でれら「ああ、あれね。なるほど」

ここの領域で左に向くと、逃げる時に旋回するか、もしくは右に進路を取るしかない。

で、旋回は一時攻撃の的状態になり、その後も背後をとられるので愚行とされている。

そしてこの場合に、右に進路をとって突破をはかる場合、敵の大艦隊に向けて進む事になるから、どちらもリスクが高いのだ。

逃げる事を考えた場合、一番きつい場所に、俺は旗艦を置いた事になる。

やはりジーク軍もそれはわかっているようで、多少の損失覚悟で、旗艦狙いに陣形を変えてきた。

 サイファ「おお、完全に俺狙いだな(笑)」

 LOVEキラ「そらそうだろ。この状況で旗艦が一番危険な位置にいるからな」

 真でれら「これでアレが機能しなかったら、俺ら終わりだな(笑)」

 薔薇の貴公子「でもアレをココで見せるのはもったいないかもな」

 サイファ「まあ、出し惜しみできる立場じゃないからね」

一見状況は、ますます俺だけに不利な状況になってきた。

しかし俺達に焦りはない。

この状況なら、俺達の勝ちで逃げられる。

 スーパーモモ「終わったよ。寝るねw」

待っていた通信が入った。

 サイファ「サンクス!完璧?」

 スーパーモモ「拠点の守りは任せてよ」

 サイファ「信頼してるよ。じゃあゆっくり寝てね」

 スーパーモモ「うん。ではでは~」

 スピードスター「俺も♪」

 サイファ「星さんもお疲れ!」

 LOVEキラ「おっつ」

 真でれら「おやすみー」

 薔薇の貴公子「おつかれん」

どうやら最低限の戦果はあげられたようだ。

さて、後は逃げるだけ。

俺はまず他の3人を、右まわりで逃がす。

敵艦隊は、それを追わずに、全艦こちらに向けてきた。

 達也「さぁ~て・・・」

俺は右まわりで、敵艦隊へと突撃を開始した。

この今の状況を見たら、おそらくこちらの全滅はまず間違いない状態だろう。

しかし・・・

俺は先日完成したあの兵器を発動させた。

俺の全艦隊の周りを、沢山の弾幕が包む。

艦隊を上から見た映像は、まるで不死鳥のようだ。

敵艦隊に我が艦隊が食い込んでゆく。

触れる敵艦船を次々と破壊。

爽快だ。

気がついた敵艦隊が、こちらと距離を取り始めた。

ラッキーだ。

これは一種の無敵状態を作る、連続弾幕防御兵器。

本来守る為の弾幕だが、触れれば爆発するしダメージを負う。

だがそれは無限に続けられる訳がない。

弾幕が無くなれば、そこまでだ。

だから補給戦艦の艦隊である俺の艦隊向きの兵器。

それでも長くは無理だ。

俺は一度弾幕を弱めに調整する。

離れた敵が再び距離を詰めようとする。

こちらも再び発動。

近寄ってきた艦船が破壊される。

また離れる。

こちらもまた弾幕をゆるめる。

両横を波形になって進む艦隊。

なんだか我が艦隊は、川を上る魚のようだった。

気がつくと突破は完了していた。

お互いが背中合わせな配置。

完璧だ。

俺はそのまま全速前進で、戦場を離脱した。

切り札を見せてしまったが、それなりの戦果は得られた、勝ったとも負けたとも言えない、少し歯がゆい戦闘だった。

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