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素直な心で  作者: 櫻塚森
20/30

現在「8」

ボク達がまだ幼稚園の頃、家族には、お母さんとお祖父ちゃん、お祖母ちゃんがいて、働くお母さんの変わりにお祖母ちゃんがボク達の相手をよくしてくれた。

言葉を発するのは遅かったボク達だけど、(本当は早かったみたいだけど、赤ちゃんだから、分からないよね!)大人が話している内容は何となく分かっていて、その内容について、2人でこそこそと話をしていた。

「あらあら、また2人でお喋り?お祖母ちゃんも中に入れて欲しいわ。」

お喋りと言ってもアーサーとは言葉にしなくても通じ合うことが出来たから、周囲の大人達にとっては、2人で見詰め合ってるようにしか見えないみたいだったけど、ボク達は本当によく話をしていたんだ。

自分で言うのも何だけど、ボクとアーサーは、天使みたいだと言われる。

座っているだけなのに、皆の顔がふにゃぁってなるみたいだ。

癒されるって言われるせいか、よく内緒事とか秘密とかを打ち明ける人が多かった。


そんなある日、近所のお婆さんが、遊びに来た。

リンダお婆さんは、お祖母ちゃんの幼馴染で、歯に衣着せぬ言いようが面白い人だった。

「それにしても、エヴァちゃんの相手は、こんな可愛い子を捨てるなんてどう言うつもりなのかしら。」

ああ、お父さんって人はボク達を捨てたんだ。

ボク達が会話を理解できてるとは思ってないんだろうなってルークと目を合わせた。

「しょうがないわよ、相手は私達とは全然違う世界の人よ?」

「・・・マグリット、もしかして、あんたまだ?」

お祖母ちゃんの笑顔が少し悲しく見えた。

「伯爵家の人は、あんたに優しかったんじゃないの?」

「とても、優しかったわ。」

「あんたを騙した男が貴族だったのは偶然よ?今の時代に、身分や階級にこだわりすぎるのはよくないわ。」

お祖母ちゃんはため息を吐いた。

「分かってはいても、あの時受けた傷は、消えないのよ・・・。お嬢様がどれだけ庇ってくれても相手を逆なでするだけだった。だから、あの子がアスラン坊ちゃんに惹かれていくのを見て、いけないって思ったの。アスラン坊ちゃんはとっても優しい子だけど、あの容姿でしょ?人気がありすぎて、あの子に対するヤッカミというのが凄かったのよ。特に高校に入ってからの攻撃は見てられないほどだったわ。」

お祖母ちゃんがボクの頭を撫でた。

「アスラン坊ちゃんが庇えば庇うほど、あの子が受ける怪我が増えてきて・・・。肋骨を折って帰ってきたこともあったの。」

お祖母ちゃんの言葉にリンダお婆ちゃんが声を上げる。

「なんてこと!ちゃんと訴えたんでしょうね!!」

「我慢させてしまったの・・・様子がおかしいって思ったんだけど、あの子、病院にはガンとして行かなくて。数日後にやっと連れて行ってね・・・その時はまさか突き飛ばされて負った怪我なんて思わなくて。こけてぶつけたって言葉を鵜呑みにしてしまった。学校の子が教えてくれなきゃ、分からなかったわ。」

ルークがお祖母ちゃんの顔を覗き込んでいる。

「勉強ばかりして、人付き合いが苦手な子になってしまったのも私に似たんだと思うけど、ある頃からパタってあの子に対する風当たりが弱まってね、アスラン坊ちゃんのガールフレンドが間に入ってくれたみたい。ホッとしたわ。坊ちゃんのことも諦めたのか話題にしなくなったから、安心してたのに、まさかねぇ・・。」

「この子達は天使よ?」

「ええ、アスラン坊ちゃんがいなきゃ、この子達は生まれてこなかった。それほどエヴァの妊娠、出産には驚きはあっても、怒りはなかったんだけど、生まれてきたこの子達を見て、ぎょっとしたわ。」

リンダお婆ちゃんもため息を吐く。

「あまりにもアイザック家の血が現れた容姿でしょ?咄嗟に思ったことが、相手がいるくせに、うちの子に何で手を出したんだって!手切れ金をその相手が持ってきたのよ?信じられる?いくら相手が貴族で、お金持ちで法律に長けてても、ここまで蔑ろにされる言われはないって、夫とも話して、エヴァにアスラン坊ちゃんと直に会って話しなさいって言ったんだけどねぇ・・・。あの伯爵家の子供だもの、悪い子ではないって思ってたんだけど・・・。」

ボクとルークは2人のお喋りについて随分話をした。

結果、母さんは、父さんと別れて正解だと思った。


先日リサって女に会って、印象は最悪だった。

臭いし、何より言い方が母さんを貶めているようにしか思えなかった。

ん~。

とりあえず、父さんって人に会いたくなった。

一方からの意見だけを聞くのは駄目だと思ったから。

ニコラスって人と会ってしまったのは予想外だったけど、どうやら協力してくれるらしい。

「あいつは、忙しいからな。今は日本にいるはずだ。でも、明後日には帰ってくるから、一緒に空港に迎えに行こうか。」

そう言ってくれた。

「ま、その前にお前達のお母さん、エヴァちゃんに会わせてくれる?色々と確認せなきゃなんないこともあるからさ。」

さっきまでボク達のほうが強かったのに母さんを出されると駄目だった。

「アスランとリサに聞いて尋ねてきたってことにするからさ。」

ニコラスと会って話をすることで母さんがどう思うか、考えているのか分かるなら・・・。


父との対決?は持ち越し。

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