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無双なんて望んでないのに、なぜか怖がられている!? 【いつの間にか魔王よりもヤバい旦那と言われていた件について】  作者: 大野半兵衛


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第8話 九歳のクリスマスのカップルは……

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 第8話 九歳のクリスマスのカップルは……

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 九歳も半年が過ぎた。僕の誕生日は六月一五日で、今は一二月二〇日である。

 前世ならクリスマスに向けて、カップルがソワソワする時期である。以前なら、そんなカップルを見ては毒づいていた僕だけど、今年は違う。

 九歳にして僕は婚約したのだ。相手は言わずと知れた、フィーデリア嬢である。

 フィーデリア嬢は親の期待通り、魔法の才能を遺憾なく発揮している天才である。そして言うまでもなく、かなりの美少女である。前世の記憶でいうと、福●遥を幼くした感じだ。

 彼女はキツめの目をしているけど、笑うととても可愛らしいことだろう。僕の前では、笑った顔は見せないけど……。


 そして今現在、僕とフィーデリア嬢の婚約発表祝賀会が行われている。

 僕とフィーデリア嬢は並んで座っているだけで、お内裏様とお雛様状態です。

 あとは大人と同年代の子供が僕たちの両親に挨拶をしていく。僕たちは喋らずただ座っているだけなのです。

 着飾ったフィーデリア嬢は、美少女度がいつも以上だ。チラチラ彼女の横顔を見るのだけど、こんなにたくさんの人がいるのに、平然としている。

 しかし、僕なんかと婚約(将来結婚)してもいいのだろうか? 彼女としてはとても不満なことなのではないか?

 まだ転生者の彼女と結婚する決心がついていない僕だけど、不満というわけではない。むしろ彼女のほうが不満に思ってないか、そこが心配だ。

 僕たちの意志とは関係ないところで婚約することになったけど、こうなった以上は彼女を支えられるように頑張ろうと僕は思っている。


 婚約発表祝賀会は恙なく終わった。

 控室に戻った僕とフィーデリア嬢は、やっと一息入れられる。


「ふー、疲れたね」

「うん」


 この後の言葉が出てこない。どうしたらいいのだろうか!?


「「………」」


 気まずい空気が漂う。


「デルク様、フィーデリア様。喉が渇いたでしょう。お茶を淹れましょう」


 僕は婿入り予定なので、婚約発表祝賀会はゲルミナス子爵邸で行われ、この控室にはフィーデリア嬢の専属侍女がいる。その専属侍女が重くなった空気を払ってくれた。


「あ、はい。お願いします」

「おねがい、サビーネ」


 専属侍女はサビーネというらしい。二〇代後半の女性だ。

 お茶から立ち昇る香りを嗅ぐだけで、よい茶葉を使用しているのが分かるし、お茶を淹れる腕もいいようだ。さすがはフィーデリア嬢(子爵家の跡取り)の専属侍女である。

 目の前ではフィーデリア嬢が優雅にお茶を飲んでいる。美少女というだけで絵になるのに、この優雅さはまさに美術品だよ。

 ガチャでコミュニケーション能力を向上させる薬でも出てくれないだろうか。今の僕に一番必要なものだと思うんだ。

 まあ、そんな都合のいいものが出ることはないと思うけどね。


 相変わらずフィーデリア嬢との距離を詰めることができないまま、自宅(ナグラー男爵邸)に帰った。

 今日は朝早くから起きて体力作りのクエストを三セットしてから、ゲルミナス子爵邸へと向かった。まだあと一セットやらないと、ガチャポイントがもらえないので、疲れているけど頑張るとしよう。


 そうそう、一カ月ほど前に、学園の入試を受けたよ。一定の学力がないと、入学できない。そうなると、貴族としてはかなり不名誉なことらしい。

 一応、合格ということで、僕は政務科に入学が決まった。





 婚約発表祝賀会の五日後、フィーデリア嬢から僕に贈り物が届いた。どうやら彼女の前世では、クリスマスを祝う風習があったようだ。

 どうしてそんなことを思うかというと、今日が一二月二五日ということと、プレゼントの包みが赤色に緑のリボンだからだ。クリスマスをイメージしないほうがおかしい。

 神様は色々な世界から転生する人たちがいると仰っていたので、クリスマスの風習がある世界からの転生者が僕の他にいるとは思わなかった。

 包みを開けると、ダンベルとリストバンドが入っていた……。え?

 まさかとは思うけど、僕が筋トレしていると言ったからなのか? さすがにクリスマスにダンベルを贈られるとは思っていなかった。僕は贈ってないので、文句は言えないんだけどさ。


「デルク、貴方もプレゼント贈りなさい!」

「そうだぞ、デルク! もらったものよりもいいものを選んですぐに贈るんだ!」


 両親がプレゼントのお返しをしろというので、町に買い物に出た。とはいえ、前世も今世も女性にプレゼントなんてしたことないんだよ。何を贈ればいいのだろうか?


「お母様、どういったものが喜ばれるでしょうか?」

「本来ならドレスがいいわね。貴方の婚約者なのだし。でも、今から作ると、時間がかかるから……そうだわ! ブローチなんかいいわね!」


 僕よりも母のほうが買い物を楽しんでいる。


「これなんてどうですか?」


 僕はトンボの模様が入ったブローチを手に取るが、母には不満のようだ。


「もっと可愛いものがいいわね」


 これは可愛くないということか……。難しいものだな。

 提案しては却下され、あれやこれやして二時間くらいかかってやっとOKが出た。

 ふー、女性へのプレゼントを購入するのは、こんなに大変なんだな。

 今度からは僕が何かを作って贈ろうかな。これでも前世ではDIYが得意だったんだ。



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― 新着の感想 ―
信じられるか?クリスマスプレゼントにダンベルとリストバンドを贈ってくれたあの娘が、ゲロヤバい魔王になるんだぞ?(震え声) 初登場してから、何度あらすじで名前を確認したやら……(苦笑)
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