第15話 一〇歳から一一歳の料理
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第15話 一〇歳から一一歳の料理
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フィーデリアのおかげで魔法陣を超スムーズに形成できるようになった。四分どころか一〇秒足らずで形成できるのだ。
おかげでクエストはクリアした。したんだけど、次のクエストが出てこない。魔法陣のクエストは、消えてしまたのだ。悲しいよ……。
「また筋トレ(ランニング)だけになってしまったか……」
そのランニングは毎日欠かさず行っている。この世界では、四季の変化が乏しいので、冬でもそこまで寒くないし、夏も滅茶苦茶暑いということはない。おかげで、雪は降らないけど、雨はそこそこ降る。その程度なので、ランニングは毎日クリアしてガチャポイントをもらっている。
「なくなってしまったものは仕方がない。魔法陣についてもっと腕を上げましょうかね」
古代魔法大全集を開いて次のステップへ。
今度は魔法陣を形成し、設置するというものだ。
設置するというのは、魔法陣を形成してから数時間放置しても、魔法陣はそのままということだ。
これができると、アイテムに魔法陣を描き込むことができるようになる。
魔法陣を設置するには、魔力によって描いた魔法陣を維持することに他ならない。そのため、魔力の濃度と正確さが必要になる。
「へー、こんな感じなんだ。便利ね、これ」
フィーデリアはすでに設置ができている。さすがは魔法の天才だ。
僕はフィーデリアにコツを聞いて、そのように魔法陣を形成する。でも、凡夫の僕では時間がかかるんだよね。
四月に入り、やっと魔法陣の設置ができるようになった。
魔力が扱えることで、魔法陣の形成だけでなく設置も効果を発揮してくれた。フィーデリアさまさまだね。
そんなある日、僕は自力で炊飯器を作ってみた。
この世界に転生してから、米を食べていない。さすがに米が恋しい。だけど、米なんて炊いたことないんだよ。前世では炊飯器が米を焚いてくれたからね。
『はじめちょろちょろ、中ぱっぱ、じゅうじゅう吹いたら火を引いて、赤子泣いても蓋取るな』と言われてもさっぱり分からない。
失敗覚悟でとりあえず炊いてみる。
魔法陣を施したお釜に、米と水を入れて起動させる。
出来上がったのは、おこげでした。茶色じゃなく完璧な黒色のおこげです。美味しくは、なさそう……。
気を取り直して、再び挑戦。
「何をしているの?」
「米を炊きたくてね」
「それじゃあ水が少ないわ。もう少し入れないと焦げちゃうわよ」
「そうなの?」
「貸してみて」
フィーデリアが水を足してくれた。
「この魔法陣だと火加減が調整できないから、調整できるようにしたほうがいいと思うわ。あとはタイミングを見計らうのが大事ね」
「火加減の調整はなんとかなるけど、タイミングかー。僕に見極めることができるかなー?」
魔法陣をもう一つ追加して、火加減を調整できるように改造した。
古代魔法大全集は日本語で書かれているからか、炊飯に適した魔法陣が描いてあるのがありがたい。
「タイミングは、任せて」
フィーデリアが米を焚いてくれた。蓋がガタガタなったら、火を弱火にし、最後に蒸らすほうがいいのだとか。
そして炊いた米は……。
「すっげー、光っているよ!?」
「食べてみて」
「うん!」
僕は銀シャリを頬張った。噛むと香りが鼻に抜け、さらに噛むと甘味が出てくる。
「美味しい!」
これだよ、これ! これこそ日本人の心の味だよ!
「そういえば、フィーデリアは料理は得意じゃないと言っていなかったっけ?」
「キャンプした時に飯盒で米を焚いていたの」
「キャンプが趣味だったの?」
「うん。一人キャンプは疲れた心を解放するのに、丁度よかったの」
一人キャンプなんだ。まあ、誰かいると気疲れするかもしれないしね。
「フィーデリアも食べてみて」
「うん……美味しい。懐かしい味ね」
その日から、僕は貯まりに貯まったガチャカードの中から、食料を使い出した。
さすがに料理は出てこないが、その素材はたくさんある。
ハムの塊や、肉の塊、卵に野菜、果物まで色々ある。
ただ、味噌汁を作ろうとしたんだけど、フィーデリアも作り方を知らなかった。何かが足りないと思いつつ、色々試していると、僕は一一歳になった。
「デルク。誕生日、おめでとう」
「ありがとう、フィーデリア」
プレゼントをもらった。何かと開けてみると、ジャージだった。
……いや、嬉しいけどさ、筋トレから離れようよ。
「そのジャージ、負荷がかかるように魔法陣を施しているの」
「そ、そう……ありがとう」
嬉しいんだよ? でもさ、無駄にハイスペックなジャージって……。
さっそくジャージを着てみると、体が重く感じた。負荷がかかった状態のようだ。
これで走ってみると、たしかにキツい。最近はランニングも楽に感じていたところだけに、かなり負荷がかかっているのが分かる。
さて、一一歳になったことだし、ガチャをしようかな。
今年は七八〇ガチャポイントが貯まった。三〇連ガチャ二六回分だ。
さっそくガチャをしようとしたんだけど、なんと五〇連ガチャが開放されていたじゃあーりませんか!
しかも、五〇連ガチャだとSレア以上の確率が五倍になるらしい!
つまり、Uレアが通常だと〇・〇五パーセントだけど、五〇連ガチャの時は〇・二五パーセントになるということだ。
確率的には、一年に一回か二回はUレアが出るということ。これは嬉しい!




