到着
紗枝「今日って空いてるかな?一緒に買い物行かない?」
そんな言葉がメッセージとして送られてくる。
凄く嬉しいし、いつもなら喜んで彼女と会っていたと思う。
渚「今日は咲たちと出かけるから、ごめんね」
しかし、流石に断るしかない。
俺は心を痛めながらも断りのメッセージを送った。
紗枝「早速じゃん!よかったね!また誘うね!」
渚「ありがとう!」
凄く良い友達を持ったと思う。今度一緒に出掛けてご飯を奢ってあげよう。
それにしても、友達付き合いって本当に難しい。
紗枝のことは蔑ろにできないし、5人に付き合い悪いって思われたくもない。
それぞれにしっかり向き合わないといけないね。
莉愛「渚?」
メッセージを見返していると莉愛がこちらへ近づいてくる。
莉愛「何してるの?」
渚「ああ、友達に遊びに誘われたんだよね」
莉愛「へー・・・誰なの?」
渚「紗枝っていう子なんだ」
少し彼女の表情が曇っている気がする。
嫉妬ってことはないんだろうけど、何か気に触るようなことを言ってしまったか?
莉愛「仲良いの?」
渚「う、うん。一緒に出かけたりしたよ」
莉愛「へえ・・・付き合ってないのそれ?」
怖い。なんて返すのが正解なんだろうか・・・
大「2人とも先に来てたのか」
渚「あ、みんな」
俺らに気づいた大がコチラへ近づいてくる。
彼の顔を見た俺は少しホッとする。
和樹「全員揃ったし行きますか」
他のメンバーもやってきて、俺らは車へと向かう。
渚「莉愛・・その」
莉愛「さっきのは気にしないで」
なんか嫌な雰囲気がして、俺はずっと鳥肌が止まらなかった。
正直言って莉愛の顔は怖かった。
和樹「NBA選手だったら誰が好き?」
渚「アイバーソンかなあ」
和樹「分かるわあ」
車の中では同じ趣味の和樹とバスケの話で盛り上がっていた。
スポーツの話題はどんなタイプの人間でも一緒に盛り上がれる。
本当にバスケをやっていてよかった。
大「渚もバスケやってたなそういえば」
渚「でも小さいからずっとベンチ」
背が低く、才能のなかった俺は誰からもチヤホヤされることはなかった。
しかし、未経験者も多い大学のサークルでは、シュートを決めるだけで褒められて気持ちが良かったな。
和樹「またサークル顔出してよ」
渚「うん!」
和樹「スポーツマンならモテるでしょ?」
渚「まさか。和樹はよく女の子と話してるね」
皆んなは異性とも態度を変えることなく話をしている。
そんな皆んなが羨ましい。俺はキョどってしまうからね。
和樹「まあな」
莉愛「うざ今の」
こういう冗談を言い合える異性なんかできた事がない。
いいなあ。俺も早く彼らに染まりたい。
和樹「莉愛だってモテんだろ?」
莉愛「私が可愛いってこと?」
和樹「うぜえってそれも」
でも楽しいなあ。もう満足してる。
みんなと出かけられてよかった。
渚「・・・ん?」
莉愛「大分寝たね。後10分ぐらいだってさ」
目を覚ました俺の目の前には莉愛の笑顔。
先ほどのことは怒ってないようで、俺は胸を撫で下ろす。
莉愛「寝顔かわいいね。写真撮っちゃった」
渚「え?もう!」
悪戯っ子のような笑顔が可愛い。
いつも癒される彼女の笑顔は俺には眩しすぎるかな。
莉愛「インスタあげちゃおうかな!」
渚「えええ!?」
自分の顔をSNSに乗っけるなんて、自分に自信のない俺は考えたこともない。
莉愛「まあもうあげてるんだけどね」
渚「恥ずかしいよ」
俺が寝ている間に既に投稿済みのようで、コメントやいいねもいくつかきているようだ。
莉愛「彼氏って勘違いもされてるみたい!」
・・・彼氏か。
もちろん嬉しいけど少し怖さもある。
きっと莉愛を狙っている生徒も多いだろうから。
渚「恨まれたりしないよね?莉愛モテるし」
莉愛「大丈夫!」
しかし彼女の笑顔を見ると俺の心配はすぐになくなった。
アウトレットに着くとお客さんがいっぱいだ。
外国の人も多くて、お店もたくさん。
テレビやネットで見たことあるような、ブランドや飲食店が目の前に広がっている。
渚「凄い・・」
思わず口を開けたまま、その場でポカンとしてしまう。
莉愛「ここは初めて?」
渚「・・・うん」
ワクワクでいつの間にか笑みを浮かべてしまっていた。
何よりも大好きなみんなと来れたから嬉しいんだ。
サービスエリアで少し軽食を食べたとはいっても、時刻は11時半。
皆んなお腹が空いているようだ。
大「混む前に飯食うか?」
和樹「いいね」
俺らはハンバーガーショップでランチをとることにした。
12時前とはいえ、店内にはたくさんの人がいる。
席を取ってから大と和樹が注文をしてくれた。
後の4人は席で待つことにする。
咲「渚は楽しめてる?」
渚「友達とドライブ初めてだし、楽しいよ」
きっと、いつもよりも笑顔が多いはず。
満里奈「そういえばその服ってどこで買ったの?」
渚「大学の隣駅にあるショッピングモールだよ」
俺が紗枝と一緒に買った服を見つめる満里奈。
やはり彼女にじっと見られるのは慣れない。
満里奈「誰と行ったの?渚がいつもきてる服とはちょっと違うから、選んでもらったんでしょ?」
渚「あ・・・さ、紗枝って子と行ったの」
彼女達の前で、あまり他の女性のことは話題に出したくない。
そのせいで俺は少し言葉に詰まってしまう。
莉愛「さっき言ってたのそのことか」
渚「そうそう。優しいんだよね紗枝って」
少し冷や汗が背中を伝う。
大「買ってきたぞー」
和樹「お待たせー」
彼らの声をきて俺はホッとした。そして皆んなで楽しく昼食を食べ始めた。




