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みゆちゃんと柴犬ももの秋の冒険

掲載日:2025/08/28

 むかしむかし、紅葉が山を彩る秋の里に、みゆちゃんという小さな女の子とおかあさんが暮らしていました。

 ふたりのそばには、ふわふわの茶色い柴犬、モモがいつもちょこちょこ歩き回っていました。

 モモは、くるんと巻いたしっぽとキラキラした目が自慢の、元気いっぱいな子でした。

 ある秋の朝、みゆちゃんはおかあさんに言いました。

「おかあさん、モモと一緒に、おうちの裏の林にどんぐり拾いに行きたいな! おいしい秋のおやつを作りたいの!」

 おかあさんは笑って、「いいわよ、モモと一緒に気をつけておいでね。どんぐりだけじゃなく、他のおいしいものも見つかるかもしれないね!」と答えました。

 みゆちゃんは小さなカゴを手に、モモと一緒に林へ出かけました。

 林は黄色や赤やオレンジの葉っぱでいっぱい。

 風がふくと、カサカサと葉っぱが歌うようでした。

 モモはしっぽを振って、くんくん鼻を鳴らしながら、みゆちゃんの前を走ります。

「モモ、待ってよ!」と、みゆちゃんが笑うと、モモは「ワン!」と元気に返事しました。

 林の奥にたどり着くと、みゆちゃんはキラキラ光るどんぐりをたくさん見つけました。

「わあ、こんなにいっぱい! おかあさんとどんぐりクッキーを作ろう!」

 カゴにどんぐりを集めながら、モモは何かを見つけたように、クンクンと地面を嗅ぎ始めました。

「モモ、なに? またキノコでも見つけたの?」

 みゆちゃんが近づくと、モモが落ち葉の中から掘り出したのは、赤くてつやつやした柿の実でした。

「わあ、柿だ! こんな大きな柿、初めて見た!」みゆちゃんはびっくり。

 見上げると、柿がたくさん実っています。

 モモは得意げにしっぽを振って、もう一つ柿を見つけました。

 みゆちゃんはカゴに柿をそっと入れ、「モモ、えらいね! おかあさんに持って帰ろう!」とほめました。

 でも、モモはまだ何かを見つけたようで、くるくる走り出しました。

 モモが止まったのは、大きな栗の木の下。

 地面にはイガイガの栗がころころ転がっていました。

「栗だ! モモ、すごいよ!」みゆちゃんは目を輝かせ、モモと一緒に栗を拾いました。

 イガイガを手に持つのは大変だったけど、モモがそばで「ワン!」と応援してくれるので、みゆちゃんはがんばりました。

 カゴがいっぱいになったころ、夕焼けが森をオレンジ色に染めました。

「モモ、そろそろ帰ろう。おかあさんが待ってるよ」

 みゆちゃんが言うと、モモはしっぽを振って、まるで「うん、わかった!」と言うように走り出しました。

 家に帰ると、おかあさんはカゴを見てびっくり。

「まあ、どんぐりに柿に栗! モモとみゆちゃん、すてきな秋の宝物を見つけたのね!」

 その夜、みゆちゃんとおかあさんは、どんぐりでクッキーを焼き、柿をスライスして干し柿に、栗はゆでてほくほくのおやつにしました。

 モモはテーブルの下で、みゆちゃんが落としたクッキーの欠片をぱくっと食べて、しっぽをぱたぱた。

「モモ、今日は楽しかったね。秋の森は宝物でいっぱいだね!」

 みゆちゃんが言うと、モモは「ワン!」と一声。

 暖かい部屋に、秋の香りと笑い声が響きました。

 そして、みゆちゃん、モモ、おかあさんの心は、秋の実みたいにほっこりと温かくなったのでした。


おしまい。

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