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登場人物紹介

後書にオマケ有りますm(__)m

☆登場人物紹介

【ズーラウンド王国】


○シーラ・ランツ

8歳

このお話の主人公、伯爵令嬢、現在一人娘

ふわふわとした赤茶色の髪に、薄緑色の瞳、猫のような釣り目

一見すると大人しそうな女の子に見える

英雄や女傑が好きで自国の英雄ヘクトール・グリズリーを尊敬している

好きな花アコニツム(鳥兜)


○アティカス・ランツ

33歳

シーラと同じ赤茶色の髪、最近頭部が気になる

ちょっと変わった思考をもつ娘のせいで気苦労が多い


○セレナ・ランツ

28歳

シーラの母

現在妊娠後期で里帰り中


○マティアス・ランツ

0歳

シーラの弟になる予定


○ジェームズ・バード

8歳

シーラにひよこと名付けられた男の子

ふわふわな黄色い髪に黒い瞳

バード侯爵家次男

本好き、泣き虫


○サイラス・モンキナ

10歳

シーラにお猿と名付けられた男の子

貴族には珍しい暗い茶色の髪と琥珀色の瞳、手足が長い

モンキナ伯爵家長男

いじめっ子


○ヘクトール・グリズリー

80歳

ズーラウンド王国一の英雄

あだ名は熊将軍

大剣の使い手

シーラの初恋相手


○ジクトール・グリズリー

60歳

熊将軍の息子

あだ名は子熊将軍

王子の剣の指導者

シーラのセカンドな恋の相手


○ルーシー・ラトン

40歳

ラトン伯爵夫人

王妃の友人


○ブレンダ・ラトン

12歳

ラトン家の末娘


○ガブリエラ・ライオネス

40歳

ズーラウンド王国王妃

二人の息子がいる

次男の婚約者を探し中

シーラの噂を聞きお茶会に来た


○ウィルフッド・ライオネス

ズーラウンド王国国王

45歳

シーラにトウモロコシと呼ばれている


○ウィリアム・ライオネス

18歳

ズーラウンド王国第二王子

婚約を解消した過去有り

辛辣令嬢シーラ・ランツの婚約者となった

シーラがいつものように家庭教師からの授業を終え図書室へ向かうと、父アティカス・ランツが「うーん」と唸っていた。


「お父さま、おトイレはここではありませんよ、ここは図書室です、しっかりしてくださいませ」

「シーラ!」


 急に話しかけられ、父アティカスはビクリと肩を揺らす。

 シーラは自分の宝物ばかりが揃う図書室で一人唸る父に冷たい目を向けた。


「わたくしの大切な本がお父さまの汚物で汚れるのはいやですわ。お父さま、すぐにおトイレに行って下さい。もれてしまいますよ」


 可愛い娘にシッシッと追い払う仕草をされ傷付くアティカス。

 胸を押さえ少し前かがみになる。

 心筋梗塞一歩手前だ。


「シ、シーラ、違うよ。私は悩んでいただけだ。決してトイレと図書室を間違えたわけではないよ」


 悩みと聞いてシーラの英雄センサーがピクリと反応する。


 いずれシーラも人々を守る英雄になる立場。(シーラ視点)


 なのに今現在父を一人で悩ますとはなんて事だろう。


 父を救わなくてわ!


 シーラはそう考えた。


「お父さま、悩みは人に話すとけいげんするそうです。よろしければわたくしに話してみませんか?お力になりますわよ」


 シーラの問いかけに、なんと優しい娘だと感動する父アティカス。


 親ばか全開だが、二人きりなので誰も気にしない。


「実はね、間も無く産まれる子供の名前を考えていたんだ。シーラも一緒に考えてくれるかい?」


「まあ! もちろんですわ! わたくしの弟の名ですものいっしょうけんめい考えますわ」


「あ、いやいや、まだ弟とは……」


「絶対に弟ですわ。わたくしには分かるのです!」


 有無を言わさぬ娘の様子に父アティカスは「そうか……」と何かを諦める。


「カッコ良くって強い名前がいいですね! 未来の英雄ですから!」


 苦笑いの父の横、シーラはふんすと意気込むと、先程のアティカスのように「うーむ」と唸り出した。


「デンジャラス、はどうでしょう?強そうですよね」

「うん、無理だね……」


「ハリーがあいしょうで、ハリケーンはどうでしょう?強そうですよね」

「うん、愛称は可愛いがハリケーンは可哀想だね……」


「ヒロアスはどうでしょう?絶対強いです」

「うん、もうそのまんまだね、シーラ、少し強さから離れようか、シーラの可愛い弟の名前だよ。英雄にならなくってもいいじゃないか」


 父アティカスの言葉を聞き、シーラは「何言ってんだこいつ」という酷い視線をアティカスに向けた。

 強さこそ正義!そう思い込んでいる娘にとって父アティカスの言葉は意味が分からなかった様だ。


「お父さま、あきらめたらそこで試合しゅーりょーですわ。しっかりしてくださいませ!」


 こうしてこの後もシーラとアティカスの命名会議は続き、最終的にランツ家で有名だった騎士マティアスから名をとることになったのだが、決まった頃には父アティカスは五歳ほど歳を取ったようになっていたのだった。


「マティアス・ランツ!強そうないい名前ですわ!」


 まだ産まれぬ弟に胸躍らせるシーラだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] 面白かったです。 ぜひ、シーラには孤高のメスライオンになってもらいたいです。 所で、弟子たちが大人になった時、それぞれ何になったのか気になります。
[一言] 可愛いお話でした! もっと読みたいと思う程にシーラが魅力的でした。 楽しい時間をありがとうございます。 これからも楽しみにしております。
[一言] とってもほほえましくて楽しく読めました。 辛辣令嬢と呼ばれながら本人もその二つ名を喜び楽しみ 正義の人でであり思い込みが激しいけれど、前向きに努力や学びもできる子。一時はどうなる婚約者って心…
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