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綺麗な星空

作者: ラー油

こんにちわこんにちわ。

 星は綺麗だ。何億光年も離れているのにこの地球まで綺麗に輝いている、夜の太陽。


 私はこの時間で好きで嫌いだった。心がキュッと締め付けられるような悲しさと、夜の情緒溢れる景色がこの世に生まれて良かったと思えるほどに好きなんだ。


「星空〜私も星空〜」


 がらんとした夜の町は世界から人類が消えてしまったようで、神になった気になれる。実際は、神にも凡人にもなれない可哀想な人間なのだが。


 いや、自分を卑下するのは良くない。自分を愛してくれる人がいなければ、自分が自分を愛すしかないんだから、ナルシストにならないといけないんだから。


 星が綺麗ですね。日本では貴方に憧れています、という意味があるらしい。なら私は、星に向かって星が綺麗ですね、と言うことになる。


 私は星に憧れていた。何にも縛られないで空に浮かんで人に癒しを与えれる星に。そんな存在になりたいと常々思いながら、この世を謳歌している。


 実際、私という人間はネガティブとポジティブを5対5で割ったような人間だ。前向きになったと思えば、急に否定的な考えを持ち始める。


 それでも、私は人生を諦めてなかった。まだ齢は十七、人生に見限りをつけるには早計すぎる歳だ。


「めけずに生きていきましょうや」


 誰に言った訳でもない。夜の町を歩いている自分への言葉だ。めけずに人生を生きていれば必ずいい事に出会えるかもしれない。確証はない。だって、努力するのが大前提だからね。


 ダラダラと人生をめけずに生きてても、何もなしえない。変わらない日常をほざいて、堕落の限りを尽くすのは目に見えた結果だ。現状を嘆くならば、現状を変える努力をしなさい、未来を変えたいなら過去ではなく今を呪いなさい、と母はよく言っていた。


 過去は変えれないけど未来は今の自分で変えれる。だから、未来を変えたいなら何もしない今の自分を呪え。そういうことなのだろう。


 空を見ながら感傷に浸っていると、私の肩に男性のごわついた手が乗っかる。深夜だから不審者、と思ったがその逆。安心安全のお巡りさんだった。


「君何歳?」


「えっと、十七歳です」


「補導ね」


「……はい」


 夜の町を散歩していればこういうこともある。そして呪うのは、こんな行為をしている今の自分。

さよならさよなら。

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