表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/75

ありがとな

的井さんが行って、萩原さんがきた。


萩原「私は、いや、もう俺でいいよな。アハハ。駄目か、店長?」


洋「いいと思いますよ。」


そう言って笑うと、


萩原「俺は、店長の下。だから、敬語はいらねーよ」


洋「すぐは、難しいです。」



萩原「まぁ、そっか。ありがとな、鮫島の事。」


洋「助けたのは、俺じゃないですよ。」


萩原「店長だよ。あの日、ディスク必死で持ってきたから助けれた。」


この人は、男らしさが溢れてる。拜島さんが、楽しそうに話してる意味がわかる。


洋「あの日、ホッとしたんですよ。何も話さなくてもわかってくれて、汚いって思われなくて」


萩原「誰か守って必死なやつを汚いって思うわけないだろ。」そう言われて頭を撫でられた。


涙が、こぼれてくる。


萩原「おいおい、そんなひ弱じゃ。あの子守れないぞ、店長」


どうしたかな?何かわかんないけど、涙がとまらない。


洋「ですよね。」


笑おうとしても、難しい。


萩原「店長、まだ汚いって思ってんのか?あの時の」


洋「はい。」


萩原「すぐに何か消せないよな。でもな、囚われるなよ。店長には、皆がついてんだからよ。」


そう言ってビール渡された。


萩原「乾杯」


洋「萩原さんは、優しいんですね。」


萩原「優しいのか?ただ、俺は俺に関わった人間には生きて幸せになってほしいだけだ。」


萩原さんは、ビールを飲む。


洋「萩原さんも、幸せにならないと駄目です。」


萩原「ハハハ、店長。俺な、あいつらと居るだけで幸せなんだよ。男女の関係みたいなのいるだろって思ってたんだけどさ。どうも、俺には必要ないみたいなんだよな。それより、あいつらと笑って飯食ってる方が楽しいんだわ。」


萩原さんは、またビールを飲む。


洋「皆さん、家族以上なんですよね。」


萩原「そうだな。でも、あいつらだけじゃないぞ。店長も、俺の家族になってるぞ。」


洋「そうなんですか」


ハハハって笑う。


萩原「店長、一緒にやったじゃねーか。三岡のとこ」


洋「あれは、皆さんがやったわけで」


萩原「バカだな。店長の持ってきた証拠なかったら、今頃新しい奴が犠牲になってたぞ。」


洋「ありがとうございます。何かそう言ってもらえてよかったです。」


萩原「店長、的井と仲良くしてやってくれよな。あいつ淳一いなくなってから、大変だったんだよ。それに、気づいちゃったんだよ、俺」


洋「何をですか?」


萩原「店長と出会って、あいつのここがちゃんとくっついた。」


そう言って胸を叩いた。


洋「そんなことないですよ。」


萩原「店長は、過去の的井をしらねーだろ?俺は、ずっと見てきたからわかる。的井の心がちゃんと繋がった。拜島もわかってて、出会わせてくれたのかな?」


そう言って萩原さんは、ビールを飲んだ。


萩原「ほら、あいつ今ガキだろ?宮守君いなきゃ何も出来ない奴だろ。店長がいるから、くそガキなんだよ。」


洋「どういう意味ですか?」


萩原「宮守君を支える人間が店長だって事だよ。だから、拜島はガキのまんまでいれるんだ。拜島が店長に向ける笑顔ですぐわかったよ。店長の事、信頼して好きなんだなって。」


俺は、ずっと店長って呼ばれてる。拜島さん、そうなのかな?


萩原「ガキの頃からいるからわかるんだ。宮守君と店長は、拜島にとって特別だ。そして、店長は的井にとっても特別だ。」


ハハって笑って、俺の頭を撫でてくれる。


萩原「店長は?」


洋「えっ?」


萩原「俺等といるの幸せか?」


洋「はい、とても。」


萩原「なら、よかったよ。店長が幸せじゃなかったら、駄目だからな。」


そう言って笑ってくれる。


萩原「俺の昔話も聞いてくれるか?」


洋「はい。」


萩原「何か、店長は話しやすいな」


そう言って、笑いかける。


萩原さんは、昔の話を始めた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ