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星の町  作者: えもと
14/18

星の町 1

階段を下りると、まだオープン前の店内には、良い香りが漂っていた。


「おはようございます。ゆっくり休めましたか?」


「響子ねえちゃん、おはよう」


笑顔でフライパンを振りながら、そう言った英理さんの後に、北斗君が続けた。


「おはようございます。おかげでゆっくり眠れたんですが・・・すみません、すっかり寝坊してしまって」


私は二人の言葉に、力なくそう言った。

まさかの大寝坊・・・とんでもない大失態だ。


「ゆっくり眠れたなら良かったです。。もしかしたら眠れないんじゃないかと思って・・・。ほら、枕が変わると眠れなくなるって良く言うじゃないですか」


「そんな事ないですよ。良い部屋だったんで気持ちよく眠れました。ありがとうございます」


英理さんの言葉に、そう返す。


幸か不幸か、私は枕が変わったからといって、眠れなくなる程デリケートには出来ていないらしい。

それに、部屋は落ち着いた感じで、使い心地はとても良かった。


「そう言ってもらえて良かったです。さて、朝ご飯にしましょうか」


彼は言いながら、テーブルにパンとスクランブルエッグを並べてゆく。


「響子ねえちゃん、ご飯食べたら町を案内してあげるよ」


席に着きながら、北斗君がそう言った。


「あれ?学校は?」


「休みだよ」


「今日って、月曜日じゃなかったっけ?」


冬休みにはだいぶ早い筈だけど・・・と考えていると、


「今日は祝日ですよ。ハッピーマンデーですね」


英理さんが説明してくれた。


「そっか、すっかり忘れてた。じゃあ、お願いしようかな」


町を散策したかったから、案内役がいるのはありがたい。


「とっておきの場所があるんだ。楽しみにしててよ」


私のお願いに、北斗君は得意げ言って見せた。

「とっておきの場所」とはどんな所か気になったが、敢えて聞かないでおいた。

行くまでのお楽しみというヤツだ。



そして、三人で「いただきます」と声を合わせて、朝食に手を伸ばした。

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