プロローグ
作:ばんこ。
付け足し:つぶらやこーら
編集:緋和皐月
3人は出会った。
時にライバルとして、時に同士として、共に励み、共に競い、そして3人はたどり着いた。
それは目標でもあり、新たなスタート地点でもあった。
新たな旅立ちの前に、3人は一緒にクエストをすることにした。
ところが、クエストを聞くやいなや才能豊かなコーラが杖を振り回し、先陣を切って暴れまわっていく。
その様子を目の当たりにしたバンとコウは、思った。
「ちょっ、コーラさん頑張り過ぎじゃない? もっと、こう、ふわっとしたクエストのはずだったのに……」
「どうしましょう、バンさん。このままじゃ、私ら、コーラさんの足手まといかも……っ?」
コーラの華麗な活躍ぶりに、少々怖気づいてしまった2人。特にコウなんて、すでに涙目になっている。
そんな二人の気持ちなどおかまいなしに、どんどん突き進むコーラ。
ふと彼が後を振り返る。
彼の無言の笑顔に、バンとコウはごくりと唾を飲み込む。
(何と言う……、プレッシャー!)
しかし、このままでは、後でコーラにどんな目に合うか……隣のコウを見ると同じように青ざめた表情で、ブルブルと震えていた。
「くそ〜!もうどうにでもなれ!」
バンはそう言うとぎゅっと自分の杖を握りしめ、地面を蹴り一歩踏み出した。
一方。
コーラは、華麗に、そして緻密に暗躍していた。
コーラとて、理由なく暴走をしているわけではなかった。
彼は、見た目はともかく、中身は「漢」である。
他人の影の中で、息をひそめるなど、まっぴらごめんだった。
ましてや、二人はコーラの大事な仲間である。
二人がケガをするくらいなら、自分から危険に飛び込むという漢気に満ちていた。
ここは安心して任せろ、という言葉をそっと胸に秘めて。
見せるは背中。示すは勇気。
「さあ、行くぞ! 二人とも!」
自らのその杖が導くまま、三人のクエストは始まったのである……。