19「再会と別れ」
前回のあらすじ
佐々木の家に案内された大斗達は、そのまま昼食をごちそうになる。
その後、師匠から別の軍隊がビルに行く、という情報を得て、佐々木と別れ行動する。
研介達はコンビニの前を通った。
その時そこから男性が出てきた。
「ん?…り、龍一!?龍一さんっすか!?」
男性は驚いていた。
「べ、翆玉!何でここに!?」
同じく龍一も。
「読めねえよ。」
研介は小声で呟いた。
「久しぶりっすね!今まで何してたんっすか!?」
「それはこっちのセリフだ!翆玉!」
2人は喜び合った。
「龍一、この人は誰なの?」
龍一は答えようとしたが。
「龍一さん。良い所があります。そこに行きましょう。」
翆玉が言ったのでやめた。
「どこだ?」
「まあまあ、来てからのお楽しみっすよ。他の方もどうぞ。」
「いいよ。案内して。」
「OKっす。」
研介達は後に付いて行った。
案内された所は、とあるアパートの一室だった。
まだ部屋には入っていない。
「ここか?」
「そうっす。どうぞ。」
翆玉はドアを開けた。
1LDKでざっと6~10万の部屋だった。
中に入ると、翆玉は追い越して、リビングへと駆けて行った。
「斎藤さん!龍一さんっす!」
研介達はリビングに入った。
中にはもう一人、眼鏡を掛けた男性が居た。
「斎藤って…お前!涼か!?」
「龍一!?本当に龍一なのかい!?」
「そうっす!2人とも!」
龍一はまたも喜んだ。
「とりあえず落ち着きましょう。龍一、彼らは?」
「あ、はい。こちらの眼鏡を掛けた人は斎藤涼。私の中学校の時の友人です。」
「そっちのチャラい方は?」
「こちらは赤石翆玉。私の高校の時の友人です。」
「龍一、君、いつから敬語を使い始めたんだい?」
「まあ、大学入った時からかな。」
「大学に行ってたのか。凄いよ。」
「そうっすね、築山からっすよ。」
しばらくは談笑していた。
「あ、皆さん、そろそろ昼食にしましょうか。」
涼は言った。
「あ、いや、私たちはいいよ。悪いし。」
「いや、いいっすよ。食べていって下さい。」
「分かった。お言葉に甘えよう。」
「それじゃあ、翆玉。香奈ちゃん呼んできて。」
翆玉はベランダに出て、隣の部屋に行った。
「香奈?隣に住んでいる子供か?」
「うん、そうなんだけど…」
翆玉が戻ってきた。
「どうだった?」
「やっぱり駄目っすよ。」
「どうしたのよ?」
「いや、一緒に食べないって言うんですよ。」
「親はまだ生きてる?」
「いいえ、生きてません。香奈ちゃんは部屋に閉じこもって、1人でいるんです。あの部屋に。」
「何歳ぐらいの子だ?」
「6、7歳ぐらいっすね。」
「よし、ちょっと見てくる。」
研介はベランダに出た。
「こっちだな。」
「え!?研介さん!?」
龍一達も後を追い、ベランダに出た。
研介は隣の部屋に入った。
「!?」
「落ち着きなさい、ロリコ…!?」
その部屋の光景はおかしかった。
一人の少女が居た、恐らく香奈という子だった。
香奈の周りには、その子と同い年の死体があった。
「香奈…ちゃん?」
香奈は口を開いた。
「お兄さんたち、誰?」
「俺は研介、香奈ちゃん、一緒にご飯食べよう。」
「いい。愛莉ちゃんたちと食べる。」
「愛莉ちゃん?」
「うん。この子。」
そう言うと、香奈は死体の1人を指さした。
「香奈ちゃん、それは生きてないわ。」
愛美は言った。
「いや、愛莉ちゃんもママも、皆も生きてる!」
「これは死体だ。生きているわけがない。」
龍一が言うと、香奈は怒った。
「いーや!生きてる!」
優理は何か言おうとしたが、研介はそれを止めた。
「香奈ちゃん、それは違うよ、だって血出てるし、動かないし、どう見たって死んでんじゃん。生きてるなんてマジありえないっしょ。」
「翆玉!言うな!」
翆玉が言うと、香奈は静かになった。
「嘘、嘘。嘘だッ!!!嘘だよね?ママ。」
しかし、死体が話す事は無かった。
「嘘、嘘だと言ってよ愛莉ちゃん。う、うそ、嘘、嘘、嘘、嘘、嘘。」
香奈が泣き始めたと同時に、死体たちは動き始めた。
「ゾンビ!?」
「香奈ちゃん危ない!」
香奈は泣いていて動かない。
優理は銃を構えるが、研介がそれを下げる。
「こんなところで銃は駄目だ。香奈ちゃんに当たるかもしれない。」
愛美達がナイフを取り出すと、研介は香奈に向かって行った。
「研介さん!?」
そして、香奈を抱きしめた。
「香奈ちゃん、君は今悲しい。思いっきり泣いていい。だけど、ママやお友達は君をあの世で見ている。そして一番願っているのは、君がこれからも生きることだ。元気を出して。」
さらに続けた。
「それに、君はまだ一人じゃない、俺が、ここに居る人たちが友達に、それ以上になる。」
ゾンビはもう、動かなくなっていた。
35kiです。
久しぶりにキャンプに行きました。森っていいですよね。
心が休まるというか、静かになるというか。
汚らわしい心が綺麗になればよかったんですが。
ツイッター→@kero35ki




