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第七話

 事実は小説よりも奇なり。みなはよくそう言うけれど、本当にそうだろうか。小説の方がずっとずっと、事実よりも奇妙なわけがないのだろうか。


 まあ、それはどちらでもかまわない。自分が好きなほうを選べばいい。


 さて、書き始めはあれほどギラギラしていたのに、ここまで書き終わったらどうにも、心がすっきりしてしまった。首尾一貫して、最初から最後まで、ふざけた恋愛事情でも書いてやろうと思っていたのは、もう昔の話。


 最後だけは、真面目になってしまったのである。辛辣な言葉を世に送り出すどころか、僕の間抜けな恋愛譚をよくもまあ、のうのうと書けたものだ。我ながら反省する。


 それでは、本当に最後となるが、これだけはどうか言わせて欲しい。


 どうして僕が最後になって、クソがつくほど大真面目になったのか。説明するとしたら、別に長々と説明する気はないが、こう言っておこう。


 僕の妻が、後々うるさいので。だからラストは少し、綺麗な話にする必要があった。若い頃は「私の芸術性」だとか「本質を理解する」だとか、そういうことを言ってもまだ許せたものだが、こうも歳をとってからグチグチ言われると、「頑固な女だなぁ」と思ってしまう。


 ああ、いけない。つい、口が滑ってしまった。この部分は後語りとして、本編から外してもらおう。妻は小説よりも鬼なり。などと、言える日がいつか、来るのだろうか。

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