とある少女の愛の思い
私は直くんを愛してる。
たとえ誰が何と言おうと、この恋が罪だったとしてもそれでも私は構わない。
直くんが私の事を憎んでいても、好きじゃなかったとしてもよかった。
たとえ嘘でも、一緒にいるだけで幸せで。
私は、死ねない。それは私という存在にかけられた呪いだった。
私は昔、神を殺した。
私は神に人形としてつくられた。そのために人におそれられるほどの能力をもち、顔も、頭も、スタイルも、運動もすべていけた。けれど私には、その代償として人に恐れられた。
神としては無理矢理使役するよりも自分だけが普通に接して自分に恋させたかったのだろう。育った私は外見はもちろん、性格まで神の好みだった。
けれど私は神を憎んだ。憎み、憎み・・・それをすべて力に変えて戦った。結果は私の圧勝だった。元から決まってきたのだ。私には私すらをも殺す力がある。たとえ私をつくった神でも私を止められない。
伸ばしてきた神の手を斬り、燃やし、神がつくった私のすべての能力で打ち勝った。
けれどそのせいで、私は死ねなくなった
直くんは死ねる。普通に人間として生まれ、人間として育ち、人間として死んでゆく。
いつか直くんは死んでしまうだろう。その時、私はまだ生きて、悲しむだろう。それでも、私は愛さずにはいられなかった。
直くんが私を殺そうとしてもいい。それで直くんが救われるなら。理由がなんだったとしてもいい。
直くんが私を心の底では恐れていることは分かってる。怖いのだ。
私を愛している自分が。私が望めば、たとえ自分であろうとも壊してしまう自分が。
私が自分から去って行ってしまうのを恐れているのだ。
それでも私を愛してくれる。
人に恐れられる私を心から受け入れ、自分と同じく受け入れてくれる人を探した。
自分の未来を、自分のすべてをささげてくれた。
ーだから私は愛してる。直くんが私から消えてしまう時が来るまで、隣で生き、召される時、あなたにあえてよかったと、心からほほえみながら言うわ。
ーそれが、私の希望だよ。