~ちょこっとブレイクタイム~
時の道標(みちしるべ)~第六部~完結致しました。
これで、ハロルド篇が終了した事になります。
この第六部は一話一話が何時もより長くなっておりますが、それは私が他サイトでの連載時に、この第六部を十話で終わらせようと思っていたからです。
当初は、前世篇自体を十話前後で終わらせる予定でしたが(粗筋のみの紹介)あまり省略してしまうと「SILVER・WOLF篇」のロトの想いが薄っぺらいものになってしまいそうな気がして(後悔したくはなかったし)メイン・ストーリーくらいは書いておこうかと。
ブログ連載時は今のような分け方ではなく、時の道標は通しの話数だったので第六部~第一話~は第四十三話になっておりました。
十話で終了させるつもりだった前世篇の未だ半分も終わってない段階で四十三話ですから、流石に焦りますよね。
こちらと違って向こうは文字数が分かりませんが、投稿制限(五千文字)には引っかからなかったので五千文字は越えていないと思っていました。
案の定、四千文字以上五千文字未満な感じになっております。
何となく描きたくなったので描いた“落書き”です。
何でこの二人……とかは聞かないで下さいね。自分でもよく分かりません。
カラバッジオは、昔は「アルプスの少女ハイジ」の“ロッテンマイヤーさん”のイメージで描いていたんですが、今描くと微妙にイメージが違うのは何故だろう?
カラバッジオは“カラバ”と愛称で呼ばれる事が多いです。
リマリオと並び称されたブラッド一族の最強の能力者で、奇しくも二人は同い年ですが、でも生き方も価値観も全く違うんですよね。
同い年と言えば、フリーとサンダーも同い年だったりします。
フリーはレグルス・ナスルの側近、サンダーは右大臣。
若き二人は、それぞれの立場でレグルスを支えていたんですね。
剣の好敵手でもありましたし、割と仲が良かった……と言うか、互いを信頼してたんですよ。
だからこそフリーは、サンダーの裏切りがずっと信じられなかったんですけれども。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
【設定裏話】
フリーが右目を失った経緯ですが、実は彼の右目を傷つけたのはハロルドです。
……と言うよりは、右目を奪う事によって彼の命を救ったと言うのが、事の真相なんですけれども。
ハロルドは心情的な面は兎も角、表面的には敵ですよね。
自分は味方だという事をブラッドたちに印象付ける為に、ずっと敵役を演じてきました←敵を欺くには、まず味方から。
その為に心を鬼にして奪った命は数知れず。
けれど将来、ロトには絶対に必要だと思われる人材だけは、ロトの為に密かに護ってきたのです。
フリーもその内の一人なので、ハロルド的には傷つけたくなかったのですが、この時は近くにブラッドが居て、そのまま何もせずに見逃すという事が出来なかった為の、苦肉の策でした。
【おまけSS】~悪魔と呼ばれた日~
――ば、馬鹿な……っ!
何故、こんなところにフリー・サルガスが居るっ!?――
ハロルドはそう叫びそうになるのを辛うじて飲み込んだ。
彼の背後にはブラッドが控えている。
「ほう……これは、これは! 偶には前線に出てみるものですな。まさか、こんな戦場であんな大物に会えるとは思っておりませんでしたよ」
ブラッドはしたり顔でそう言った。
「…………」
この時、ハロルドは13歳。
表情には出さずポーカーフェイスを装っているものの、内心は穏やかではない。
(選りにも選って、どうしてこんな時に! ブラッドが同行している時などにっ!!)
ハロルドがフリーと戦場で相対したのはこれが初めてではない。
だがその都度ハロルドは、周囲には気づかれぬように密かにフリーを護ってきた。
まあ、超一級の腕を持つ剣士で、“サザン一の剣士”と謳われた父サンダー・フォル・レオニスの唯一の好敵手であったフリー・サルガスは、対能力者戦でなければ護る必要性などありはしなかったのだが。
しかし、此度はそういう訳にはいかない。
ブラッドの目を誤魔化してフリーを護る等“至難の業”以外の何者でもない!
「どうして、こんな小競り合いに貴方がのこのこ出て来るんだ!?」
それは反サザンを叫ぶ市民集団(小集団)との局地戦に過ぎなかった。
(どうする?)
ハロルドの額に汗が滲む。
(どうやって、フリー・サルガスをこの場から無事に離脱させる?)
ハロルドが考えあぐねていると、背後からブラッドの声が聞こえた。
「ハロルド様、こんな烏合の衆に私の出る幕はないと思うておりましたが、フリー・サルガスが居るとなると話は別です。あれを屠れば対サザン勢力の力を削ぐ事が出来るばかりではなく、精神的支柱をまた一つ奪う事になる……」
そう言いながら、ブラッドは一歩前に歩み出た。
「待て、ブラッド! あの男は、私の獲物だ!」
「ハロルド、様?」
「お前は此処で見ていろ! 絶対に手出しするな!」
「しかし、貴方の御手を煩わすほどの相手では……」
「力は使わない。私の剣がどれ程上達したか、あの男で試したいんだ」
「…………」
ブラッドは暫しハロルドの顔を眺めていたが
「承知致しました。サンダー閣下直伝の腕前、存分に揮われますよう。私はこちらでゆるりと拝見させて頂きますゆえ……」
「ああ。お前の出る幕は、ない!」
そう言うとハロルドは前方に居るフリーを見据えて
「フリー・サルガス! 貴様の相手は私だ!」
と叫びながら腰の剣を抜いた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「許せ、フリー・サルガス。貴方を無傷で帰す訳にはいかない」
ハロルドはわざとフリーを崖まで追い詰めた。
そしてハロルドの一撃はフリーの右目を傷つける。
眉間を狙ったように見せかけて、実はフリーが避ける事を計算に入れた攻撃だった。
夥しい出血に、怯んだフリーをそのまま崖下へ突き落とす。
彼が直接地面に叩きつけられないように、ブラッドに気づかれない程度の念動力を発動させたが、だからと言って無傷という訳にはいかない。
腕の骨の一本や二本……あばらの二、三本は折れているだろう。
フリーの持つ強運と彼の身体能力に頼るしかない杜撰な作戦ではあった。
だが取りあえず、フリーの命を救う為には、それしか考えつかなかった。
――現時点、ブラッドに父と私の本意を覚られる訳にはいかない!――
ハロルドの剣の腕は既にフリーのそれを凌駕していた。
いくら“力”を使わないといっても、それは“攻撃的な力を使わない”という事に過ぎない。
能力者として“最強”と呼ばれるまでに成長しつつあるハロルドの身体能力は只人の比ではない。
――死ぬな、フリー・サルガス!
貴方はどんな事があっても生き延びねばならないんだ。
我が王の御為にっ!――
そのハロルドの願いが通じたのか……
フリーは重症を負ったものの、無事にアル・サドマリクに帰還した。
しかし、力を使わずに対サザン勢力一の剣技を誇っていたフリー・サルガスを一蹴したハロルドの力量は世界を震撼させ、この後彼は“漆黒の悪魔”という二つ名を持つ事となる――
【おまけイラスト】
もしも内乱など起こらずにサザンが平和な国だったら……
というifのイラストです。




