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サザンの嵐・シリーズ  作者: トト
「サザンの嵐篇」~時の道標(みちしるべ)~第一部
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~第十一話~

「ロト王子、何時までそんな事を続けるつもりですか? 護るだけでは決して勝てませんよ!」



      挿絵(By みてみん)



防御壁(シールド)を突き抜ける? そんな、馬鹿な!?」


 防御壁が破られた訳ではない。

 だが、俺の身体には至る処に小さな切り傷が出来ていた。

 それはまるで、無数の“光の針”が身体を掠めて行ったようだった。


「これは、私の結界。異空間を統べる能力を攻撃に特化したもの! 防御壁に触れる直前に異空間に入り、防御壁を抜けた瞬間、再び現空間に出現する。貴方の今の力ではこの攻撃を防ぐ事は不可能です」

「そんなっ!」


 ――ロト王子、どれだけ凄まじい潜在能力を持とうとも、それを使いこなせなければ生き残る事は出来ません。

 相手の能力を見極め、それに対抗し得るには、それ相応の力を持った相手との実戦経験が必要不可欠なのです――


「これで分かったでしょう? 護るだけでは相手に勝つ事は出来ない。さあロト王子、反撃なさいませ!」



  挿絵(By みてみん)



 ――防御壁を解除した? 

 何と無謀な! 否、潔いと言うべきか? 


 それにしても確かに素晴らしい身体能力。この私の攻撃を尽くかわすとは! 

 しかし――



  挿絵(By みてみん)


《リマリオさんには何か考えがあるんだ。……でなければ、彼女が本気なら、俺たちはもうとっくに()られてる!》


 リマリオに気づかれないように思念波(テレパシー)で呼びかけたセレナに、俺も思念波でそう答えた。


「そろそろ避けるのも限界でしょう?」


 リマリオの言葉通り、俺の体力はとっくに限界が来ていた。

 それでも……。


「攻撃はしない! 俺はあんたを傷つけたくないんだ!」


 避けきれない光の針で俺の全身は傷だらけになっていた。



  挿絵(By みてみん)



 ――貴方がリマリオを傷つけたくないのは分かる! 

 私だって同じ気持ちよ。でも、私はリマリオより貴方が心配なの。

 もうこれ以上、貴方が傷つくのを見たくない!――


「見かけによらず強情な方ですね。ご自分が傷つくのは厭わないという事ですか? それならば、仕方がない」


 そう言うと、リマリオは徐にセレナの方に向き直った。


「まさかっ!?」


 次の瞬間!

 無数の“光の針”がセレナ目掛けて放たれた。


 防御壁は役に立たない! この距離では庇う事も出来ない!!


「セレナ――――っ!!」


 俺はセレナに駆け寄りながら光の針目掛けて力を発動させた。

 二つの力がぶつかり合って相殺される。


「やめてくれ、リマリオさん!」


 セレナを背後に庇いながらそう叫んだ。

 だが、彼女の攻撃は益々激しさを増す。


 このままでは殺られる! セレナを護れない! 何とかしなければ……。


 そう思った。


 大丈夫だ。力は制御(コントロール)出来ている。

 リマリオさんの注意を一瞬逸らせられれば、それでいい。

 今の俺ならその間にリマリオさんの結界を破れるかもしれない。


 俺はリマリオに向かって初めて力を発動させた。


 この程度の力なら、避ける事も防御する事も彼女になら容易い筈……。


 けれど――



  挿絵(By みてみん)



「リマリオさん……っ!?」 


 彼女はまるで、それを待っていたかのようだった――

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