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サザンの嵐・シリーズ  作者: トト
「SILVER・WOLF篇」番外~邂逅~
25/236

~第三話~

「ロト様が行方不明!?」

「ああ。アルファーウ夫妻も捜索願いを出して懸命にロト様を捜されてはいるが……」


 そこまで言うと執事は首を横に振った。


「そんな……。それで、その事をマール様は?」

「ご存知だ。お伝えするべきかどうか迷っていたのだが……」

「マール様の、あの“御力”で?」

「ああ、知られてしまった。だが、マキュール様はそうなる事を既に覚悟されていたようだった」

「…………」


 ロトの存在を――

 そしてマールが“接触テレパス”だと知っているのも、執事と乳母のマーサ、二人だけだった。



  ☆     ☆     ☆     ☆     ☆



 パステブロー家の別宅の直ぐ前に広がる森。


 マールは独りでその森に散策に出かけていた。

 マーサには止められたが


「今日は気分がいいんだ。無理はしないよ、直ぐ帰るから」


 そう言って安心させた。



 本当は独りになりたかった。


 彼は森の木々の中でも、一際大きな木の下に座って心を拡げた。

 そして木肌に触れてそっと語りかける。


 ――どうか僕に力を貸して下さい――と。


「そうすれば、僕の微弱な思念波(テレパシー)でも君に届くかもしれない」


 その想いは目に見えぬ“鳥”の姿となって大空を駆け巡る。


 “鳥”は 瞬時にロトの許へと舞い降りた。



    挿絵(By みてみん)



「誰かが、俺を呼んでいる?」


 それが以前から時々感じていた“思念波(もの)”だとロトは直感的に悟った。


 普通なら気づかない、消え入りそうな微弱な思念波(テレパシー)


「そうか、俺の力が目覚めたから感じ取れるようになったんだ。この想い。俺を包み込む……優しくて切ない、そして懐かしい想い。そう、俺はこの思念波(おもい)を知っている。ずっと、遥か以前から」



 ロトはその“鳥”に導かれるように歩を進めた。


「だからこそ、会って伝えなければならない。この思念波の主に」


 ――もう俺を呼ぶな――と。



    挿絵(By みてみん)


 長くなるので省略してしまいましたが(学生時代に描いていた漫画の設定にはあるのですが)実はロトとマールが出会うまでには紆余曲折がありました。

 ロトは自分を心配する両親を暫く傍で見守ってたんですよ(勿論、両親には気づかれないように)

 ネタバレになるので詳しい事は書けませんが、15歳の誕生日に目覚めたものは“力”だけではないのです。

 ですから、もう両親とは一緒に暮らせない――と思っているんですが(両親だけではなく、他の誰とも情を交わす事は出来ないと覚悟しているんですが)それだけではなく、力が目覚めた時に自分を監視する何者かの存在にも気づいてます。

 だから、その“誰か”から両親を護る為、そして自分を呼ぶ思念波の主にもその事を伝える為に(思念波の主を護る為に)ロトは“鳥”に導かれるようにマールの許へ急いだのです。

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