~第三話~
「ロト様が行方不明!?」
「ああ。アルファーウ夫妻も捜索願いを出して懸命にロト様を捜されてはいるが……」
そこまで言うと執事は首を横に振った。
「そんな……。それで、その事をマール様は?」
「ご存知だ。お伝えするべきかどうか迷っていたのだが……」
「マール様の、あの“御力”で?」
「ああ、知られてしまった。だが、マキュール様はそうなる事を既に覚悟されていたようだった」
「…………」
ロトの存在を――
そしてマールが“接触テレパス”だと知っているのも、執事と乳母のマーサ、二人だけだった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
パステブロー家の別宅の直ぐ前に広がる森。
マールは独りでその森に散策に出かけていた。
マーサには止められたが
「今日は気分がいいんだ。無理はしないよ、直ぐ帰るから」
そう言って安心させた。
本当は独りになりたかった。
彼は森の木々の中でも、一際大きな木の下に座って心を拡げた。
そして木肌に触れてそっと語りかける。
――どうか僕に力を貸して下さい――と。
「そうすれば、僕の微弱な思念波でも君に届くかもしれない」
その想いは目に見えぬ“鳥”の姿となって大空を駆け巡る。
“鳥”は 瞬時にロトの許へと舞い降りた。
「誰かが、俺を呼んでいる?」
それが以前から時々感じていた“思念波”だとロトは直感的に悟った。
普通なら気づかない、消え入りそうな微弱な思念波。
「そうか、俺の力が目覚めたから感じ取れるようになったんだ。この想い。俺を包み込む……優しくて切ない、そして懐かしい想い。そう、俺はこの思念波を知っている。ずっと、遥か以前から」
ロトはその“鳥”に導かれるように歩を進めた。
「だからこそ、会って伝えなければならない。この思念波の主に」
――もう俺を呼ぶな――と。
長くなるので省略してしまいましたが(学生時代に描いていた漫画の設定にはあるのですが)実はロトとマールが出会うまでには紆余曲折がありました。
ロトは自分を心配する両親を暫く傍で見守ってたんですよ(勿論、両親には気づかれないように)
ネタバレになるので詳しい事は書けませんが、15歳の誕生日に目覚めたものは“力”だけではないのです。
ですから、もう両親とは一緒に暮らせない――と思っているんですが(両親だけではなく、他の誰とも情を交わす事は出来ないと覚悟しているんですが)それだけではなく、力が目覚めた時に自分を監視する何者かの存在にも気づいてます。
だから、その“誰か”から両親を護る為、そして自分を呼ぶ思念波の主にもその事を伝える為に(思念波の主を護る為に)ロトは“鳥”に導かれるようにマールの許へ急いだのです。




