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蘇りし過去

きっかけは20世紀の汚物だった。高度経済成長社会。いつしかそんな呼び方をされた80年代の話だった。




[だからさ、住職さん。この寺を買いたい訳よ。んでもってマンションを建てるの。あんただってガッポリ稼げる訳よ。どうせ運営だって上手くは行ってないでしょ?ココと、ココ。ハンコね][…………先代さま。すいません。この寺はもう無理ですわ]





[………何処だ?俺達の帰る場所は?止めろ!墓を荒らすんじゃない!]





それから時が過ぎ去り21世紀になった。黄泉の彼方より甲冑の音が聞こえる。[主よ。遂に出陣の支度が出来ました。溢れ出す憎しみが下界の門を開きました][全軍!突撃!]





愛馬イークフリードと共に見回りをするウオーサム。精霊アディールと出会ってどのくらい月日が経ったのだろう。いつものようにコンクリートジャングルを見下ろしていた。





[特に異常も無しか。まあ見回りなんかよりお師匠さんの稽古の方が楽しいがな。そうだろ?イークフリード。目の輝きが違うだろ?][確かにな。俺もペガサスと天空を駆け回った方が楽しいぜ。だがな、それじゃダメなんだよ。あんたのお師匠さんも言ってたろ?いつか救世の騎士となれと][ハイハイ。人間を救えだったか?全く懲りねーよな][クンクン。匂うぞ。憎しみが溜まっている。ウオーサム。こりゃ不味いぜ][ソウソウ。憎しみだって貯まるはな。こんな生きづらい世の中じゃ]




ドーン!




激しい地割れと混乱する人々。[地震だ!遂に来たぞ!][逃げろ!高台に!]




[ホラ。お前の出番だとよ。救世の騎士さん][お前だって俺の相棒じゃないか!行くぞ。まずは津波を止めるんだ風の結界で!]





ウオーサムは印を結んだ。[退いてろ。イークフリード!風の精霊よ。我に力を!人々を救いたまえ]背中から魔方陣が出て旋風が彼を包む。背中から刀を抜くウオーサム。[秘技!旋風竜巻剣]海に向かい秘技を放つ。津波が割れ、一本の道が出来る。




[助かった。神様のお陰じゃ。ありがたや][神様のお陰?オイオイ。婆さん。俺がだな、出てきて助けたんだ。精霊の使いさ。ありがたく受け取りな][オイオイ。ウオーサム。聞いてないらしいぜ。それより俺達、見えて無いだろ][そうだな。帰ろう。イークフリード。腹へったろ?]





[待て!ウオーサム!][師匠。居たんですか?][アア。今日は妙な気配を感じてな。それより良くやったぞ。ウオーサム。皆が救われた][ありがとうございます。で、原因は?][羅生門が開かれた。この世とあの世を繋ぐ門が。誰かが掟を破ったのだ][つまり…………死者が蘇ったと?][アア。その通りだ。早速だがウオーサム。ワシと共に来てもらおう][ですがね。師匠。夕飯には戻らないと…………って行っちまった。待って下さいよー。師匠ー!]





二人はかつて無い戦いに巻き込まれるのだった。




続く

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