表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/32

11.小人と小竜の名前は

「(今日も一緒に食べよー? キャムとモニーとチェリアとロジスと! 昨日と同じく食堂の前で待っとる!)」

 規定服に着替え、色々な準備を済まし部屋のドアを開けた途端にチェリアから頭部を狙った蹴りを頂戴しそうな所でそれをかわし、今日はもうフラットと食べないと思うぞ、とチェリアに呆れながら言った時、フラットから朝食のお誘いを貰った。

 唐突に発されたテレパシーに驚き一瞬の硬直。

「(っ、わかった)」

「(んじゃ!)」

「急に固まってどうしたの? ぼく、昨日フリー達と一緒に食べるって約束したから大丈夫!」

 いつの間にそんな約束を……。

「そう……か。じゃあ一緒に食べるか。丁度今テレパシーでそのことについて言われてな。ロジスはいいのか?」

「ボクはいいぜ?」

「じゃあ六人で食べるってことで良いよね! 昨日みんなの使い魔の名前とか聞き忘れちゃったし」

 廊下を歩きながら会話をする。そういえば使い魔の名前、訊いてないな……。

 そこでようやくロジスの使い魔とチェリアの使い魔がいないのに気づいた。小人はロジスの腕に抱かれても足元で歩いているわけでもなく、ミニサイズの竜――いや小竜と呼ぶことにするか――もチェリアの頭に乗っかっているわけでもない。

 俺の探すような視線に考えていることを悟ったのか、ロジスが親指で後ろを指す。

 するとそこには小竜を抱きかかえて歩いてる小人がいた。睦まじい様子でじゃれ合っているが、小人が無意識に小竜の首を絞めてしまっている。小人は小竜がジタバタともがくと、何があったのかよくわかってない様子だったが小竜を床に一度降ろし、再び抱き上げていた。

「ぼくの使い魔はルギーだよ。ロジーの使い魔はスティー」

「スティラーキ、な」

 チラっと後ろを見て小竜と小人を見ながら名前を教えてくれるチェリア。小人にもいつも通り皆にするように愛称を付けたらしく、それをロジスが仕方ない奴だとでもいうに訂正した。

小竜の名前はすでに愛称化されてルギーとなっている可能性が高い。本名はルギーではないだろうな。

「僕はスティラって呼んでる。な!」

「ん!」

 ロジスがスティラーキに生き生きとした声で同意の言葉を求めると、同じように、しかし愛らしい声で頷きながら返事をした。

「ぼくはスティーね。キリー、お前はどうすんの?」

 ……どうしようか。チェリアにキリーと呼ばれたのは久しぶりだな思いつつ、

「なんて呼べばいいんだ?」

 後ろ歩きをしながらスティラーキのくりくりとした目を見て質問する。

「な、ん、で、も、い、い、よ」

 スティラーキは一度ルギーをぎゅーっと抱きしめて頬ずりしながら答えた。

 なんでもいい、か……。じゃあ

「スティーでいいか?」

と尋ねる。

「ん」

 スティーって呼びやすいなと思ってな。

 ロジスとチェリアの使い魔の名前はスティーとルギー。よし、覚えた。

 そのまま雑談しながら少し歩き、食堂に近くなったところでロジスが後ろゆっくり歩いていたスティーをルギーごと抱きあげた。

 チェリアも手を伸ばしてルギーをスティーの手から抱き上げて頭に乗せる。

 その光景を横目で見ながらさっきと比べてもスティーと俺達の距離変わってないなーと思った。しかしそれはほんの少しの違和感であり、脳がどうでもいいことだと判断したのですぐに霧散してなくなる。ちょっと走ったのかもしれないと頭の中で結論を出したからだ。

 食堂の前でフラット達と合流し、扉をくぐって中に入る。

 昨日の夕食では、庶民服と貴族服を来た男女がつるんでいるのが珍しいため周りの人から興味がある視線を貰ったが、今は規定服を着ているのでそれはない。しかし、同じ学年の中で少なからず人を召喚したのが噂になっているのかたびたびそのことについて声を掛けられた。……主にフラットが。友達多いよな……。

 空いてる席を探して座り、俺とフラット以外がそれぞれの使い魔にここで待つように言い、厨房の配膳コーナーへと向かう。テレパシーを使うほどの事でもないからな。

「どうでもいいことだけど、配膳コーナーって使い魔入るの禁止だよね? フラット入っちゃっていいわけ?」

 ちょっとした疑問をフラットに投げかけるチェリア。そういえばそうだが……。

「別にオレはいいっしょ? ダメなら注意されるだろうし」

「そうだよねー」

 フラットはどうでもいいと言うように自分の考えを述べると、チェリアも納得したように相槌をうった。

 列にモニー、キャム、フラット、チェリア、ロジス、俺と言う風に並び、積み重ねられているトレイを上から取る。ここの料理はバイキング形式なのだが、フラットは辛い料理、香辛料が入っていそうな料理をすべて避けていた。

昨日の夕食時に分かったことなのだが、フラットは辛いものが苦手らしい。香辛料が入っているようだった肉料理があったのだが、食べてもさほど辛さを感じないということでモニーのトレイから少しその料理を試し食いしたところ、かなりヒーヒー言っていた。

 本人曰く、

「辛いのマジ無理っす」

とのことだ。


ルギーは某幻の携帯獣から連想。

この6人は朝食、夕食時のグループを形成しますのです。まじ昼食どこいった。


感想、評価、アドバイスなど頂けたら幸いです。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ