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氷雪記  作者: ゐく
第三部
52/101

これまでの話と第三部の主な登場人物

ネタバレを含む可能性がございますので、ご注意ください。

◆これまでの話◆

(第一部のあらすじは第二部の初めにページを設けておりますので、そちらをご参照ください。)


 雪姫達は霜白(そうはく)の使いから、氷姫について独自に調べを進めている清晏(せいあん)という学者がいると聞き、その者に会うために水澄みすみへ向かった。

 道中、雪姫が暑さのために倒れるという事件が起きたが、無事に水澄にたどり着き、清晏にも会うことができた。ところが、氷姫についての手がかりは得られずに終わってしまう。


 水澄にしばらく滞在するが、この地でできることはないと判断した幼夢と佳月は、氷姫の最後の足取りの残る霜白で氷姫捜しをしようと雪姫に提案する。

 雪姫もそれに同意し、次なる進路が決まった。

 ところが、雪姫は幼夢達といるうちに、彼らとの力の差に悩むようになる。白き闇が迫る恐怖や氷姫の手がかりが見つからない焦りに加えて、二人に対しての劣等感や嫉妬で心は掻き乱れ、自己嫌悪に陥った。

 雪姫は心にわだかまりをのこしたまま、霜白に向かうことになった。



 場面は変わり、一年前──時は、疾風が若草の離宮で雪姫を逃がした後に(さかのぼ)る。

 疾風は、草助そうすけという緑助(ろくすけ)の部下によって助け出され、忍びの一族が住まう山吹という村にかくまわれることになった。

 離宮で負った腕の傷が癒えてからは、染物の様子を見せてもらったり、田植えをしたりして村に馴染んでゆく。

 疾風は離宮で刺客を迎撃(げいげき)した際、護身刀の刃を傷めていた。落胆していたが、ある日近くの村に腕のよい鍛冶屋(かじや)がいると聞き、訪ねる。その鍛冶屋は、なんと疾風の護身刀の作り主であった。

 しかし、鍛冶屋はちょうど大量の注文に追われおり、すぐには護身刀を鍛え直すことができないという。疾風は日を改めることにした。


 月日は流れ、鍛冶屋に護身刀を鍛え直してもらった疾風は刀を受け取りに出掛けた。そこで、若草の帝に忠誠を誓う篠塚しのづかという武官の家臣と鉢合わせてしまう。

 それがきっかけとなり、その夜、篠塚が山吹に進軍してきた。疾風は森に逃げ込むも、川岸の方に誘導され、追い詰められる。

 必死に抵抗するが、隙を突かれて一人の兵士に斬られ、前日の雨により氾濫(はんらん)していた川へと落ちてしまう。


 数か月後、若草に触れが出る。報じられた内容は、疾風が病で亡くなったというものであった。

 川で花を流して若草の皇子の死を弔う人の中には、笠を被った銀鼠(ぎんねず)の袴の男の姿があった。



 時は戻り、場面は水澄の学舎に移る。

 雪姫達は出発の朝、清晏に霜白で氷姫捜しをすることを告げた。しかし、清晏から雪姫の血統はその重要性から危険が伴うと忠告される。

 霜白は皇位継承問題で荒れており、一葉(かずは)氷室(ひむろ)の二者が争っている状態であるという。しかし問題なのは、その二人よりも雪姫の方がより強い継承権を持ってしまっていることにあった。

 雪姫は、清晏に改めて霜白へ行くのかと問われ、迷った末に安全よりも前進を選び、霜白へ向かうことを決めた。


 霜白に着き、雪姫達は清晏の勧めで穏健派である氷室を訪ねる。氷室は氷姫捜しにも力を注いでおり、雪姫達を快く屋敷に置いてくれた。

 こうして氷室の屋敷を拠点に、霜白での氷姫捜しが始まった。


 霜白でも氷姫の手掛かりは見つからず、手ごたえのない日が続く。行き詰まっていたところに、水澄の皇女である早智乃さちのと彼女の乳姉弟(ちきょうだい)であるすいが現れた。

 幼夢達とは皇家同士の繋がりで、古くからの知り合いであるらしい。粋は幼夢達が氷姫捜しをしていると聞きつけ、手伝いにきてくれたのだという。早智乃の方は幼夢に対抗心を燃やしており、無理やり粋に同行してきたようであった。


 新たな仲間を加えて、再び捜査が始まる。雪姫達は、氷姫の足取りが残る最後の地とされる村へ向かった。しかし、ここでも手がかりは得られない。

 落胆していたところで、再び雪姫が暑さのため倒れてしまう。

 雪姫は身体も心も弱って空っぽになったことで自身の器の小ささに気付き、その事実に抵抗することをやめ、できない自分を受け入れる。そして、愚図(ぐず)には愚図の、村娘には村娘の頑張り方があるはずだと心を新たにした。

  



◆主な登場人物◆


雪姫【ゆきひ】

風見ヶ丘の村娘。薄いながらも氷姫と同じ血を引いている。この物語の主人公。


疾風【はやて】

若草の皇子。雪姫が風見ヶ丘を旅立ったあと、“病で”亡くなったと報じられた。


幼夢【ようむ】

緋那(ひな)の皇女。明るく活発な性格で、舞が得意。


佳月【かげつ】

幼夢の相棒で、笛の名人。実は幼夢と婚約している。


早智乃【さちの】

水澄(みすみ)の皇女。幼夢に対して競争心を燃やしている。


粋【すい】

水澄の若き学者。早智乃とは二歳差の乳姉弟(ちきょうだい)


氷室【ひむろ】

霜白(そうはく)の次期皇位継承問題の渦中にある人物。雪姫達に屋敷を提供してくれている。


一葉【かずは】

霜白の次期皇位継承問題で氷室と争う。過激派の(おさ)


清晏【せいあん】

霜白の学者。氷姫について独自に調査を進めている。


大巫女【おおみこ】

霜白の山の上にある村で神社を管理している。老年の女性。村で一番の物知り。


銀鼠の袴の男【ぎんねずのはかまのおとこ】

謎に包まれた人物。その正体とは……?

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