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第4話:異世界魔女っ子バーガー、営業申請準備します!

 

「カツ丼バーガーが食べたい!」


 朝の空に響き渡る、ルミナの叫び。 目覚めのあいさつは『カツ丼バーガー食べたい』だった。屋敷のテラスで空腹を訴えるその姿は、まるで戦の開戦を告げる号砲のようだった。


「……お嬢様、その願望、今すぐに叶えるのは困難かと存じます」

 クラウスが静かにティーカップを置き、淡々とした口調で告げた。


「な、なんでよ!」


「まず営業許可がありません。店として成立させるには、街のギルドにて正式な営業申請が必要になります。あとは当然、食材もございません」


「それを言うならこの店も、まだ魔女っ子バーガーのお店って言えないレベルですし」

 いろはがパンをくわえながら指摘する。


「む、むむぅ……じゃあ何から始めればいいのよ……?」


「まずは申請です。魔女っ子バーガー1号店、正式な登録を目指しましょう」

 クラウスが手元の書類を指し示す。


「おぉ……っ、なんか一気にそれっぽくなってきた!」

 ルミナが目を輝かせた。


「……カツ丼バーガーの予定が、ずいぶん地味な話になってきた気がするんだけど?」


「カロリーが高すぎますので、キュウリのサンドイッチをお持ち致します」

 クラウスがスッと銀のトレーを差し出す。


「それじゃ力が出ないわよぉぉぉ!?」


「というわけで、本日二手に分かれます」

 千尋がシフト表を手にして進み出る。


「申請組はギルドへ。ルミナ、クラウス、フェリィが担当。食材確保班はわたしと辰人、杏奈、それにいろはね」


「はいはーい。カゴ担当します」

 いろはが軽く手を挙げる。


「フェリィ! 書類と印鑑は全部持った!?」

「ううっ……お腹痛くなりそうです……」

「大丈夫よ、深呼吸深呼吸!」


「ちなみに、ミーナと隼人には別任務を頼んであります」 千尋が手帳を見ながら補足する。


「チラシ配り班ね! 商店街の目立つところに貼ってきてもらうわ」

「それ、恥ずかしくないですか……?」

 隼人がそっと抵抗を見せるが、ミーナはすでに笑顔でポスターを振っている。


「うふふ、目立ってなんぼですよ~! 魔女っ子バーガー、一緒に流行らせましょ♪」


「えぇい、やるなら全力で!というわけで、拡声器を借りてきました!」

 どこからか謎のメガホンを取り出すミーナに、隼人の顔が引きつる。


「では行ってまいります。申請に、魔女の誇りを添えて──」

 クラウスがビシッと背筋を伸ばし、ルミナとフェリィを従えて出発する。


──次回、『 魔女っ子、ギルドへ許可申請に参上!?』


 ドタバタ申請大作戦が、今はじまる!


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