プロローグ:杖をかじる魔女っ子令嬢、召喚魔法で大暴走!
魔法とハンバーガーが交差する異世界で、腹ぺこ魔女っ子がとんでもないものを召喚してしまった!?
コメディ×グルメ×ちょっぴりカオスな異世界開店ファンタジー、始まります!
街の片隅、ベンチに座る少女が、何かをかじっていた。
「ん?これ、フランスパン……じゃないよね?」
「ガリッ!ガリッ!むしゃむしゃ、むしゃむしゃ!」
……かじっているのは、木製の魔法の杖だった。
しかも立派なやつ。
硬いし、まずいし、全然おいしくない。なのに――
お腹が空きすぎて杖がフランスパンに見えてくる。
「魔力の源はカロリー……これは魔法少女界の常識……でも、ぺこぺこで魔力も切れそう……!」
そう、彼女は魔女っ子令嬢――レミィ・ルミナ。
しかし今は、腹ぺこなただの少女。しかも杖かじる危ないやつ。
「空飛ぶ鳥もジューシーお肉に見えてきた……これは……魔女っ子ピンチ……!!」
「ダメだっ!もう限界っ!」
ルミナは杖を掲げ、叫んだ。
「お腹ペコペコお肉パン召喚!!」
ギラギラ、バチバチ、ド派手な魔法エフェクト!
空に巨大な魔法陣が現れ――
「ゴォォォォォン!!」
\ドンッ!!/
そして。
街の通りに、突如現れたのは――
異世界の街並みに似つかわしくない、近未来チックな看板が光る。
そこにはこう書かれていた──「マジカルミートバーガー」。
香ばしい肉とパンの香りが、路地に広がる。
「え……うそ……なんか、やばいもの召喚しちゃったっぽい……?」
ルミナの目はキラキラと輝き、口元にはよだれが垂れていた。
「おにく……おにくぅ……」
涎をぽたぽた垂らしながら、ふらふらと店へと吸い寄せられていく少女。
その小さな口元には、まだ杖の木くずがくっついたままだ。
――そして、扉が開いたその瞬間。
「……おにく……もうちょっとだったのに……」
杖の木くずをほっぺたにつけたまま、ルミナは小さくつぶやき、ぱたりと倒れたのだった。
最後まで読んでくださって、ありがとうございます!
はじめましての方も、そうでない方も、ようこそ魔女っ子バーガーの世界へ!
このお話は、腹ぺこ魔女っ子が異世界でバーガー店を開いちゃう!というグルメ&ちょいカオスなファンタジーです。
今後も美味しくてドタバタな日々を描いていきますので、どうぞよろしくお願いします!