目が覚めたらニワトリでした！
空ってこんなに青かったのか、、、
普段空なんて見ないから気づかなかったな
空に投げ出される体を感じながら
薄れいく意識の中で黄色い物を見た
仕事が終わってクタクタの中で子供が嬉しそうに黄色い物体を大切そうに抱えて横断歩道を渡っていた
そんな光景をぼんやり見ていたら横断歩道に向かって車がスピードを落とさずに子供に突っ込んでくる
運転手は車に着いてるテレビを見て子供を見てはなかった
「危ない！！！」
見て見ぬふりすれば良かったのか
仕事が終わった頭で考えが纏まらない体が動いた
車がとても遅く感じた
間に合う！！
何とか子供を歩道に押した
その後にすごい衝撃に襲われて宙を舞った
あー、、、俺ひかれたのかぁ〜
子供に目線をやると子供が大切そうに抱えていたのはニワトリの雛だった
子供も雛も無事そうか、、、
良かった、、、
俺はそこで意識を飛ばした
《山田仁の肉体が崩壊しました
コレより※※※の転生を開始します》
（なんだ？？うるせーなこっちはゆっくり寝てんだよ）
機械的な声の次に女性の声が聞こえてきた
「ジン？？あぁ子供を救って死んだって言う
魂ここにあるんでしょ？
ちょっと！あんた生まれ変わるならどんな感じがいいの？？」
（どんな？？
んー、、、そうだなぁー空が飛んでみたいな！
でも目立つのは嫌だから体は大きくない方がいいなぁー）
「なんだ？人間じゃなくていいのか？」
（せっかく生まれ変わるんなら人間なんてごめんだね！
人間になっても金金金！もし変われるなら１回人外になってみたいぜ）
《空を連想する生き物、、、可能です》
（おー！じゃあじゃあ体も頑丈で強くてすぐに死なないやつとか！）
《可能です》
「子供を守った褒美と思って私の恩恵も受け取るといい」
（ところで俺が行く場所って危険が多いのか？）
「なんてことは無いわ
魔法や魔物はいるが物語のように魔物がいる訳でもない
ただ国があるのでそこら辺のいざこざにさえ巻き込まれなければ平和に過ごせる平和な世界ね
私はそこで光の女神をしているわ」
（了解した！国への干渉はあまりしないでおこう）
自分の周りが暖かくなった気がした
魂がどこかに飛んでいく準備をしている
「第2の人生存分に楽しんできなさい！」
女神の声が終わると意識は暗闇へと落ちた
そして意識が浮上する
（おお！！本当に異世界だ！！）
緑生い茂る森の中に仁は居る
ちょっと感覚がおぼつかないがフラフラと立ち上がる
（ちょっと歩きにくいがまぁいいや！
どっかで自分の姿確認出来ないかなぁー）
ぎこちなく歩いていくと少し先の方から水の音が聞こえる
小川が森を緩やかに流れていて小魚が川を泳いでいた
（どれどれ、俺の姿は？？）
神々しい白い羽！
頭にある情熱の真っ赤なとさか！
小さいものでも拾えそうで光を浴びて鮮やかな黄色いクチバシ！
そして無駄に大きい羽！！
（って、、、ニワトリじゃーーーねーーーーかぁーーーーー！！！！）
川に映った姿は正しく仁がいた世界のニワトリだった
（ちょっと待てよ？
この世界でニワトリは飛べるのか？）
試しに無駄にでかい羽をバッサバッサ羽ばたくが無駄に羽が抜けるだけで飛べない
（と、とべねぇーじゃねぇーかー！
あの女神！騙しやがったのか！！）
ジタバタと羽を振り回して細くか弱い脚で地団駄を踏む
一通り暴れて落ち着いて深呼吸する
（ま、まぁ！とりあえず異世界物によくあるスキルか鑑定とか見てみるか）
そう思っただけで自分のステータスのウィンドが開く
〜名前〜
ジン
〜種族〜
ニワトリ
〜レベル〜
1
〜スキル〜
アイテムボックス
飛行1
羽纏100
治癒100
光魔法5
〜称号〜
治癒の使い手・鑑定士・不老不死
（おうおう、、、、スキル偏りすぎたろ
それになんだ不老不死？？
俺ずっとこの姿のままなのか
治癒は女神が言った恩恵ってヤツか？
羽纏はよくわからねぇーが数字が強いから役に立つんだろうな）
ふむふむと色々見てウィンドを閉じた
（とにかく鑑定士がついてるからその辺の木を調べてみるか
地名ぐらい分かるだろ）
木に視線をやって鑑定っと念じる
すぐにウィンドが開いた
【ローデンの木】
（おおー！地名があるぞ！）
【オルドバス地方ローデン森林
広大な森林に豊かな資源がある
魔物レベル難易度 20】
（鑑定士めちゃくちゃ便利だな
電子辞書みたいに気になるものをさらに鑑定できるのはありがたいな
しかしどうするかねぇーこれから！）
ジンは頭を抱えて空に向かって心の中で叫んだ
ジンのニワトリライフはまだ始まったばかり
連載の転生もの書きたかったんです！
色々悩んでやっぱりニワトリだろうって事でスタートします
読んでくれてありがとうございます！
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