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現代でウォーキングしているだけなのに、知名度がUPし続けている件。  作者: 沼津平成@ウォーキングで知名度UP
第3章 上司退職せり

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土曜・休日出勤(半日) 上司の定年について

 俺がコンビニでサンドイッチを買って、いつものように例のホット・ドリンクと一緒にちびちびとやっていると、上司が俺の左隣に顔を突き出してきた。左の席の中村くんは今いない。きっとどこかしゃれた喫茶店に、コーヒーを一杯頼みにでも向かっているのだろうな、と俺は察した。

 

「なあ」


 上司は妙に馴れ馴れしくいった。いつもなら「おい」とか「よう」なのに、なあとはなんだ、なあとは。

 俺が困惑していると、上司も戸惑ったのか、いつもの口調に戻った。


「俺、来年度定年で辞めるだろ」


 確かにそうだった。部長代理である上司は今六十四歳だった。

 俺は肯定しずらかったが、頷く。


「肯定するなら思いっきり肯定してくれよ」


 上司は恥ずかしいのか、後ろに右手を回し、首筋をポリポリとかいた。


「それでな、俺、ウォーキングしようと思うんだ」


 なぜか体にショックを覚えた。

 

「でさ——。教えてくれないか?」


 なんで? なぜ俺がウォーキングしているのを知っているのだろう。


「お前公園で、主婦と会わなかったか?」


 確かに会った。俺は今度ははっきり「はい、そうです」といった。


「あれ、俺の嫁の、友達でさ」


 そうとは思えないほどあの主婦は若々しかった。

 上司は俺に皺が鮮明に見えるほど顔を近づけた。

 

「そいで特徴的な男の人がいたのよーって話を聞いて、俺はピンときたのさ」


 俺、そんなに特徴的かな。


「なんか、若々しく、生き生きと見えたらしいんだ」


 嬉しいんだか悲しいんだか、若々しくというところに違和感を覚えた。そういえば俺ももう中年であった。

 速く昇進しなければ、と焦りを覚えていると、部長代理は手を合わせて、背をかがめてみせた。


「たのむ。俺にウォーキングを教えてくれないか?」


 ひ、人違いじゃなくて——!?

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