IQ1億のネコちゃん、愛を注ぐ
IQ1億のネコちゃん、愛を注ぐ
うちには、IQ1億のネコちゃんとIQ1のコネコちゃんがいる…。
IQ1のコネコちゃんは、鏡にへばりつき、『ショーシャンクの空に』みたいになっている時がある。
↑鏡を理解していないから、向こう側に猫がいると思っている。
「ピェェェッ!(超高音)」
と泣いて、愛を送っている。
ネコちゃんは、それを、
「解せぬ。」
という顔で見ている。
IQ1億の子のこなれ感だ。
全自動洗濯機が、『乾燥』モードになると、洗濯機自体が温かくなる。
ネコちゃんは、そのタイミングで洗濯機の上に飛び乗り、眠る。
『乾燥』モード=温かいと分かっているのである。
誰も教えてないのに…!
IQ1億の子の暖の取り方である。
コネコちゃんは寒さに強いが、ネコちゃんは寒さに弱い。
ネコちゃんはこの時期になってもまだ、夜、私と一緒に寝る。
しかも、掛布団を自分の周りにクシャクシャに集合させて城を作り、眠る。
私は上にかけるものを全て盗られ、寒いので、毎朝風邪気味である。
IQ1億の子の夜の暖の取り方は、容赦無い。
ネコちゃんは8歳だが、コネコちゃんはまだ10ヶ月齢だ。
たまに子猫の元気さに疲れるらしい。
干渉されたくない時は、冷蔵庫の上でお昼寝をする。
ここはコネコちゃんにまだ見つかっていない、ネコちゃんだけの秘密の隠れ家なのだ。
コネコちゃんは、ネコちゃんの姿が見えないと、
「ピェェェッ!(超高音)」
と泣きながら探す。
それをネコちゃんは、冷蔵庫の上から、
「解せぬ。」
という顔で見下ろしている。
IQ1億の子はかわし方も上手い。
私とネコちゃんは、一緒にお昼寝する。
私は腹腔鏡手術で子宮と左卵巣を摘出した。
その際の傷がおへそ含めて4箇所ある。
お昼寝の際、その4箇所全てを押さえる形で、ネコちゃんは私の体の上に乗って寝る。
まるで、お腹に魔法陣を張られたかのようだ。
ネコちゃんは、ゴロゴロと喉を鳴らし、両手を私の顔の方に伸ばしながら気持ちよさそうに眠る。
私は痛みに耐えながら無となる。
ネコちゃんは、トイレの砂をかけるのが不得意である。
一生懸命掘るが、掘っただけで、何も隠れていない。
それでも、
「私は完璧だが、何か?」
という凛々しい顔でトイレから出てくる。
ピアノを弾くのが上手である。
私が弾いていると、前足をチョイチョイと鍵盤に乗せて、伴奏を入れてくれる。
ごはんへの執念が半端ない。
朝ごはんの催促では、私の眉、鼻、頬などを噛んでくる。
顔に穴が空く。
夜ごはんの催促では、文字通り猫を被って擦り寄ってくる。
コネコちゃんが口からこぼしたカリカリは、一瞬でさらっていく。
ある日、ネコちゃんが一心不乱にカーペットをガリガリしている時があった。
めくってみたら、コネコちゃんの小さなカリカリが2粒出てきた…!
なぜ、カーペットの下にあると分かったのだろう…?!
嗅覚も1億あるというのか…。
コネコちゃんは、私がトイレに行くと出待ちしてくれる。
ネコちゃんはついてこない。
私が必ず自分の元へ帰ってくると、信じているからである。
私が湯船に浸かっていると、ジャンプして浴槽の縁や蓋に上がってくる。
長時間(私はお風呂に1時間くらい入っている場合がある)、私と離れるのは耐え難いらしい。
前足で私の腕をチョイチョイしながら、
「…ナァ。」
という時は、お膝に乗りたい時である。
ネコちゃんは、どんな時だって私と一緒にいたい。
私の体調が悪いと、シンクロして吐いてしまう。
ずっとそばにいてくれる。
私の腕や顔を舐めて、元気づけようとしてくれる。
ネコちゃんは、その生の100パーセントをかけて、私に愛を注いでいる。




