きっかけはネットサーフィン(意味深)
気づいたら1話が投稿されててビビりました。1話を読んでブックマーク、評価してくださった方全く更新せずにすみません。これからはそこそこ更新していくつもりです。
少し性的表現が出てきます。ご承知ください。
キーンコーンカーンコーン
6限の終了を告げるチャイムが鳴り、クラスメイトは今日の疲れを分かち合う者、部活に向かう者、帰宅する者にジョブチェンジする。僕は帰宅部、孝也はサッカー部だから放課後は少し話したらお別れだ。
「じゃあ俺部活行くから」
「はーい。孝也また明日ー」
「うーい」
孝也とバイバイした後にチラリと隣の席を見ると倉木さんが帰りの支度もせずに読書している。まだ真ん中くらいまでしか読んでいないみたいだけどキリのいいところまで読んでから帰るのかな?確か倉木さんも帰宅部だったはずだけど、流石にクラスのマドンナに一緒に帰ろうよなんて声をかける勇気はない。そんなことができたら彼女いない歴イコール年齢の15年間を過ごしてきてはいないだろう。
とはいえかわいい人とは少しでも仲良くなりたいのが男の性。今日は助けてもらったっていう縁もあるし帰りの挨拶くらいはしてもいいよね?いやむしろ言わないと気まずいまであるはず、うんきっとそうだ。
「倉木さんもじゃあね」
「え!?う、うん。じゃあね!」
なんか倉木さんにものすごくワタワタされながら返されたけどよっぽど読書に集中してたのかな。「え、なんで挨拶してきたんだろう?きもっ」の意の「え!?」ではないことを切に祈る。
「ただいまー」
この時間に帰っても家には大抵誰もいないのは知っているけれど、それでもなんだかただいまって言っちゃうよね。
今日はバイトもないので家に帰っても暇だ。いや暇でもないか。なんてったって僕はもしかしたら流行りの異世界転生をしたのかもしれないのだ!いやモンスターとかがいるファンタジーな感じじゃないしこの場合はパラレルワールドって言った方が正しいのか?
とにかくあれからも違和感はいくつかあったのだが、ここがパラレルワールドであると結論づける決定的な証拠が2つあった。
1つ目は5限の日本史の先生がおじさん先生からおばさん先生になっていたことだ。最初は体調不良とか出張とかで別の先生になったのかなと思ったが、特に何のアナウンスもなく授業が始まりそれにクラスメイトも疑問を持つこともなく当たり前に授業が進んで終わったのだ。
2つ目はクラスメイトの顔ぶれが変わっている気がするのだ。具体的に言うと男女比が3:7くらいになっている。これは6限の英語で当てられた人が前に出て英文だったり日本語訳をみんなで書く時に「あれ、なんか女子多くね」ってなって教室を見回して気づいた。
「先生もクラスも異なる部分がある。しかもそれに誰も疑問を抱いてる様子もない。これはもう流石に決まりでしょ」
自室の机の前の椅子に座って呟く。ちなみに僕は結構独り言を言っちゃうタイプだ。そうした方が頭の中の考えもまとまるし、例えば楽しい時に楽しい!って言えば楽しさが倍増しているような気がする。
「にしても倉木さん可愛かったなー」
呟くことで倉木さんの可愛さが倍増する、わけではないだろうが今日のことが鮮明に思い出される。
どこかミステリアスな雰囲気を纏った切長の瞳。枝毛やアホ毛なんて存在しないようなサラサラツヤツヤな黒髪。あたふたしながら挨拶を返してくれた時に香ってきた、フローラルな女の子の匂い。よかったなぁ。
…ちょっとやりたいことができたな。
これからやることは儀式だ。男ならこの儀式には誠心誠意、自分の持てる最上級の礼の心を持って望まなくてはならない。気分はさながら悟りを開くために厳しい修行に臨む僧侶のようだ。
そして儀式には資料が必要だ。より良い資料を探すという探究心に男は常に駆られるものだが、今日は既に確保している極上の資料を用いようと思う。マニアは嗜好品をただコレクションして終わるだろうか?否、見て楽しむ、もしくは使って楽しむものだろう。奇しくも今回の儀式の場合はどちらとも言えるだろう。
今日はオーソドックスにあの女優の動画にするか、趣向を変えてたまにはマンガにしようか、なんて考えながらスマホのブラウザアプリを立ち上げて、お気に入り欄を見る。
ん?この動画こんなタイトルだったっけ?あれこっちもこんなアイコンだったっけ?まぁいいか。多分これだよな。開いて再生っと……
「なんでこんな男側がどアップなんだよ!!!誰が男の尻とか胸見たいんだよ!!!!」
俺は○Vを見てこの世界が男女の貞操観念も変わっていることに気がついたのだった。
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