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第8話 【召喚獣と初依頼】

 魔法陣の上になんかうねうねしたものが出てきた。蜷局を巻き始めた。この形になる体で、うねうねしているのは、一種類しか居ない。 そう蛇である。色は、全体的に紫色。模様は、アオダイショウに少し似ていた。体長は一メートルにも満たないぐらいだった。

 どうやら、この蛇の種類はリラックサーペントレットという種類らしい。召喚獣としては、珍しいらしい。ちなみに、だいぶ人懐っこいらしい。一体目としては、大当たりらしい。メイジにお願いして契約のやり方を教えてもらった。どうやら、召喚獣の額に自分の額か、指を当てて魔力を少し通すらしい。そうすると、成功すれば契約が結べるらしい。これは、奴隷を買うとかと同じらしい。だから、基本は、指でやることが一般的らしい。

 いきなり、蛇が蜷局を巻いて力を込めてこっちに一気に飛び付いてきた。そのまま額に引っ付いた。少し辺りが光った。

「あ、契約成立した。」

 え、今のが契約成立のしるしなの!?魔力が勝手に流れてたの?

「契約するつもりではいたからいいんだけど...」

 蛇がずっとこっちの方を見ている。

「せっかくだから名前でも付けてあげたら?」

 確かに呼び出すのも名前の方がかっこいいよな。でも、急に言われてもな〜。なんも思いつかない。

 三分くらい考えた。出てきたのはこれしか無かった。

「じゃあ、メルトなんかどうかな?」

 ほんとになんにも思いつかなかったから、少しありきたりな名前になってしまったかな?

「いいんじゃない?」

 一応平気そうだ。

 蛇を見ると、喜んでいたので、メルトでいいか。蛇の方に手を伸ばして。「メルトよろしくな。」言った途端に、伸ばした手に体を巻き付けてきた。巻いたまま体を巡って首に巻いた。落ち着く場所を探していたのだろう。

 ん?みるみる首を絞ってくる。

「く、くるしい」

 しっかりと、メルトがまいてきた。

 メルトに軽く叩くと、苦しそうな顔していたのか、わかったらしくすぐに緩めてくれた。あともう少しでも首しめられてたら、ぶっ倒れるところだった。

「時間もったないし、早く依頼行こうぜ」

 と、ファンがいった。時間がもったいないって、ちょっと戯れただけじゃないか。時間がもったいないのは、確かだけども。歩きながらでも、仲良くなることは、できるな。

 街から、門を出て歩いていく。二、三十分、歩いてきた。歩いている途中にも、メルトとだいぶお話してきた。

 野原に出ていた。フェザーが、指をさす。

「見て!あそこに!」

 指の先に、きれいな花畑が広がっていた。

「うぉー!?綺麗だなー」

 日本でもこんなにきれいなの少ないのに。でも、なんで花畑の方に向かって歩いてんだ?薬草を取りに来てるんだろ?

「なぁ〜。なんで花畑に向かっているんだ?依頼は、薬草摘みなんだろ?」

 ニヤニヤした顔でファンが、こっちを見ている。

「ただの花畑じゃないのだよ」

 よく分からん。

「あれが、今日の目的の薬草だ!今の時期は花が咲いてきれいなんだぜ。」

 花が咲いているのか。植物だから、時期によっては咲いていてもおかしくはないか。でも、これって異世界(こっち)でも同じなのかな。時期によって咲くと季節的なものも必要になる気もするけど。

「よーし。早く集めるぞ!」

 薬草取って、早くランク上げたいもんな。魔物を殺しても平気だけど。今のランクでできる依頼が、薬草摘みしかない。たくさん取れば取るだけランクが上がる。薬草だけで、Dランクくらいまで上がれる。相当な量必要らしいけど。

「あ。ちなみに、この花畑にあるかは分からないけど、薬草に混じって毒草があるから気をつけて。」

 毒草が薬草の群生地に混じってるって怖すぎるだろ。真逆見たいなもんだろ。

 気をつけて採取しなくちゃな。と思いながら草花を摘んでいたが、薬草の山になったところから、メルトが何本か持って行った。また、摘んで山になったところからわざわざどかしながらまた、噛んで持って行ってしまった。

 薬草を摘んだ山からなんで持っていくのか気になったから、薬草を持ち去るメルトを追いかけたら、茂みの中に放置されていた。

 メルトが振り返り、驚いた表情でこっちを見てきた。放置されていた薬草を持つと、反対側をメルトが噛んで離さなかった。メルトを取ろうとしたら

「"うっ"!!」

 指に痛みが走った。親指を見ると、血が出ていた。

 薬草と毒草の違いは、毒草には花の下の所に小さい棘がある。しかし、この棘を見つけるのは、小さすぎて見つけられない。それを、メルトが見つけていてくれたらしい。薬草に混じってる毒草を取り除いてくれていた。感謝しかないな。メルトがこっちを向いて、頷く。

(お前、蛇なのに頷けるのかよ。かなり、賢いだろこの子。)

 薬草を俺が300本くらいで、フェザーが60本くらいジャンが25本ファンが40本くらい。

 あれ、なんか俺だけ多くねとか思ってたら。

「お前、なんでこんな短時間でそんなに取れるんだよ。」

 とファンに言われた。

 いや、あっちの世界で、草むしりとかボランティアでよくやってたからな。

「それに、パッと見ただけだけど、一本も毒草混ざってないわよね。」

 とフェザーに言われた。

 毒草は、全部メルトに取り除いて貰ったからです。僕は適当に摘んでいただけなんです。

「毒草が入っていないのは、メルトが全部取り除いてくれたからなんだよね。」

 地面にいたメルトが俺の体を使って登って最終的に首に巻き付いた。そしたら、みんなに向かって頷いた。

 こいつ、ほんとに賢いな。蛇なのか疑いたくなるくらいな。

 明らかに蛇なんだけどな。

 このまま街に戻っても、なにもすることないよな。せっかくだから魔獣でも倒して、新しいカード欲しいもんだけど。時間あるから、魔獣討伐はいつでもいいよな。

 三人が街に向けて歩き始める。薬草を持っている量が俺だけ多すぎて異常なのだが。みんなの五倍もあればそれは多いいか。それに、地味に重い。塵も積もれば山となる。とはこのことだな。アホらしい。こんなことを考える自分に呆れが出た。

 十分くらい歩いた時に、魔物が動いてるのが見えた。

「おっ!?地威羅壮(テラブリストソー)だ。」

 ジャンが興奮気味に言った。

「ちょっと狩っていかね?」

 魔物討伐したかったからいいか。あれ、でもあのイノシシって初めて会った時に殺されかけてた奴じゃね?大丈夫なのかこいつら。

「なぁ?でも、あれって前にお前らが襲われてた奴じゃないの?」

 三人がすごく引きった顔を始めた。

「あ、あれは、他の依頼で疲れてて...。」

 目を泳がしながら言われても説得感がない。

「それに不意打ちだったし。準備出来てないし。」

 さらに言い訳する。少し呆れそうになる。ため息をつくと。

「で、でもさ、今回は、レオもいるんだし、だ、大丈夫よ。」

 ほんとに不安である。まぁいいや。

「じゃあやるか。行くぞメルト。」

 首にいるメルトがやる気満々みたいな顔してこっちを見てきた。

 今度は、オオクワガタの能力を使って、小剣を二本出して、カブトムシの能力で簡単な盾を出した。今回は、身体強化はなし。

 テラブリストソーがこっちを見てきた。じゃあ、やりますか。ファンとジャンが二人でテラブリストソーに向かう。攻撃しにかかるが、上手く当たらない。二人が行き場をふさいだから、一直線に俺の方によってきた。小剣をよく掴み攻撃態勢に入る。左に避けながら、回転を付けて右前足と右後ろ足を切り込んだ。その後ろから、フェザーの風魔法(中級)を使いテラブリストソーの左側を攻撃して、両側にダメージの入ったために、体制を崩して、勢いのままに倒れていった。しかし、まだ立ち上がった。

「あれでも立ち上がるのかよ。」

 ジャンが言った。

 それを言った直後にファンがいきなり斬りかかった。チャンスだと思ったらしい。けど、運悪くかわされてしまった。かわしたところで、俺の小剣を一本投げた。

 見事に目に突き刺さった。テラブリストソーがよたついてる間に、メルトが首を噛んだ。

 急所に入ったらしく、テラブリストソーが力が抜けたように倒れた。メルトがすぐに近ずいてきた。首に巻いた。上空から紙が一枚落ちてきた。カードだ。

 今回のカードは、モンシロチョウだった。縁の色は、緑だった。カブトムシと同じく。蝶系だ。蝶とかのイメージだと回復とか、支援に向いていそうだな。モンシロチョウだと小さな支援とかになりそうだけど。ないよりはマシだろ。

 街に向かうか。

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