第1話 【現実の残酷さ】
僕は、天本 怜音。今年で高校一年生である。
すごくどうでもいいと思うけど。僕の家族は、兄がに二人、そして双子の弟がいる。僕の家族は、大のサッカー好きである。兄弟全員サッカーをやっていたけど、僕は、中学でサッカーを辞めた。自分がどれだけ頑張っても、兄弟には、勝てない。双子の弟だって例外じゃない。ていうか、弟が強すぎた、中学時代、僕は部活動で頑張っていたけど。弟は、プロリーグの下部組織のチームにいて、名門クラブチームでキャプテンをするほどなのだから。劣等感で僕はサッカーを辞めた。兄たちは年齢差と経験で、弟とやりあえるが、年齢差もなし、経験だってあいつのほうが多い。勝てる要素がない。もがいたとこで意味がない。
それに、弟はサッカーだけがすごいのではない。学問においても完璧なのだから。中学では、定期テストは、全教科学年一位。僕は、平均より少ししたくらいである。それと、属性もやはり違う。サッカーも上手くて、勉強もできるからクラスの中心にいた。要するに陽キャである。言うまでもないが、僕は陰キャである。アニメ見て漫画読んで、ヲタクな日々である。だけど、こんな僕にも弟に勝てるものがある。それは、生き物である。生き物を飼育したり、カブトムシとクワガタだってそうだ。日本のものだけじゃない。海外のものもだ。僕は、業界の中だと結構有名なブリーダーだったりする。ブリーダーは、お金がプラスに向くけど、大きく黒字になることは限りなく少ない。マットとか、ゼリーカブトムシの繁殖は、虫といってもだいぶ難易度は高い。だからこそ、僕のは、質がいいとかで、よく売れる。そのため、赤字になることはない。
中学を卒業してようやく開放される。弟と高校がバラバラであることだ。ここまで後ろ指を指され続けたが、これで、おわりだ。あいつは、サッカーの名門でプロ選手を何人もだしている場所だ。頭も良くなくては、いけないとこだが、あいつには、問題ではないだろう。その一方、僕のほうは、偏差値50くらいの中堅校だ。これでも、だいぶ頑張った。塾に通い詰めて、夏の頃は、E判定だったがなんとか、合格できたのだから。学校の先生とかも無理だとか言っていたけど、僕は、やり遂げた。別に定員割れしていたとかでもなく。ちゃんと受験戦争に勝ったのだから。
だけど僕は、ここで衝撃の事実をしる。僕を、後ろ指で指すように仕向けていたのは、あいつであったこと。これは、俺の数少ない友からのはなしであった。僕に才がなかったのは、そうだが、あいつは、みんなにこれでもかってくらいに、悪い噂を流し、みんなを騙して操っていた。このとき、驚きはしたが、それ以外は何もなっかた。なんとなく、そんな気がしていたからだ。あいつが、自分のこと嫌っていること。何かと、家でも嫌がらせをしてきていたから。家では、兄や母さんたちが、辞めるようには言っていたけど、学校はみんながあいつを信じきってしまっているからだ。教師もだ。
体育祭、中間テストが終わり一ヶ月くらいすぎた。
部活は軽音楽部に入っていて自分の課題曲の練習にも励んでいた。親は、すごくびっくりしていた。触れたことのないギターを急にやりたいなんて言うもんだから。なんで急にって顔をしていた。サッカーをやめることは、言っていたが、他の部活に入るとしても、軽音は、ないと思ってたらしい。
先輩とも仲良くなって、まったりと充実した部活を送っていた。期末テストの後に課題曲のテストがある。先輩の谷元誠冶先輩に教えてもらっていた。谷元先輩はアニメが好きで、自分もアニメが好きだった。先輩は恋愛もの、自分はハーレムものやバトルものが好きだった。まぁ、好みが違ってもお互いの好きを語りあえるから別にいい。普通に仲良くなっていた。
そして、教科の多い一学期期末テストはいい点を取りたかったのでたくさん勉強した。テスト当日、勉強を良くやっていたので、数学はクラス一位、英語以外の科目はクラス一桁代だった。ゆうても英語も平均点を超すことができていた。
夏休みも近づいたある日。いつもより早く出れたので早めに学校に向かった…学校まで数分というところでクラスで気になっている子いた。信号待ちで近くにいたけど、彼女は志摩楓。友達と一緒にいたため僕は、少し遅く歩いた。その彼女たちにトラックが坂なのにブレーキもかけずに突っ込んできた。けど楓たちは気づいてはいない。そこで楓が財布を落とししまった。勢い止まらずにトラックが突っ込んでくる。僕は咄嗟に飛び込んで楓を突き飛ばした。
「危なーい!!」
「え!?」
楓の体を必死に押し出す。なにをしているのかわからないが、無我夢中だった。
「キャ!?」
楓を突き飛ばしたことでトラックにはねられた。
『ドォーン』
「ぐぶっ、」
体が吹き飛ぶ。痛々しい音がよく聞こえた。トラックも音で気づいて止まった。一応楓は無事だったらしい、擦り傷はあったけど、多分俺は、10mくらい吹き飛ばされ、地面に叩きつけたことで頭から出血している。しかも、はねられた衝撃で臓器にも傷がついてしまった。
「ゲホッ、」
何かしようとするだけで血反吐出てくる。
ここで僕は、これは死ぬなと確信した。周りにいた同級生が急いで救急車を呼んでいたが遅いだろう。駆け寄る音が聞こえる。だれだろ。意識朦朧とする中目を開けたら楓がいた。
「え、大丈夫!?」
大丈夫なわけないだろ。でも、この声楓だな。無事だったんだな。よかった。
「聞こえてる?」
想いを伝えるか悩んでいた。もう時間もそんなにあるわけもないのに、今までの思い出が蘇る。これは、走馬灯か?もう意識が飛びそう。
心臓の音がよく聞こえる。すごく遅い。楓が涙を流していた。救急車の音が聞こえ始めた。僕は、想いを言おうと決断した。ほんの数ヶ月だけだったけど、高校生活は、充実していた。数ヶ月でも好きになっていた人に。
「す、、、」きだ、、
よかった言えた。
「え、なに!?」
楓には「す」までしか聞こえていなかった。口を開けられなかった。全身に力が入らなくなってきた。痛みをほとんど感じない。心臓の音が聞こえなくなった。あ、心臓止まった…。意識が…。
僕の人生は、気になる人を助けて15歳で生涯を終えた。
この程度で終わったら面白くないよな!?