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聖なる花か、死の歌か。  作者: 冬守狸桜
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はじまりのうた

 



 始まりは、ひとりの赤子だった。


 とある時代、とある日に生まれた人の子は、その腕に卵を抱えて生まれてきた。


 そのことに人々は大層驚き、卵を調べて見たのだが、叩いても、落としても、工具を使ってもその卵を割ることはできなかった。


 そうして、始まりの子を皮切りに、卵を持った新生児が生まれるようになった。


 正しくは、全ての新生児が、卵を持って産まれるようになった。


 卵は例外なく割ることはできず、大きさはマチマチだったが、白い卵であることと赤子が抱えられる大きさであることは差異なかった。


 そうして月日は経ち、始まりの赤子が七歳の誕生日を迎えた日、卵が孵った。


 七年間動かなかった卵が、なんの前触れもなく孵ったのだ。


 その卵から生まれたのは、薄桃色の毛並みをしたウサギだった。


 それから次々に卵は孵った。


 生まれるモノは多種多様で、哺乳類、爬虫類、魚類その他諸々多種多様な生物が孵った。


 本来卵から孵らないはずの哺乳類ですら、卵から生まれてきた。


 生まれてきたモノたちは、例外なく卵を持って産まれた者、即ち主人と共に常に行動をし、決して離れることはなかった。


 その生まれてきたモノたちは、一様に最低一つの特殊能力を持っていた。


 その能力は多種多様であり、生まれたモノたちの数だけ特殊能力があると言っても過言ではなかった。


 そのモノの呼び方に困った大人たちは、生まれてきたモノたちを“聖霊”と呼ぶことにした。



 これが聖霊時代の始まりだった。






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