月に行く②
俺はソファーに座ると目の前に正座している天照様とコノハ様が居てちょっと固まってしまった。
「天照様、何故そんなところに座ってるんですか?」
「レイジ殿、世界を救ってその報酬を受けるはずだったのに、報酬も受けられず、いきなりこの世界に元されてしまい、申し訳ありませんでした」
天照様とコノハ様が正座で頭を下げてまるで土下座で俺は、慌てて頭を上げる様にお願いした。
「頭を上げてください、天照様は何にも悪い事してないじゃないですか?」
「申し訳ありません、それでも異世界の神と呼ばれている者も元々は、我々の仲間で死んだ人間の魂を送って救援してしたのは我々なのだから」
「だったら落ち着いて話したいのでソファーに座って下さい」
天照様とコノハ様は頭を下げながらソファーに座ってくれた。
「神に土下座されたなんて地球に帰って知られたら俺炎上しちゃいますよ」
「我々は神と崇められているが神などと言われる者では無い。ただ単に子孫を見守る管理者なのだ」
「えっ、ちょっと待って下さい。そんな事言われても日本では神として存在するのですから」
天照様はちょっと申し訳なさそうに話し始めた。
※この物語はフィクションです。
「神うんぬんはちょっと置いておいて、我々が何者なのかから話しましょう」
「我々はレイジさんの感覚的には遥か昔、繁栄して滅亡した地球人と同じ人間だった。ただ我々は貪欲すぎたのだ。我々は科学の力を使い寿命を延ばしたが、その事によりどんどん子供が産まれなくなり、最終的には滅亡に近い状態に成ってしまい、他の星や他次元に救いを求めて旅立った。
私の両親が居たイザという星が有った。でもイザでも人間は死を恐れて結局同じ事が起きてしまい、滅亡してしまった」
「ちょっと待って下さい。寿命を延ばして、どうして滅亡につながるんですか?」
「実は最終的には我々は魂だけの存在となり、不老不死を手に入れたが、何万年も生きていると多くの者は精神がおかしくなり、死を望む者が増えだし結果滅亡した」
「精神体に成ったのに死ねるですか?」
「精神体に成ったと言っても、この世に魂を留めて置く装置が必要で、装置を破壊して自殺する人が増えだし、法律で防ごうとしても、当時は民主主義で多くの人間の賛成で自ら死を選べる事に決まってしまった。
そこで我々は民主主義を止めて三体のAIが法律や政策を決めて人類の代表者の議員達が承認する制度に変わった」
「そんなに簡単に民主主義からAIが管理する制度に変わったの?」
「その話を詳しく話すと世界史と日本史の中学高校の授業で習う事より多くなるが聞くか?」
「すいません遠慮します」
「結局我々はその間に全人口が1億以下に成ってしまい、その後もどんどん人口が減っていて、新たに子孫を残す為にバイオロイドを人工的に作り出したが、バイオロイドはAIと変わらない魂を宿さない状態だった。
我々の科学は発展したが、未だに魂とはどこから来てどこへ帰るのか解らないし、本当の神と言われる存在も確認出来て居ない。今の地球で神と崇められている者の殆んどが死後祭り上げ者や我々の仲間だ」
「こんな事地球で言ったら炎上どころか、首に賞金掛かるな。シルフィー間違っても地球でここでの話をしちゃダメだからね」
「……はい」
「この銀河では生物の殆どが同系統の遺伝子から始まっているから、我々も作られた存在なのかも知れない」
「だいた言いたい事は分かったけど、それと俺が異世界に行った事とどんな繋がりが?」
「すまん話がそれた。異世界の神と言われている管理者がレイジさんやシルフィーには迷惑を掛けて済まなかった。異世界の仲間には罰を与え今後一切の援助を行なわない事に決まった」
「そうなんですか?でもあの世界に攻め込んできた悪魔と言われる存在って何なんですか?」
「よくは分かって居ない。この銀河以外から攻め込んで来るバグと呼ばれる昆虫の様な物も確認されているが他次元や他銀河の事はよく分かっていないのです」
「そうなんですか」
「その前に一つ言っておきたい事が有る。レイジ殿が持っている魂を切る刀を我々に向けないで欲しい。あの邪神と呼ばれる者は本来で有れば人間には倒せない存在だったのに、その刀で邪神の魂を消し去った事で異世界の管理者たちは其の事でレイジ殿を恐れ魂を勝手に地球に送り返した。
その罰で今後この世界からは支援を行わない事に決まった」
「その話を聞くと別にこの世界から魂を送らなくても別に問題無くないですか?」
「世界を渡った魂には不思議な力が宿るのと他の世界の知恵からもたらされる恩恵が得られる」
「でも知恵って天照様の文明の知恵を与えれば良いんじゃないですか?」
「この地球でも前の文明の時に与えた。でもせっかく与えたのに我々の管理を嫌がり月に向かい攻撃を仕掛けて来た。その為に我々はその文明を滅ぼした。それから我々は我々の子孫には基礎だけ伝えてそれ以降は見守る事にした。ただ地球に落ちる可能性の小惑星のみ落ちない様にする事だけは助ける事にした。それでないとせっかく育った子孫が滅亡してしまうから」
「その文明ってアトランティスですか?」
「よく分かったわね。ただし現在に伝わっているアトランティス文明は間違った伝わりかたしてるから事実と違うからね。それよりお茶も出さないで話し始めちゃってごめんなさい。月には嗜好品の食べ物は無いけど飲み物は用意してあるから、レイジさんはコーヒーで良いかな?」
「俺は良いんですけど、有ればシルフィーは紅茶にしてくれませんか?」
「レイジさん、私もコーヒーでも良いです」
「シルフィーさん、紅茶も有りますから」
「じゃすみませんが紅茶で」
そしてとてもバイオロイドとは思えない思えない所作でお茶を出してもらい、やっと地球の話に成った。




