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恨み10% スキル習得



 目を覚ましたら俺は薄暗い牢屋の中にいた。

 何故こんな場所に居るのかと思ったが、腹に痛みを感じあの地獄を思いだす。

「これから俺はなにをさせられるんだ」

 奴が言った国王の命令がどんなものか知らないがだからこそ恐怖ずる。

 殺人?誘拐?何故か物騒な事しか浮かんでこない。

 ふと、奴が言った言葉を思いだした。

 祝福[ゼウス]

 ゼウス、確か何かの神の名前だ。

 この世界が異世界ということはほぼ確定しているので、魔法とかは理解出来るが祝福か。

 神様に祝福された事何てあったか。

 奴との会話から以前から俺はこの世界にいたらしい。

 その間に祝福されたのか?

 じゃあ、これまでの生活は何だったんだ。

 俺の今まで現実だと思っていた生活は夢で今の生活が本当のものなのか。

 それじゃあ、何故こちらの世界での過去を思い出せないんだ?

 一向に答えが見えない思考をしていたが、途中で遮られた。

「おい、囚人。時間だ」

 国の兵士ぽい奴が無感情に言ってきた。

 色々と短縮された言葉だが何となく、される事が分かったのでゆっくりと立ち上がる。

 俺が出来る細やかな抵抗だったがすぐ兵士に急かされその抵抗も出来なくなった。


 兵士に連行された場所は、いかにも王様がいそうな所だった。

 2階建て住宅が縦に4軒入るほど高い天井。

 体育館を横に3倍、縦に4倍した位広い床。

 その全てが純白であり、カーテンや置物、柱さえも華やかに整えられていた。

 この広い空間の一番奥の数段高く深紅の絨毯が敷かれた床にある豪華な椅子に座っている人が国王だろう。

 体型はほっそりとしており腹部まで達する長い髭や髪はすべて白くなっている。

 王冠が無ければ賢者のような姿をしている。

 観察してると国王は威厳がある声で話しかけてきた。

「祝福[ゼウス]を授かりし者コウよ。よくぞ我が頼み快諾してくれた。」

 何が快諾だ拷問して強制的に従わせたくせに。

 それにしてもこっちでの俺の名前はコウか。俺の小学生の時の一人称と同じだな。

 どうでもいいことを思っていた思考を切り替え、牢屋で気になったことを質問しようとする。

「国王陛下、無礼ながら1つ質問して宜しいでしょうか」

 できるだけ丁寧な言葉で喋ったが大丈夫だろうか。

 国語は一番苦手だったんだよな。

 そんな不安があったが国王は短い言葉で喋ってくる。

「よいだろう。話せ」

 少しほっとしてから俺は質問する。

「私は何故か過去の記憶がありませんのでどのような頼みだったか分かりません。もう一度教えてくださらないでしょうか」

 敬語が少しヤバかったが国王はほんの少し微笑んだ後、質問に答えてくれた。

「よかろう、記憶喪失の可能性があるとはクレイルからも聞いておる。もう一度だけ説明をしよう。そなたに頼んだのはダンジョンの攻略じゃ。」

 ダンジョン、ゲームでよくあるモンスターとかがいっぱいでる場所か。

 だが、以前どれだけ強かろうと今は全くの初心者だ。

 それを理由にちょっと拒否を入れた事を喋った。

「国王陛下すいませんが私は記憶喪失により全ての技術を忘れてしまいました。このよう状態ではダンジョン攻略は出来ません。」

 段々敬語が怪しくなってきたので不安だったが国王は気にせず答えてきた。

「よいよい。そなたに行ってもらうダンジョンは1年間そこで生活すれば攻略になる。モンスターは出ないそれどころか罠もない。今のそなたでも簡単に攻略できるはずじゃ」

 1年か、かなりの時間だな。だが汚れ仕事じゃないだけましか。

 ポジティブに考えてると新たな疑問がうかんだ。

「国王陛下それでしたら私以外にもできるはずでは。」

 ちょっとギリギリな敬語に国王は少し顔をしかめたがちゃんと答えてくれた。 

「そのダンジョンに入る条件はスキル[固定]を持っていることじゃ。心配せずともその条件は生命を持つ者でけだから食料などは持って行ける」

 かなり楽なクリア条件だな。

 そう感じていると自分がスキルの習得の方法が分からないことに気づく。

 質問しようかと思ったら先に国王が喋ってきる。

「それではコウよ明日の午前6時にダンジョンに入ってもらう。今日中にスキル[固定]を習得しておけ。

 以前お前と親しかった者が巻物を持って行く。習得の方法が分からないならその者に教えてもらえ」

 国王がそう言うと横にいた兵士が俺を立たせどこかに連れていく。

  

 兵士に連れられて着いた場所は最低限の家具しかない狭い部屋だった。

 手錠もなくなりトイレしかない牢屋よりはましだがさっきの国王が居たとこと比べると扱いがひどい。

「なんだよこの扱い。ひどくないか。一応俺はあのダンジョンをクリアできる唯一の人間だぞ」

 思わず愚痴を呟いてると扉をノックする音が聞こえた。

 国王が言ってた親しい人か。

 そう思い扉を開けるとそこにいたのは俺と同じくらいの年齢の女性だった。

 上手く説明ができないが髪は肘まで届くほど長く色は黒い。顔はおしとやかで品がある、肌の色は俺と同じ肌色でどこからどう見ても日本人女子中学生だ。

 てっきり[親しい人]がくると思い込んでいた俺は突然の女性の登場にものすごくてんぱった。  

「えっと、あの、ど、どちら様でございますでしょうか」

 つっかえたり日本語が変になったりとめちゃくちゃ恥ずかしい。

 目の前の女性にも笑われると思ったが女性はどこか悲しそうな顔をしていた。

 そんな酷い日本語だったかと思ったが理由は別の事のようだ。

「やっぱり私の事も忘れてしまいましたのね」

 その言葉でこの女性が[親しい人]だと分かった。

 元の世界では同じクラスの女子とコミュニケーションは最低限しかしてこなかったので俺はどんな事を言えばいいか分からず「えっと」や「あの」しか言えなかった。

 少し時間がたってから女性は踏ん切りをつけたのか、明るい声で喋ってきた。

「私は、国王様より貴方への巻物の譲渡とスキルの習得法の伝授を任せられたサキです」

 サキという名前なのか。

 サキさんは廊下に立ったまま聞いてきた。

「とりあえず貴方は記憶喪失したと聞きましたがスキルの習得方法は覚えていますか?」

「いいえ。覚えていません」

 少し無愛想だが仕方ないだろう。サキさんも気にしてないようだし。

 サキさんは頷くと廊下を少し戻ってから分厚い本を持ってきた。

 サキさんは分厚い本を机にドスンと置き言ってきた。

「国王様に今日中までに覚えさせるよう言われましたので、かなりハイペースで教えますしっかりついてきてください」

 国語辞典並みの本をみて俺は顔を青ざめた。

『終わるわけねーだろ。冬休みの宿題の8倍はあるぞ』

 そう心の中で嘆いたのを察したのかサキさんが付け加えてくる。

「この本は国王様の親族が書いた物で分厚いわりには分かりにくいです。国王様の命令で持って来ましたがこの本は使いません」

 ほっとしてるとサキさんは時計を見てから少し早口で喋ってきた。

「さあボーとしている暇はありません。祝福があっても基礎から覚えていくので時間がかかります。早速始めますよ」

 そう言いキツイスキル習得方法の勉強が始まった。

「初めはちょとした知識を教えます。スキルは魔法と違い魔気を使いません。ああ、魔気というのは脳の魔源という所から作られる物で全ての人が持っています。話しを戻しますが、スキルは魔気を使わない代わりに誰が習得しても使用回数が一定です。またスキルにもランクがあり9を最高とした1から9までの段階に別れてます。1~3を下位スキル4~6を上位スキルと言い努力すればほとんどの人が下位スキル習得出来ますが上位スキルには何らかの条件があります。7ランクより上は固有スキルといい。普通は最初から持ってない限り習得は出来ません。ちなみに[固定]のスキルはランク7です」

 大体の内容を理解出来たが聞いた感じ1日で習得するのは無理な気がする。

「あのーサキさん。1日で習得するのは無理なんじゃ」

「大丈夫です。祝福にはスキルを習得しやすくなる効果もありますし、上手く行けば8時間で終わります」

 サキさんが力強くそう言いとやる気が湧いてきたが8時間か途中で諦めそうだ。

「それでは最初はランク1の[鑑定眼]を習得しましょう」

 鑑定眼はランク1なのか結構使えそうなのに。

「スキルの習得方法ですが一番手っ取り早いのは巻物を使う方法です。この[鑑定眼]の巻物に触れてください」

 サキさんに言われるがまま巻物に触れてみると頭の中に色々な情報が入り込んできた。

「ランク1[鑑定眼]レベル1 鑑定可能物質 食物 植物、鑑定取得情報 可能or不可能」

「どうですか、[鑑定眼]の情報が入ってきたでしょうか。完全に理解出来たら、この2つのリンゴに使ってみてください」

 そう言われ2つのリンゴをみると右が可能、左は不可能と表示された。

「おお。凄いな」 

「鑑定出来たみたいね。結果はどうだった」 

「えっと、右が可能で左が不可能でした」

 サキさんはそれを聞くとにっこり笑って褒めてくれた。

 もう中学生なので少し恥ずかしいが悪い気はしない。 

「やっぱり早いですね。次はこのリンゴをレバーとして見てください」

 ちょと難しいが何回も頭の中であれはレバーと考えてから見てみると、今度はどちらとも不可能と表示される。

「どちらも不可能と表示されますね。今のはこれらがレバーとして使えるか使えるないかを鑑定したためそうなりました。「鑑定眼」は使用者が思い浮かべる用途などによって結果が変わります」

 学校の授業より何倍も楽しいと思って聞いてる、もう一度見てみてください、といわれた。

 見てみると今度は何も表示されなかった。

 焦って何度も瞬きして見ているとサキさんが説明してくれた。

「スキルは取得後一分は自動的に使いますが、その後は所有者が意識しないと使えません」

 試しに[鑑定眼]を使用と念じたら無事つかえた。

「次はレベルアップの方法です。結構キツイですよ」

 不安を感じながらも俺はやる気に満ちていた

 

長くなったので途中できりました。


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