復讐の亡者
今回のお話は少し主人公の人格がねじ曲がります。
今回も楽しんでお読みいただけたらと思います。
「魔法適性ってどこで調べられるんだ?」
【そんな事もわかんねぇで町を出たのか?】
「知ってるのか!?」
【知るわけねぇだろう。俺が知ってるのは火の魔法だけだ。】
「まぁ、そうだよなぁ...」
そんなこんなで、移動中の森の中
街を出てから少し経った時に盗賊に襲われ、武器を買い忘れたことに気付き、魔法を使おうと思ったが、周りが燃えそうなものばかりで使えなかった。
そして逃げ込んだのが森だった。
次の町へたどり着いたら、武器も一式買わなくてはいけない。
...たどり着けんのか?これ、流石に森は迷う。
どうしたもんかなぁ
「さがせぇ!あいつ高そうな本持ってやがった!きっとどっかの貴族の息子かなんかだろ!殺して奪え!」
「おらぁ!どこだぁ!」
と、この通り血気盛んな盗賊たちの声が聞こえる。
ぱっと見ただけでも10人はいたぞ。
一人相手に10人てどうよ...
「大きい魔法しか打てないの?」
【俺が発動する魔法は爆発的な火を起こす事。それを小さくするのは、お前さんの能力しだいだな。それも魔法のな。】
「いまは、魔法の大体のことしかわかってないから...」
【無理ってことだな。】
「武器が素手か...十人以上相手に?死ぬなぁこれ」
「おい!いたぞ!」
「へっへっへっ、もう逃がさねぇぞ坊ちゃん」
「どうしたもんかねぇ...やれるのかな」
【森を燃やすくらいの魔法なら打てるぞ?】
「俺は動物の住処は奪いたくはない。」
【そうかいそうかい、真面目だねぇ。】
「どういう状況がわかってんのかガキ、何一人でブツブツ言ってんだ!」
「怖さで頭がおかしくなったか?」
「「「「「「「「「「「「「「「「あっははははは!」」」」」」」」」」」」」」」」
「はぁ、グダグダ言ってねぇでかかってこいや屑共。」
「...調子に乗りやがってぶっ殺してやるよ!」
啖呵を切って一番はじめに切りかかってきたやつの攻撃を躱し、鳩尾に拳を入れる。相手の勢いもあり綺麗に入った。その後、そいつの後ろから蛮刀を突き刺してくる奴の腕を蹴り折る。その後、そいつが手放した蛮刀の刃を手に取り、柄で刀を突き出したやつの首元を突き、その反射でこちらに飛び出した蛮刀を取り、最初のヤツを叩ききった。
「まずは、2人...っ!?」
盗賊団の後ろには、弓を持つ輩が3人いた。
そして、俺は二人を屠り次にどうするか考えていた所を、射抜かれた。
一本は、足、太ももあたり。一本は、肩。しかも利き腕の方だ。そして最後の一本は...横腹に刺さった。
3人の放った矢は、すべて俺に命中した。
さらに言えば、利き腕、片足、横腹、運動能力を一気に奪われ俺はもう本当に死ぬしか選択肢がなくなった。
【キョウヤ!魔法を使え!森がどうだなどと気にしている場合ではない!】
「でもどのみち、歩けねぇから死ぬしかねぇだろ。」
【だが!魔法を使えば少しはお前を回復させることが出来る!魔力の質がわかれば、それに似た純度のもので回復することが出来る!】
「でも、きちんと助かるには、町にいかなきゃ...だろ」
ここで、カーネリアはもう諦めたらしい。
俺はここで死ぬのだ。カーネリアはどこかへ売られまた誰か主人を探せばいいだけだ。
...まだ、異世界に来たばかりなのに。
...まだ、復讐どころかあいつらに勝てるような力もない。あいつらはのうのうと生き、復讐に燃える俺は死ぬ...
...もし神がいるなら、神はなんと理不尽なのかと問いたいね。
「カイとケイをよくも殺してくれたな...綺麗な形では殺さねぇ。切り刻んで殺してやる。この森の動物の餌にでもなって死ねゴミクズが」
盗賊の大将だろうか?襲い掛かってきたのはお前らの方なのに...仲間を殺されて激昂してんのか...はっ...
「死ぬのは、お前らの方だよ。クズ」
「...殺れ、全員でかかれ。」
その言葉をきっかけに、盗賊全員が各々に罵詈雑言を俺に浴びせながら切りつけ、殴り、刺し、切り刻んで、俺は死んだ。
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死んだ...はずだった
なぜ俺は生きている?
俺は、確かに盗賊たちに切り刻まれた。
...だが、生きているならまずは狩りだ。
俺を殺したヤツらに復讐しないとなぁ...
俺が生き返ったそばには、そのまま蛮刀が落ちていた。だが、死体はなかった。本もどこかへ行った。やはり取られたのだろう。取り返しに行こう。
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その後俺は、来た道をたどり盗賊たちと出会ったところまで帰ってきた。
どうやら、木の上には見張りがいたらしく慌ただしく何かを話している。
「な、なんであいつ生きて...殺したはずじゃ」
「大将に報告を...」
その声が聞こえてすぐに俺は駆けた。
思ったよりもすぐにそこにつき、俺は二人の首をはね、殺した。
その後、俺は盗賊団の本拠地の中枢へと足を運んだ。
そして、カーネリアを見つけ取り返し、大将を殺した。最後あいつを殺す時、アイツはひどく怯えていた...あぁ、俺を殺した奴への復讐とはこんなにも気持ちのいいものなのか。
俺を蔑み、暴力を振ってきた奴らに報復をするのはこんなにも気持ちのいいものなのか。
【お前さん...なんで生きて】
「さぁな、俺にもわからないだがカーネリア、お前は俺に俺の生き様を見せろと言った。」
【...】
「いいさ見せてやる、代わりにお前も手伝えよ。お前は俺の仲間だ。」
【...やっと覚悟が決まったみてぇだな。いいぜ、俺はお前の道具だからな。】
そうして俺は、復讐の快感に取り憑かれた狂人...復讐の亡者として。再び、あちらの世界で俺を殺した奴らに復讐を誓ったのだった。




