ロキの悪戯
今回も楽しんでお読みいただけたらと思います思います。
「「「「「そこで止まれ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」」」」」
謁見の間に入ると、部屋が揺れるような大きな声が聞こえた。
兵士とみられるやつらが四、五十人。
俺の方に武器を向けている。
「だ、誰だ貴様は!なぜここを襲う!」
壁のように連なる兵士の奥から、震えた声が聞こえた。
…あいつかな?
「早く言え!」
「そうだそうだ!」
考えていると他に2人の声が聞こえて来た。
どうやらあいつらで当たっているっぽいな。
「俺の名は…そうだな、特にかっこいい名前が思いつかないし本名でいいか。俺の名前は橘響哉。覚えてるんじゃないのか?クズども」
「橘?そんな奴、私は知らない!」
「そうかいそうかい、ならあんたから呼ばれていた名を言おうか。蛆虫大王だっけ?あれは本当ないと思うぞネーミングセンスが」
「そんなはずない!なぜお前がこの世界に!お前は死んだはずっ!」
「なんだ、やっぱりここは俺が復讐するための世界じゃないか。…死んだはず?なぜお前がそれを知っている?俺は誰もいない廃ビルの屋上から飛び降りたはずなんだが?」
「っ!たまたま通りかかったんだよ。だが、まぁ相手がお前なら怖がることはないな!」
「へぇー、そう。『落ちろ』」
「なに言ってるんだ?」
奴は何をおかしなことを言っているのだと言うような顔をしている。
無知だな。詠唱短縮なんだがな。
ボトッという音とともに、兵士達が奴らを残して続々と倒れていく。
その不可解な状況に三人の顔は青ざめている。
まぁそりゃあそうか。
なんせ数十人の兵士が傷なく心臓だけを落として倒れているのだから。
「な、何をした!何をしたんだ!」
「さぁな、でもまぁひとつ言えるのは…お前らはこんな楽に殺したりはしないってことだよ」
「「「ひっ」」」
「『箱庭を 描き 創れ』」
眩い光に包まれた。この魔法は新しい空間を作りそこに人を閉じ込める魔法なのだが。やはり内装の変化はないただの謁見の間だ。しかし決定的な違いが1つ。
部屋の中の魔素が薄い。
「ここはどこなのだ!」
「違う!ここはあの世界じゃない!」
「ロキ様助けて!」
「…ロキ?」
『はいはーい!僕を呼んだ?』
そこに出てきたのは、謁見の間に人を集めろと言って能力を借りた…サマエルの姿だった。
『やぁ、キョウヤくん先ほどぶりだねぇ!』
「やっぱりお前…」
『僕は君だけのものじゃないからなぇ』
「チッ」
「ロキ様!」
『さてさて、僕を呼んだのは君かな?君の願いを叶えてあげよう。』
「あいつを、あいつを殺してくれ!そしてこの世界から俺を出してくれ!」
『出すのは君だけだよ』
「おい!」
「1人だけ逃げようっていうのか!」
「うるさいうるさい!!!生き残るのは僕だけでいい!生贄はこの2人だ!」
『おっけー、契約成立』
そういうと、ロキもといサマエルはニヤリと笑い奴の取り巻き2人を殺した。
そして契約の遂行を約束した。まずロキは奴を元の世界に戻した。
…ロキは俺の復讐を邪魔した。復讐相手を殺したのだ。
それは許せることではない。
あまりやりたくなかったがやるしかない。
ロキと戦わなければならないらしい。
『じゃあ、やろうか。キョウヤくん』
「…」
『おやおや?やる気満々だね』
「…」
『何の反応もないのぉ?面白くないなぁ』
「ごちゃごちゃうるせぇぞ」
彼は僕の視界から消えた。いや、消えたのではない捉えきれない速さで僕の目の前に現れたのだ。
僕はこんななりにも神だ。なのに僕は今後悔している、この男にちょっかいをかけたことを。
パンドラの開いてはいけなかったのだ。
目覚めさせてはいけなかった。
彼が何者かを知らなかったのだから。
いや、彼という言い方が正しいのかさえわからない。
アレはもう僕の知る人間という生き物ではない。
ただのバケモノだ。
ソレは僕の頭を狙って拳をまっすぐに突き出してきた。
それだけで僕の片腕は飛んだ。ただ、掠っただけなのに。
___________________________________________
《オイ》
『!』
《これは最後の警告だ》
ソレは僕の両腕と右の上半身を削り取った後で言った。
《あいつをここに戻せ》
『はは、僕の体をこんなにしといてよくいうよね』
《そうか、なら死ね》
その言葉には一切の感情はなかった。
ただ、生きたいか死にたいか。
それを搾取する側のものがされる側のものに選択を与えただけ。それだけの言葉だった。
そしてソレは僕の頭をもぎとり、潰した。
そのあと体に残る心臓部を潰した。
奴は死んだ。
これでもう邪魔するものはいない。
この力がなんなのかはまだわからない。
だが、これが俺の力なら俺は魔王か何かなのかもしれない。
こんな邪悪な力、ただの人間に当たるとどうなるか。
くふふふふふふふ
あいつで試してみよう。
あぁ、最高に楽しみだ。
次話で奴はどうなりますかねぇ。
ふふふふふ




